No.5ベストアンサー
- 回答日時:
こんにちは。
なかなか高度なご疑問ですね。少々乱暴な表現ですが、つぎのような回答ではいかがでしょう。
時間を計るためには、何かの振動を使うのが一番です。それも、できるだけ外からの影響の少ない振動がいいですね。このために少し前まで、振り子が使われていました。
ここで、正確な振動のモトとして原子の周辺を回っている電子を使う方法があります。(とても小さいので外からの影響を受けやすそうですが、小さなものは、例えば腕時計を大きな船に乗せているようなもので、結構影響を受けにくいのです。)
原子の回りには物質によって定められた数の電子が回っているのは聞いたことがあるでしょう。それはすべて同じ道を回っている訳ではなく、原子から近いところや遠いところを回っていますが、物理学的な法則から、その道の場所はいくつか決まっており、例えば、6個の電子のうち、1個目と2個目は核から1mの距離、3個目から6個目は2mの距離・・・というように決まった位置があります(1.3mの位置等には道がない。当然、実際にはミクロン以下の小さな範囲)。
一方で、上手に制御すると、全部の電子を1mの場所を回るようにすることができ、さらにある操作でいくつかを再び2mの道にはじき出すことができますが、ここがミソ。
はじき出すためには電気の力を使いますが、その力は繰り返す振動として加えます。いわば、深い空き缶の中に入れたピンポン球を底をたたいて飛び出させようとするとき、一発で飛び出すような衝撃を加える方法のほかに、良いリズムを使って繰り返し底をたたき、ピンポン球が少しずつ大きくはねるようにして飛び出させる方法がありますね。
これが原子時計のイメージです。
ある方法を使ってセシウム原子等の電子をある道(基底状態と言います。)に集めます。
そこに、繰り返し電気のパルス(振動)を与えます。うまく電子がはじき出されているなら良い時間間隔ですが、出てこない場合は間隔がずれてきているので、修正します。このような修正を始終行っていればとても正確な振動が得られる・・・というのが原理です。
原理的にはどんな物質でも電子を持っているので利用可能ですが、「特定の道に電子を集めやすい」、「はじき出される時の振動の間隔が適度に厳しい(正確)」、「はじき出されたのが検出しやすい」等の特徴から現在はセシウムやルビジウムが多く用いられています。
次に、時間を正確に決める意義ですが、お気づきのとおり、人間生活くらいなら、さほどの正確さは必要ありません。影響の大きな例として2つをご理解いただきましょう。
○ 電波の世界
まずは電波です。「電波」は、電線に流す電気の強さを素早く繰り返して変動させる(例えば、電池につないだスイッチを1秒に数百万回というすごい勢いでON―OFFを繰り返す。)と、電気が自然に電線から飛び出して何百Kmも飛んでいくという原理を使ったものですが、そのままだとみんなが放射する電波が混ざり合って混乱が起きるので、これを識別するために、用途ごとに1秒間の変動回数を変える決まりになっています。用途にもよりますが、現在では1秒当たりの回数を数億分の1の違いで用途を分けることもある(身近な携帯電話でさえも数百万分の1の正確さ)ので、多くの国・機関・会社で時間を正確に測定できることは通信の上ではとても重要なのです。
○ 長さの世界
次に長さです。互いにきちんとはめ込めるように物を作り、距離を測るためには皆が正確なモノサシを持つ必要がありますが、現在では究極のモノサシとして、「一定時間に光が走る距離」で決めています。このためには正確な時計が必要です。
例えばカーナビに使われるGPS衛星システムには極めて高度な時計が組み込まれているため、何万Kmも電波を飛ばしていながら、10cm単位で位置を計ることができます。
さてさて、長くなってしまい、ちょっと単純化しすぎの論も含まれていますがいかがでしょうか。
お役に立てば幸いです。
No.4
- 回答日時:
そもそも「時計」というのは「周期的現象を使って時間を計る装置」のことなんです。
だから定義上は腹時計だって時計と言えるわけですが、これが時計としては非常に不正確なのは分かりますよね。では、なぜ腹時計が不正確なのかといえば、これは生き物というとてつもなく複雑でバラツキの大きな機構の周期を使っているからに他なりません。つまり、時計に使う周期には、なるべく構造が単純でバラツキの少ないものを使うのが望ましいわけです。
ということで、その時々の技術の発展に応じて、力学的周期(振り子やゼンマイ)を利用する時計から電気的周期(水晶発振子[クオーツ])を利用する時計へと進化してきたのですね。しかし、水晶発振子といえども結晶のマクロな物性を使っている以上は、その精度が水晶の純度やら何やらに左右されてしまうのは避けられない。
