No.1ベストアンサー
- 回答日時:
こんばんは。
※支出形態の観点から
【減価償却資産】と【繰延資産・長期前払費用】
前者は実物財産の取得を目的とした支出(資金投下)によって
生ずるものであるのに対し、後者は役務(サービス)の提供を
受けることを目的とした支出によって生ずるものということが
できます。
※役務提供形態の観点から
【繰延資産】と【長期前払費用】
繰延資産は既に役務の提供を受けたものへの支出であるのに対し、
長期前払費用は未だ役務の提供を受けていないものへの支出で
あるという違いがあります。
繰延資産とされる「創立費」は設立登記費用等から構成されます
が、登記費用は登記というサービスを受けたことで発生するもの
であり、登記費用として支出したときには既に役務の提供は終了
しています。終了しているにも拘わらず「その支出の効果が1年
を超えて継続する」という理由で資産とすることになります。
一方、「当期首に家賃を3年分まとめて支払った」というような
場合には翌期以降の2年分が長期前払費用となりますが、この2
年分は「建物を貸してもらった」という事実が発生していない
にも拘わらず支出しているわけですから、支出したときには未だ
役務の提供を受けていないということになります。将来、その
役務を受けたときに費用となるため、支出時には資産とすること
になります。
※費用化の観点から
【減価償却資産】と【繰延資産】と【長期前払費用】
減価償却資産は使用や時の経過によって劣化していきます。観念
として「劣化する」ということは分かっても、現実にその1年間
でどれだけ劣化したかを見積もることはきわめて困難ですから、
現実的には財務省の耐用年数省令に従って費用化(償却)して
いくことになります。
繰延資産は「支出の効果の及ぶ期間」のうち当期分を費用化する
ことになります。この「期間」は、理論上の考え方はともかく、
企業会計上の繰延資産は商法により、また税法固有の繰延資産は
税法によってそれぞれ規定されています。
長期前払費用は当期に役務の提供を受けた部分だけを費用化して
いきます。
といった感じでしょうか。いざ考えてみると難しいですね(^^;
ありがとうございます!すごくすっきりしました。ところで、【減価償却資産】と【繰延資産】と【長期前払費用】などで処理をするということは、資産として計上するということでいいのですか?(資産計上という意味を間違えて捉えていないか不安)
また、これらのうち固定資産税を支払う必要があるものはどれですか?これも前から気になっていたところです。
No.6
- 回答日時:
こんばんは。
#1です。企業会計上の繰延資産について随時償却が認められて
いるのは、#1で書いたように、繰延資産に該当する費用は
「既に役務の提供受けたもの」であるため換価性がない、
ということが大きく影響しています。
はっきりとは覚えていませんが、
・ 商法の基本理念は債権者保護(最近は必ずしもそうとも
言えないようですが)なので、換価価値のないものを
資産として計上することには消極的。
・ 企業会計では、既に役務の提供を受けたものであっても
将来その効果が生じる費用は、換価性の有無に関わらず
資産として繰り延べるという考え方(慣行)があった。
・ そこで、商法側が債権者保護と会計慣行との間の妥協的
産物として8つについてだけ資産計上を認める代わりに
随時償却を規定することで、実質的には早期償却を期待
した。
・ 企業会計に係る他の基準・規則も商法に従った。
という流れだったと思います。
仰るとおり、法令解釈上は企業の任意で費用処理したり
資産計上したりということはできますが、その時々で
処理方法を変更するのはいわゆる継続性の原則に反する
もので利益操作につながることになるため、特段の事情
がない限り同一の処理方法によるべきでしょう。
ありがとうございます。大変よくわかりました。会社でも日経新聞でも教えてもらえないことなんで、助かりました。OKWEBさまさまです。もし機会ございましたら、またよろしくお願い致します。
No.5
- 回答日時:
再び、#1の者です。
減価償却資産は「必ず」資産計上すると書きましたが、いわゆる
少額減価償却資産については、税法上取得時に全額を損金(必要経費)
