
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
遺伝子導入による移行というのは、細胞の「移動」ですか、
上皮細胞から間葉系細胞への細胞の形質の移行についてでしょか。
どちらも遺伝子導入による過剰発現で違いを見ることが可能かもしれません。
現在siRNAによって標的タンパク質のノックダウンを行って機能の低下を調べている論文は結構あると思います。gain of function loss of function どちらが良いかは試してみないとわからないことの方が多いと思います。
さて「移動」についてはいっぱいいっぱいに増殖したMDCKに対しdishに物理的に傷をつけてその傷のところへ細胞がどのように増殖していくか観察することで極性などを調べる実験が有名です。
間葉系細胞への移行についてはいろんなマーカーがありますので、そのマーカーを調べるのが一番「検出感度」が高いですね。Eーカドヘリン、b-cateninなどが上皮マーカーになっているかと思います。
フィブロネクチン、ビメンチンがでてくれば間葉細胞分化ですね。
御答えになりましたでしょうか。
No.4
- 回答日時:
インフルエンザウイルスの培養について補足しますと、ワクチンについてはNo.3の方が書かれているとおりなのですが、その他に「患者(患畜)からのウイルス分離」絡みの理由もあります。
インフルエンザウイルスは、ヒトで流行しているウイルスはヒト型のレセプターに親和性が高く、鳥で流行しているウイルスは鳥型のレセプターに親和性が高いのは当然なのですが、発育鶏卵はもちろん鳥型のレセプターを主体的に保有し、MDCK細胞はヒト型のレセプターが多いのだそうです。
故に、鳥からインフルエンザウイルスを分離するには発育鶏卵の方が容易なのですが、ヒトからインフルエンザウイルスを分離するにはMDCK細胞の方が適しているのだそうです。
なので「鳥インフルエンザ」の監視をしている家畜保健衛生所では発育鶏卵を用い、「ヒトのインフルエンザ」を監視している衛生研究所などでは主にMDCK細胞を用いているそうです。
面白いことに、最近アジアで見られるような、「鳥インフルエンザがヒトに感染した場合」なのですが、由来は鳥であっても一度人に感染すると、MDCKの方が親和性が高くなるのだとか。
インフルエンザの他にはNo.1の方が書かれているとおり、犬のパルボウイルスの分離培養に使ったりもします。ジステンパーは培養細胞で増やすことがかなり難しく、特に分離はMDCKのようなセルライン系の細胞では成功したという話はほとんどないかと思います。
一般的に、ある動物由来のウイルスは同じ動物由来の細胞の方が親和性が高く、分離培養が容易です。例外は数多くありますが(「例外」とは言えないくらいに)。
でもVero細胞(サルの腎臓由来の細胞です)のように、ヒトのウイルス牛のウイルス、豚のウイルスというように非常に幅広く感受性を持った細胞もありますけどね。
MDCK細胞ってヒト型のレセプターが多いんですね。だからヒト絡みの実験によく使われてるんでしょうかね??おもしろいお話ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
No.1の方がインフルエンザの培養に使用すると書かれていますが、
鶏卵でも培養できるウイルスをなぜこの細胞で培養するかというと、
ワクチンの原料(言い方はおかしいですが)となるウイルスを作る際に、鶏卵で培養すると、ウイルス液中に鶏卵由来の蛋白が混入してしまい、副反応の元となるという考え方でMDCK細胞を用いるわけです。
メリットといえばメリットでしょうか・・
No.2
- 回答日時:
無血清培地で培養し、ウイルスの産生細胞として使われることも多いですが、細胞生物学的には、極性を維持した上皮細胞として使われます。
間葉系細胞転換 (Epithelial-Mesenchymal Transition, EMT)の誘導実験に使用したり、タイトジャンクションの形成や構成分子の研究に使われます。ゲノムプロジェクトが十分でなかった頃は、いちいち犬の遺伝子をクローニングからしなくてならずいまいち使いにくいと思われていましたが、現在多くの遺伝子が同定され現在上皮細胞そして間葉系細胞の転換機構の解析では一番使われている培養細胞だと思います。
様々な用途を教えて下さってありがとうございます。
細胞生物学的な用途について、もしご存じでしたらもう少し詳しく教えて頂けませんか?
ある遺伝子をMDCKにTransfectし、その移行を見る、とか可能でしょうか。
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