一方、原子の周期(電子の吸収スペクトル)というのは、基本的に素粒子や原子核の質量や電荷etc.で厳密に定まっていますし、熱の影響も物理的に非常によく判っていますから、原理的なバラツキが非常に少ないのです。しかもそれを装置化し観測するためのマイクロ波、レーザーの技術も成熟している。
ということで、現状の技術で安定して使える究極の時計として原子時計が採用されているわけです。
ただ、原子時計にしても(原理的に)熱の影響etc.はゼロになりませんので、将来的にはブラックホールetc.の天体現象の周期を使った時計が開発されて、より精度を高める方向に行くことになろうかとは思います。
No.3
- 回答日時:
なぜ正確な時計が必要かという疑問について。
たとえば、原子物理学などのミクロの世界では、1兆分の1秒(ピコ秒)からその千分の1秒(フェムト秒)、さらにその千分の1秒(アト秒)といった短い時間の現象を取り扱います。そのためには、時間を計るモノサシである「1秒」の厳密な定義が必要になります。宇宙観測や宇宙物理学などのマクロの世界でも同様に高精度のモノサシが必要です。
もう少し現実的な分野でいうと、コンピュータや通信システムは10億分の1秒(ナノ秒)~1兆分の1秒(ピコ秒)の世界で動作しています。そのコンピュータとを通信技術を利用したGPS(全地球測位システム)は、高精度の時計で動作しています。カーナビなどは誤差数m程度の精度で充分ですが、軍事目的や地球測量には何桁も高い精度が要求されます。原子時計の正確な時刻はGPSの運用にも必要不可欠なものです。
これはひとつの応用分野に過ぎませんが、世の中のいろいろなシステムは、原子時計の正確な時間と、それを積み重ねた正確な時刻(協定世界時)を基準にして動いているわけです。
なぜ原子時計かという疑問について。
ごく大まかに言うと、昔は1秒の長さは「1日(平均太陽日)の86,400分の1」と決められていました。1日の24分の1(=1時間)の60分の1(=1分)の60分の1(=1秒)です。これを基準に時刻を管理してしていると、わずかな誤差があることがわかってきました。地球の自転速度が日々わずかに変動しているためです。そこで、1960年に、地球の公転周期を基準として「1回帰年の31,556,925.9747分の1」を1秒とすることに改められました。
ところが、技術がどんどん進歩してくると、この基準でも誤差があることがわかって、さらに高精度の時計が必要になってきました。そこで、天体の動きの変動に無関係な原子の振動周期を基準にした定義に改められたのが、1967年のことです。
現在の1秒は、「セシウム133の原子の基底状態の二つの超微細準位の間の遷移に対応する放射の周期の91億9263万1770倍に等しい時間」と定義されています。
現在の世界中の時刻(協定世界時)は、1958年1月1日の世界時正午を基点として原子時計の1秒の積み重ねで管理しているものです。そのため、こんどは地球の動きに対する時刻のズレが起きることになり、その誤差が0.9秒を超えないよう、ときどき「閏秒」を挿入してつじつまを合わせています。
現在、日本の標準時は、独立行政法人情報通信研究機構(旧・郵政省通信総合研究所)の日本標準時プロジェクトが、セシウム原子時計18台と水素メーザ4台を使って管理しています。日本の原子時計は、協定世界時を維持管理する基準のひとつにもなっています。
http://jjy.nict.go.jp/index.html
No.2
- 回答日時:
参考URLで理解して下さい。
>>原子時計の精度が他の方式に比べて桁違いにすごいということは聞いたのですが
凄すぎて、地球の公転の方が誤差がありそれを補正する為に閏秒が設けられた。
http://astro.ysc.go.jp/leapsec.html
参考URL:http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/0308/04/n_crl. …
No.1
- 回答日時:
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/0308/04/n_crl. …
逆に、1秒を定義するのに原子時計が使われています。原子時計の精度が桁違いというだけでなく、逆に1秒を時計に合わせてしまうということですね。
逆に、1秒を定義するのに原子時計が使われています。原子時計の精度が桁違いというだけでなく、逆に1秒を時計に合わせてしまうということですね。
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