に算入することができますので、「必ず」というのは誤りでした。
企業会計では「重要性の原則」に従った処理と言えるでしょうか。
繰延資産のうち税法固有のものについては実質的には資産計上が
要求されます。法人の場合には決算書では資産計上していなくても、
申告調整(法人税の基礎となる所得金額の計算のための処理)で
「償却超過額」として損金から減額しなければなりません。
個人事業者の場合には法人のような申告調整はありませんから、
必ず資産計上しておかなければなりません(しなかった場合には
修正申告の対象となります)。
No.4
- 回答日時:
こんばんは。
#1の者です。お返事遅くなりました。#2さんの仰るとおりです。補足させていただきますと、
減価償却資産と長期前払費用については必ず資産計上しますが、
企業会計上の繰延資産については商法施行規則に「○年以内に、
毎決算期に均等額以上の償却をしなければならない」と規定
されていますので(規定期間内の随時償却)、支出時に全額を
費用として処理しても問題ありません。
3つの資産うち固定資産税の対象は減価償却資産だけですが、
減価償却資産でも次のものは除かれます。
・ 無形減価償却資産
・ 自動車税又は軽自動車税の対象となるもの
・ 少額減価償却資産(取得価額10万円未満)で事業者が取得時に
損金(必要経費)に算入したもの
・ 取得価額が10万円以上20万円未満の減価償却資産で事業者が
一括3年均等償却の対象としたもの
なお、土地及び家屋以外の事業用減価償却資産に課される固定
資産税は一般に「償却資産税」と呼ばれます。
>減価償却資産と長期前払費用については必ず資産計上しますが、
>企業会計上の繰延資産については商法施行規則に「○年以内に、
>毎決算期に均等額以上の償却をしなければならない」と規定
>されていますので(規定期間内の随時償却)、支出時に全額を
>費用として処理しても問題ありません。
繰延資産については、つまり、儲かった年は経費として処理を行い、その年度は利益を少なく見せ、儲からなかったときは粉飾したいがため、繰延するという技が使えるということですか?ぜんぜん会計に知識ない私ですが、単純にそのように考えてしまいます。
No.3
- 回答日時:
#2です。
>減価償却資産と繰延資産と長期前払費用などで処理をするということは、資産として計上するということでいいのですか?
その通りです。
>また、これらのうち固定資産税を支払う必要があるものはどれですか?
下記URLを参照してください。
繰延資産と長期前払費用は資産税の対象には入りません。
減価償却資産は基本的に資産税の対象になりますが、一部対象にならないものがあります。
例えば一般車両などは資産税の対象にはなりません。(自動車税の対象にはなります)
参考URL:http://www.tax.metro.tokyo.jp/shisan/shokyak_sis …
なるほどと思うことが今更多すぎます。ありがとうございます。
このような知識のないままかなり大きな金額を扱っていました。(最終的には経理が会社の有利なように調整していると思いますが・・・)
ちょっと考えたんですが、規則とおり、理論とおりやっていては会社は損をする。だから青山中央のような優秀な監査法人にお願いしてすごく利益が出るように見せるのですね。なんか、理系の私にとって会計は学問ではなく極道のような気がしました。(逮捕者も出ましたしね)
No.2
- 回答日時:
簡単に言います。
(かなり大まかです。参考程度に。)減価償却資産のうち有形減価償却資産は形として存在するもの。
無形減価償却資産は「~権」となっているもの。
長期前払費用は将来の費用を先払いしたもののうち、その期間が明確なもの。(例えば「~年~ヶ月分を一括で払った」というもの。保険料など)
繰延資産は将来の費用を先払いしたもののうち、その期間が明確でないもの。(支払うことで得られる効果が1年以上続くと推測されるもの。広告看板など)
簡単に分ければこんな感じでしょうね。
ありがとうございます。なんか、一気にすっきりしてきました。あつかましいですが、No1のかたのお礼に書いた部分もお分かりなら、こちらもぜひ教えてください。
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