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新聞記者が、警察の広報をもとに記事を書くということはわかりましたが、独自に刑事事件などの取材をするうちに、犯人のめぼしがついたり重要情報を握る事ができる場合もあると思うのですが、そういう場合、
・それらを管轄の警察署にすぐ伝える義務があるのでしょうか?
 怪しいと思っても慎重にして伝えなかったり、たいしたことでなくても何でも伝えなくてはならないとか、基準などありますか?
 あえて情報を伝えないでいるという行為は、どうとられるのでしょうか?
・警察署は、それを元に捜査をするのでしょうか?
・情報を握った記者に対して謝礼などあるのでしょうか?
・情報が間違っていた場合、どうなるのでしょうか?
疑問だらけですみません。この職業に関連している方、あるいは、良くご存知の方、どうか教えてください。

A 回答 (4件)

質問や補足の中で「義務」「警察の指示に従うしかない」などの表現がありますが、まず大前提として警察とマスコミの間で、制度的(表向き)には権利-義務関係、指示命令系統は存在しません。

マスコミにとって警察は取材対象であり、警察はマスコミを通じて事件を広報するという関係です。

また、警察発表についても、「●●署によれば~」という前置きをおいて、結果的に発表を垂れ流しているという事情はありますが、原則としては被害者や目撃者などを探してウラを取るようにしています。

ただ、現実にはそう単純ではありません。

まず事件が起きると警察は発表しますが、この発表は制度化されているわけではなく、ただ「慣例」として行っているにすぎません。だから警察からするとうまく世論を捜査の有利になるように誘導したい、警察にとって都合が悪い情報は表に出したくない、などの心理が働いて、非公式のリークで記者を巧みに誘導しようとします。

また記者たちはメディア同士の競争があり、独自のネタを仕入れようとして警察官と仲良くしようとするし、検察、弁護士、被害者など、あらゆる関係者を取材します。

こうした複雑な関係のなかで、警察よりも先に情報を得た場合にどうするかは、その得た情報の性質やタイミングによるので、一概にこうするとは言えません。

独自情報を警察に知らせるかどうかは、事例によります。#1さんの「『警察に知らせてはならない』ということが基準です」というよりは、判断基準があるとすれば「読者・視聴者に知らせるか」になります。目撃者の証言などは、特に警察にウラをとる必要はなく、報道します。ただ、取材の中であやしい人物が浮かび上がったら刑事課長などに「こういう話があるけど、どう?」と聞く場合があります。

ただ、この「読者・視聴者に知らせるか」が実際に記者の行動基準として根付いているかといえば、あやしいものがあります。他社に先駆けて「容疑者逮捕へ」というスクープほしさに、重要情報を得たときに報道する代わりにまず警察に知らせ、「逮捕のときはこっそり教えてね」とリークをお願いすることもあります。これがいわゆる「癒着」として批判されるところです。

警察にウラをとらなければならないと報道できないかと言えば、これも事例によります。記事をよく読んでいると、「捜査本部も重要な関心を寄せているとみられる」という書き方がありますが、これは本当にウラをとったのかどうか、記者の観測なのか、判然としませんね。断定的な書き方をしてしまうと、結果的に情報が誤っていたら傷つく人が多く、「~みられる」「~という」という曖昧な表現が多いのはそのためです。

警察の知らない情報を報道した場合の警察の対応ですが、これも様々です。警察の情報管理が甘いと見られたくないために記者を出入り禁止にして、リークしたと思われる警察官を左遷することもあります。一方で、記者とのコミュニケーションが全くとれないでいるとマスコミが「暴走」する危険があるので、ある程度は付き合わざるを得ないというところでしょう。よってスクープ記者に対しては「あの野郎」と思うと同時に「しょうがねえ」と思って付き合っているという持ちつ持たれつの関係です。
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この回答へのお礼

丁寧にわかりやすく説明してくださりどうもありがとうございました。
一筋縄ではいかないということですね。
>他社に先駆けて「容疑者逮捕へ」というスクープほしさに、重要情報
>を得たときに報道する代わりにまず警察に知らせ、「逮捕のときはこ
>っそり教えてね」とリークをお願いすることもあります。
ぎょぎょ、っとくる情報ですがあり得ることなのですね。もし私が記者で警察の友達がいたとしたら・・・やってしまうかも・・・と思いました。
警察発表以外の情報や、必ずしも裏が取れていない情報も盛り込まれている、と思って新聞を読むと何か発見がありそうですね。明日の朝刊から深読みしてみます。

