
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
単純に言えば、STMは表面と探針間の一定電気抵抗面の凹凸を像にします。
だからより電気を通すところは盛り上がって、通さないところはへっ込みます。AFMは仰るとおり、一定の原子間力の凹凸を像にします。
よって、表面の凹凸がそのまま電気の通しやすさが同じなら同じ像が得られます。
例えば専門的な話しですがSi(111)7*7表面はSTMもAFMもほぼ同じ像が得られています。SrTiO3という物質の表面では、表面に出ている酸素だけが電気を通しにくいので(だったかな?)その部分だけSTM像では暗くなるにも関わらず、AFMでは原子が存在するので明るく出る等のちがいがあります。しかしこれらの例は全て最近開発されたノンコンタクトAFMというもので得られたAFM像のことです。
AFMにはコンタクトモードとノンコンタクトモードがあります。そのほかにもタッピングモードやフリクションモード等。一般にAFMというとコンタクトモードをさします。これは実際原子間力と言っても、かなり硬いカンチレバーを用い、表面に接触させて像を取得しなければならないので、原子像等は得られません。(一部特殊な表面除く)カンチレバーの先もかなり鋭くないので、解像度もかなり落ちます。
よって、試料が導電性のものであれば、広い範囲で大きな凹凸の表面であれば両方ともほとんど同じ像が見えます。実際、グラファイト表面や金の蒸着膜など、どっちで見てもおんなじような像です。しかしあらゆる条件で同じ像が見えるかというと見えないです。それは動作原理というよりもSTMは非接触で、AFMは接触で像をえることが一番大きな原因だからです。
こういったAFMの弱点を改善するため、真空中にて非常に鋭い先をもったカンチレバーを使い、接触させ無いように改良したのが前述のノンコンタクトモードです。このモードとSTM像を比較しだしたのが学会でもつい最近のことですのでこれから色々と面白そうなことが期待出来ます。
>試料が導電性ならばSTM、AFMでどんな事がわかり、どんな像が得られるのか教えてください。
このご質問に対しては 表面科学のVol.23(2002) に非常に正しい学問レベルでお答えが載っていますので、もし真剣にご興味がおありならばこのレベルで確認されるのがよろしいかと思います。
No.3
- 回答日時:
とりあえず、こちらの質問も参考にしてみてください。
「AFMを用いたリソグラフィ」
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=263260
私が回答したところのリンクからさまざまな画像を見ることができます。
参考URL:http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=263260
No.2
- 回答日時:
まずSTM、AFMなどをまとめてSPM(走査型プローブ顕微鏡)と呼びます。
両者とも物質の表面形状をナノスケールで観察できます。STMは走査型トンネル顕微鏡の略で、その名のとおりに探針と試料の間に流れるトンネル電流を測定します。このトンネル電流の大きさは探針と試料の距離にに反比例します。つまり電流を測定することによって物質表面の形状を見ることができます。ただし電流を流す以上導体でなくては使えません。
AFMは原子間力顕微鏡と呼ばれ、さまざまな性質を測定することができます。
基本的には探針を試料に近づけ、そのときに生じる原子間力を測定します。この原子間力も探針と試料の距離によって変化しますから、物質の表面形状が観察できます。さらに絶縁体や生体試料なども観察できます。
その他にAFMでは探針の素材や測定方法を工夫することによって摩擦力、導電性、ポテンシャルなど多くの性質を見ることができます。これからの微小デバイスの開発の重要なツールとして期待されています。
得られる象は測定されたデータをコンピュータ上で処理したものです。視覚的に三次元画像を理解できるようにカラーにしてあるものもあります。
No.1
- 回答日時:
どちらも、被写体上をプローブが走査して、
プローブと被写体までの距離を検出し、
そのデータを計算機で被写体の形状として図示しているのだと思います。
で、STMとAFMはその「距離の検出」に違う原理が用いられているわけです。
ですから、絶縁体だと、表面に導電性のコーティングをしないとSTMはつかえませんが、AFMだと絶縁性でも使えるという点が一番の違いじゃないでしょうか・・
画像としてはどちらも原理的には白黒しか得られないです。
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