
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
開始剤が分解して発生したラジカルがビニル基に付加する反応や生長反応と溶媒から水素を引き抜く反応を比べると、一般的に水素引き抜き反応の方が活性化エネルギーは高いと思います。
よって、高温で反応させるほど水素引き抜き反応の割合が増えていきます。
一般的な傾向として、分解温度の高い開始剤(10時間半減期の温度が指標になります。)ほど、発生するラジカルの活性が高く、水素引き抜き反応が起きやすくなります。
10時間半減期の高い開始剤ほど、重合操作自体を高い温度で行う傾向があるので、重合温度が高くなると言うことも影響します。
また、BPOとAIBNとの比較では、AIBNは炭素原子がラジカルになっているのに対して、BPOは酸素原子がラジカルになっています。
同じ程度の分解温度の場合には、酸素ラジカルの方が水素との親和性が高く、水素を引き抜きやすい傾向があります。
(分解温度の方が寄与としては大きいとは思います。)
BPOは安息香酸ラジカルに分解し、その後フェニルラジカルとCO2とに分解しますが、通常のラジカル重合の条件下ではフェニルラジカルまでに分解する割合は小さいと言われています。
そこで、水素引き抜き反応のしやすさの議論は安息香酸ラジカルでするべきだと思います。
繰り返しますが、水素の引き抜きやすさの一番の指標は、開始剤の分解温度、つまり10時間半減期の温度で、この温度が高いほど生成するラジカルは不安定ですから、活性化エネルギーの高い反応、つまり水素引き抜き反応を起こしやすい。
2番目の因子としてラジカルが炭素ラジカルなのか酸素ラジカルであるかということです。
どちらの指標もBPOの方が水素を引き抜きやすいという結果となりますし、実際にBPOの方が水素を引き抜きます。
No.1
- 回答日時:
結合エネルギーの差も効いているのかもしれません。
前者だと、Phラジカルが水素原子を引き抜いて、sp2のC-H結合ができますが、後者だとアルキルラジカルが水素原子を引き抜いて、sp3のC-H結合ができますから、前者の方がエネルギー的な稼ぎは大きいでしょう。
速度論的にも、Phラジカルの方が活性でしょうから(自信無いですが・・・)、重合基質のアルケンと反応するのと、周りに大量にある溶媒分子と反応するのが競争するのでは。
一方、ニトリルで安定化されている上、三級でかさだかいAIBN由来のラジカルの場合、ラジカルの反応性が抑えられていることでより反応活性なアルケンと選択的に反応できるのではないでしょうか。
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