No.5ベストアンサー
- 回答日時:
まず初期大乗では、菩薩は「仏を目指す修行者」ですから、「仏の一歩手前の存在」と認識してもよろしいでしょうが、大乗が確立すると菩薩は、すでに「悟りを備えた存在」であり衆生救済につくす尊格として信仰されますから、単純に仏と菩薩をランク付けすることはできません。
また、胎蔵曼陀羅の地蔵院における地蔵菩薩は通常の菩薩形であり、地蔵は僧形とは限りません(逆に僧形の菩薩は地蔵以外にも存在します)。
【参考 胎蔵曼陀羅地蔵院における地蔵菩薩(菩薩形)】
http://homepage3.nifty.com/MandalaExplorer/taizo …
さて、地蔵という名は、梵名「Ksitigarbha(クシティガルバ)」を訳したものであり、「よく善根を生じること、大地の徳のごとし」と大地の徳を擬人化した尊格で、また大地のごとくな堅固な菩提心を有し、あらゆる苦しみを受けても破壊されないとされ、そこには古代インドの地神信仰の影響を受けています。現世と冥府を救済するとしてインド仏教においても信仰されていたと考えられます。支那においては『地蔵本願経』・『地蔵十輪経』などの説を受けて、「釈迦入滅後から弥勒出世までの現世を救済する(二仏中間<にぶつちゅうげん>)」「閻魔などのさまざまな姿に変えて、地獄を始めとした冥界を救済する(幽冥救苦<ゆうみょうきゅう>・六道能化<ろくどうのうけ>)」さらには「地獄の責め苦を身代わりに受ける(代受苦)」などの信仰が確立しました。その影響を受けて僧形の地蔵信仰が一般化します。
日本では平安末期の浄土信仰の影響を受けて地蔵信仰が確立し、現世・来世を救済する仏として人気を集めます。さらには「地蔵」という名称から土地神信仰と習合し、また地蔵信仰における「二仏中間」「幽冥救苦・六道能化」「代受苦」という性格から“境界を守るほとけ”として信仰され、特に日本における境界の守護神である「賽<さい>の神」「道祖神」とも習合します。地蔵が村・町の境界や峠に祀られることが多いのもこのことからでしょう。さらにはその土地(村落社会)の守護神的に信仰されます。
地蔵が一般に“子どもの守り神”として信仰されるのも「子どもは人間になる一歩手前の中間的存在」と認識されていたからでしょう(なお、水子供養は昭和初期に一般化し出しました。それ以前の村落社会では子どもが死んでも葬儀を行わないという事例があります。“人間ではない”のだから鎮魂儀礼を必要としないのでしょう)。
なお、民間信仰では地蔵菩薩以外の路傍に祀られる石仏も、広義で「ジゾウ」と呼ぶことがあります。「ジゾウ」と呼ばれる石仏が調査すると実際は「観音菩薩」や「弘法大師」「不動明王」であることは間々あります。特に京都では「地蔵菩薩」と並んで「大日如来」が路傍に祀られことが多く、それも「ジゾウ」として信仰され、「大日如来の地蔵梵」という仏教学的にいえば奇妙な言葉ですが、これは民間信仰では「地蔵=ジゾウ」とは限らないという好例ですね。
No.4
- 回答日時:
仏教の世界観の中に六道輪廻という考えがあります。
およそ生きとし生けるものは、地獄、餓鬼、畜生、阿修羅、人、天の迷いの六道のなかで生まれ変わり、苦しみ続けるものだ、と。この輪廻を抜け出すためには悟りを開き仏性に目覚める必要があるのですが、並大抵のことで成し遂げられることではない。そこで、六道の中で苦しむ衆生を決して見捨てず導く地蔵菩薩への信仰が生まれたのです。菩薩とは声聞、縁覚、菩薩、仏の悟りの四界のなかで仏に継ぐ第2位のランキング。一般には、悟りを開く直前の仏陀のすがた(=冠をつけた王子の姿。釈迦は出家する前、王子だったのです)をしています。ですが、地蔵菩薩だけは別格で、僧形をしています。自分だけ悟りを開いてアッチの世界に行ってしまうということなく、迷える民の中に常にその身を置いて下さる、ありがたい尊格なのです。ということで、迷いの六道にあわせ、六体の地蔵=六地蔵の石像を、人々の行き交う往来に安置する信仰が生まれました。
六道の中でも人々がもっともおそれたのはもちろん、地獄。その昔、乳幼児の死亡率が高かった頃、親より先になくなった子供は親を悲しませたが故、罪深く、地獄に落ちると考えられていました。しかし、我が子が地獄に落ちるのを喜ぶ親がいましょうか。ということで、地獄落ちから子供を救う尊格としての地蔵菩薩への信仰が特に盛んになりました。こうして、集落ごとに子供の守り本尊として地蔵菩薩をまつり、地蔵盆を盛大に祝うという信仰が生まれたのです。
No.3
- 回答日時:
まず、お地蔵さんの定義として、石像で屋外に立っている佛像だけだと
思っている方が多いようですが、実際にはお寺の屋内に木像の地蔵菩薩像を
奉安しているところも沢山あります。
この地蔵菩薩という佛(厳密には菩薩とは佛になろうとしている修行僧)
は、釈尊が入滅の後、弥勒菩薩が出現するまでの間、この娑婆世界を守る
任務につかれているとされています。
一般的な佛、菩薩は佛の世界から我々を見守ってくれているとされている中で
地蔵菩薩はこの現世において我々を見守ってくれている現場主義の佛様であると
言えるでしょう。
そんなわけで、各地で道祖神として我々を見守ってくれるような地蔵菩薩像の
建立がされてきたり、その身近さ故、各地で民間信仰の対象ともなったり
しているわけです。
No.2
- 回答日時:
No.1
- 回答日時:
道祖神といって今と違い徒歩で旅をしていた昔の人たちのために道中の安全を見守っている神様が日本中の旧道脇にはたくさんあります。
あと、その他の物はたくさんの言われがありますので、地蔵、地蔵信仰などで、検索してみたほうが無難かと・・・。
参考URL:http://kaboco.hp.infoseek.co.jp/
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