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ちょっと専門的な話になるのですが、リン原子は空の3d軌道を使って、超原子価分子を生成することができますよね?
リン原子は最大いくつまで結合することができるのでしょうか?tetrabutylphosphonium halide等はよく知られていますが、そのリン原子に更なる結合も可能だと。
電子配置、混成軌道等の面からご教授ください!

A 回答 (6件)

というか、そもそもBu4NOAcと言う化学種自体、ホスホランではないと思うのですが?


ホスホニウムアセテートと言うべきものではないでしょうか。
31P NMRのデータやX線構造解析がのっていれば、即座に判明することではありますが。

記載されている反応については、何ができたか?と言うコメントは無いのですか?
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この回答へのお礼

ええ、知りたい化合物は、ホスホランではありませんでした。勘違いしてました;もーちょっと別の観点から調べてみることにします!

ありがとうございましたm(__)m

お礼日時:2006/10/31 00:24

Bu4POH + nAcOH -> ?


と言う反応に関してですが、私もこの反応については良く知りません。
しかし、酢酸イオンの求核性の低さ、立体障害、ブチル基の電子求引性の低さ、キレート型配位子が一つも無いことなどから、この反応の生成物はホスホランではなくて、単なるイオン性化合物だと思いますが?
また、過剰の酢酸を存在させても、6はいい以上への配位数増加は見られないと思います。結局溶液中に見えるのはBu4P^+イオンだと思いますが。フッ化物イオンくらい強いルイス塩基を使えば、配位が見えるかもしれません。

私も本をチェックしましたが、確かに7配位化合物の存在が示唆されています。
また、ケイ素などでは7配位化合物が知られています。
これらにおいても、多中心型の結合を考えることで結合は説明できます。
ただし、錯体の構造によって考えるべき多中心結合は変わることがありますので、ご注意下さい。
5はいいの場合でも、trigonal bypiramidalとsquare pyramidalでは違います。

三中心結合で考えるのも良いですが、もっと簡単にドナー・アクセプター型の結合形成で説明することも多いです。
要するに、X-E-Lという三中心型の結合が、X-Eの背面にLが配位してきて生成したのだ、という考え方で、この場合はX-Eのシグマスター結合にLが電子供与した、として結合形成を考えます。

本に載っているアミノ基やアルコキシ基などの中性配位子が配位した化合物の場合も、同様に考えます。
Si-R, P-R, C-R, S-Rなどのシグマスター軌道にアミノ基が電子供与したドナー・アクセプター相互作用として説明することが多いです。
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この回答へのお礼

早速のご返答ありがとうございます。

Bu4POH + 2AcOH → Bu4POAc + AcOH と、過剰な酢酸はリン原子には配位せず、酢酸として系内に残されたままってことでしょうか?

(1)Bu4POH + AcOH →
(2)Bu4POH + 2AcOH →
(3)Bu4POH + nAcOH → (N>2)
(1),(2),(3)の反応生成物が、それぞれ違うCA RNで登録されてるので、何らかの形で錯体形成されてるのかと思って、質問した次第です。

お礼日時:2006/10/30 18:22

#1です。

ああまだ開いていて良かった。
#2、3様有難うございます。
愚かな答えを書いてしまいました。
わざわざ恥をかきに帰ってきたのは、同じ結合様式の硫黄の三配位8電子結合で学位論文を書いたのに全く忘れていたのを告白したかったからです。
勉強を怠ると恐いですね。
有難うございました。
m(_ _)mm(_ _)m
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追記します。


超原子価化合物の分子軌道の説明で、良く出てくる考え方が3中心4電子結合というものです。
No.2でジボランのことを書きました。
ジボランの場合、1つのH原子と2つのB原子の提供する三つの軌道(H1s 1個、B sp3 2個)から、一つの結合性軌道、一つの非結合性軌道、一つの反結合性軌道が形成され、二つの電子が結合性軌道を占めることで結合ができます(三中心2電子結合)。

三中心4電子結合はこれと似た考え方です。
PF5の場合をかんがえます。この分子はトライゴナルバイピラミダル(三方良錐構造)です。
Pの上下にフッ素原子1個ずつ(アピカル位という)、周囲にフッ素原子3個(エクアトリアル位という)となっています。

アピカル結合が三中心4電子結合です。
フッ素の2p軌道が2個、リンの3p軌道が1個提供されますから、全部で3個の分子軌道ができます。ここに、上下のフッ素原子から1個ずつ、中央のリン原子から2個の電子が収容されます。
すなわち、結合性2個、非結合性2個となるため、全体として結合が生じます。

PF6^-などの6配位化合物の場合は、全ての結合が3中心4電子結合から形成されている、として考えます。

もっとも、上記のような局在化軌道と分子軌道の合いの子のような理論はやや古典的で、すでに50年代にピメンテルらが提唱しています(ピメンテル化学結合という有名な教科書を読んでいるかもしれません)。
現在の理論計算では、このような局在化した結合ではなく、分子全体に広がった分子軌道をまず考えます。
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この回答へのお礼

アントラセンさん、ありがとうございます!
季刊化学総説 超原子価化合物は持っているのですが、その中では7配位化合物も紹介されていたような気がします。。
具体例として、
Bu4POH+AcOH→Bu4POAc+H2O
となると思いますが、AcOHが2倍,3倍モル,・・・と過剰量あれば、リン原子へのAcOHの結合はどのようになるかが知りたいのですm(__)m
私自身の専門は有機合成で、この分野は不勉強な点がたくさんあり、完全には理解できていません。。これを元に勉強していくつもりです。よろしければ、ご教授くださいm(__)m

お礼日時:2006/10/29 23:48

6配位化合物があります。


ヘキサフルオロホスフェートPF6^-
など。このアニオンは求核性が低く、BF^-やClO4^-などと同様に錯体の対アニオンとしてよく用いられます。
他にもさまざまな6配位化合物があります。
また、5配位化合物も別に珍しくはありません。
PCl5やPF5などは古くから知られた中性5配位化合物(ホスホラン)です。
Wittig反応で有名なWittigが、初めて炭素置換されたホスホランPPh5を合成しました。Wittigはホスホランの合成研究においてWittig反応を発見したそうです。

3d軌道で説明するのは、現在では誤った考え方です。
繊維金属錯体の結合で、配位子場理論というものを習っているかもしれません。
超原子価化合物の結合も、これと似た理論で説明されます。
配位子の軌道(p軌道やsp3混成軌道など)をいくつか組み合わせて形成される配位子場と、リンの3p,3s軌道が相互作用することで、結合が説明されます。
たとえば、ジボランの結合に考え方は似ています。
2中心2電子の古典的な共有結合の考え方だと、うまく結合が説明できませんが、いくつかの原子に非局在化した軌道を考えれば、d軌道を考える必要はありません。

必要がないというか、理論計算などからd軌道は関与していないことは数十年前から示唆されてきていました。最近の理論計算の結果から、d軌道関与は否定されており、d軌道は含めません。

詳しくは
季刊化学総説 超原子価化合物

Wiley Organic hypervalent compounds
など参照ください。
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PF5が安定で温室効果ガスとして知られています。

配位はトリゴナルバイピラミダルです。
PF6^-もあったと思います。その場合オクタヘドラルですのでd軌道が使われているものと思います。
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