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自分は化学を専門とするものです。誘電泳動とよばれる現象を考えるときに、”複素誘電率”という概念がでてきますが、これはいったいなんなのでしょうか?
その誘電泳動(の際に分子に働く力)を表す式の中に複素誘電率の実部、が入ってきます。実部と虚部ではなにか別々なものを表すのでしょうか? 

A 回答 (5件)

(#3、#5さんが的確な説明をされていますので、そちらを参照していただければと、、)



なぜ交流か
誘電率の虚部は、#3、#5さん回答にあるように、交流信号の位相差に関係しています。
直流ですと、位相というものがないので、虚部は現れてきません。
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誘電体に静電場を印加すると分極しますね。

分極は電子雲の偏りや誘起双極子等によって起こりますが、電束密度をD、電場をE、分極をPとすると
(1)D=εE+P
という式が成り立ちます。今、電場を交流電場(E=E0cosωt)にすると双極子のような重いものは電場の変化にリアルタイムに追随せず、位相の遅れ(δ)を生じ、これを反映してDは
(2)D=D0cos(ωt-δ)=D0cosωtcosδ+D0sinωtsinδ
と表されることになります。(2)式右辺の第1項は電場の変化と同相の成分ですが、第2項は電場の変化に対し90度位相が遅れた成分ということになりますね。この2つの成分を複素座標で考えると実軸と虚軸の関係として捉えることができ、ここから複素誘電率の概念がでてくることになります。詳しいことはココ↓
http://www003.upp.so-net.ne.jp/asami/
の「誘電分光法入門」テキスト(P17)を参照してみてください。少し数式がゴタゴタとでてきますが、意味するところを捉えれば良いと思います。ご健闘を祈ります。

参考URL:http://www003.upp.so-net.ne.jp/asami/
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光学で誘電体を扱う時によくいうのは、実部: 散乱の大きさ、


虚部: 吸収の大きさ、として考えます。


誘電率、誘電関数(波長変化するもの)、屈折率、なども
関連単語としてでてきます。


wikipediaの説明などもお読み下さい。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%98%E9%9B%BB% …
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交流などの振動は複素数の exp を使って記述することができます.これは数学的記述の上では非常に便利です.これ自体が複素数なのですが.


交流応答には必ず位相ずれの問題がでてきます.そのため,交流の刺激とそれに対する応答の間は単純な実数の係数では記述できなくなります.
さて,複素数で記述された振動に対する応答も振動形ですから,これもまた複素数で表わせるはずです.基本的には振幅と位相が異なる関数で記述できるはずです.原刺激と応答とがこのような関係にある時,複素数を係数にすると線形関数として刺激と応答を結びつけることができます.
複素誘電率は,交流の電気変位と電場の間の係数としてでてきます.
と,ここまでは概念論.
静電場に対する誘電率は,要するに電気的エネルギーの貯蔵能力を意味します.複素誘電率の実数部は,これと同様に電気的エネルギーの蓄積される部分に対応します.交流場では多くの場合には同時にエネルギー損失もおこります.このエネルギー損失(熱になる)の項が虚数部の物理的意味です.
CR並列の等価回路で考えれば,C成分が実数部,R成分が虚数部に対応します.
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この回答へのお礼

詳細な回答、ほんとにありがとうございます。もう少し勉強してから、振り返えらせて頂きます。

お礼日時:2006/10/10 19:16

誘電体に周波数の高い交流電界をかけると誘電体内部で損失が生じます。


この損失まで含めて「全て誘電率のなかにまとめこむ」と誘電率に虚部が生じて複素数になります。

実部は通常の誘電体としての特性(通常呼ぶ誘電率)を
虚部は誘電体内で生じる損失を
表すことになります。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。自分は物理に疎いもので・・もう少しお伺いしたいのですが、なぜ直流ではなく交流なのでしょうか?誘電泳動も高い周波数の交流電界をかけることで、粒子を動かす現象なのですが・・。 

お礼日時:2006/10/10 19:14

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