お礼日時:2007/08/08 23:03

昭和の時代の話ですが、幻冬舎アウトロー文庫から出ている元読売新聞社会部記者の大谷昭宏氏の「事件記者」シリーズは面白いので一読をおすすめします。


大谷氏によれば、ブンヤとマッポの関係は「敵であり、ライバルであり、戦友」なんだそうです。
個人的意見ですが、新聞記者は自らの発表の手段を持っているのですから、もし事件などで警察が知り得ない情報にたどり着いたならば紙面で発表するのがスジかと思います。当然ですが、新聞記事で警察が情報を知り得るなら、それこそ警察がアホ、バカ、マヌケであって新聞記事に責任は全くありません。しかしもしその情報が誤報ならその新聞がドジ、ノータリン、スカポンタンであって、そんなことは許されないのは新聞記者も緊張感を持って仕事せいよ、ということであります。

この回答への補足

その「事件記者」にもありましたが、警察はお上で、新聞記者はある程度警察の指示に従うしかないという、上下関係があるのですよね。
そんな関係で、警察の知らない情報を流した場合、
「○○新聞のあいつめー」
と敵対心(ライバルとあるように)を燃やし、その後の記者への対応が感情的になってしまうということは考えられないでしょうか?
それがこわくて遠慮して記事にしないというのでは困り物ですが・・・
それとも
「○○新聞のあいつは見込みがあるじゃないか」
という風に一目置かれる存在になることもあるのでしょうか?
人それぞれでしょうけれど、ここのところ、一般的にどう考えたらよいのか、もしお分かりでしたら教えてください。

補足日時:2007/08/08 16:47
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この回答へのお礼

どうもありがとうございます。偶然ですが、その事件記者シリーズの3を読んでいました。おもしろいですね。裏事情が良くわかります。
もう1回読んでみようと思います。

お礼日時:2007/08/08 16:47

#1です。


> 「犯人逮捕につながる内容をある覆面新聞記者を通じて警察に提供しています。」
> 「犯人逮捕にならないと記事が成り立たない」
ということは、「ウラをとるために、捜査担当者に取材情報を告げた」ということですね。雑誌記者は記者クラブに所属していないので、捜査担当者に近づくために新聞記者を“利用”したのでしょう。

新聞・テレビの世界と雑誌の世界は多少違うところがあります。
雑誌の世界にはルールも仁義もありません。
そのため、自由に好き放題やりたいという新聞記者・放送記者が、匿名で雑誌に記事を書くことも少なくないようです。
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この回答へのお礼

早速のご返答ありがとうございます。よくわかりました。
その本ではその覆面記者も彼に協力したことで他社をすっぱ抜くこと
ができたと書いてありました。あるニュースについての新聞の記事がほかの新聞の同じ事件の記事に比べてより踏み込んだ内容のときがありますよね。たしかに横並びで似たような記事ばかりだと面白くないし、各新聞社の個性が出ないと思います。その差をつけるために警察の発表以外の情報を求めて取材するのだと思うのですが、それを記事にするには警察に裏を取らなければならないということなのですよね。だんだんわかってきました。

お礼日時:2007/08/06 20:32

新聞記者ではありませんが、放送局で報道番組の担当をしていました。


> ・それらを管轄の警察署にすぐ伝える義務があるのでしょうか?
そんな義務はありません。むしろそんなことをしたら「報道の独立性」が侵害されます。
> 怪しいと思っても慎重にして伝えなかったり、たいしたことでなくても何でも伝えなくてはならないとか、基準などありますか?
基準などありません。敢えて言うなら「警察に知らせてはならない」ということが基準です。
> あえて情報を伝えないでいるという行為は、どうとられるのでしょうか?
警察にも「報道関係者が当事者になってはならない」ことを理解している人は多いと思います。
> ・警察署は、それを元に捜査をするのでしょうか?
そんなことはありません。むしろ、警察がマスコミ情報を元に捜査をしたら「警察の恥」ですし、警察に情報をリークした記者は「マスコミの敵」として、良くて左遷、下手すりゃクビです。
> ・情報を握った記者に対して謝礼などあるのでしょうか?
犯人側からにしろ、警察側からにしろ、事件取材で謝礼をもらえば、ジャーナリスト失格です。上記と同じく良くて左遷、下手すりゃクビです。
> ・情報が間違っていた場合、どうなるのでしょうか?
質問の意図が分かりません。ウラのとれたものしか記事にしてはなりませんし、間違った記事を書いたら、これも良くて左遷、下手すりゃクビです。

質問者さんは、基本的に報道機関のスタンスを誤解しているように思います。もしもマスコミ就職希望の学生さんならば、志望変更することをお勧めします。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。謝礼云々は当たり前ですね。失礼しました。志望変更したほうが、とあったので、付け加えさせていただきますと、実は「桶川ストーカー殺人事件」という本を読んでびっくりして質問しました。この本の著者はこの事件を取材した雑誌記者ですが、犯人逮捕につながる内容をある覆面新聞記者を通じて警察に提供しています。それで犯人逮捕に事実結びつきました。犯人逮捕にならないと記事が成り立たないということでした。こういう(こっそりリークする・・・それが他社をすっぱ抜くことにつながる)のは裏事情なのでしょうか?
最初の質問の上二つに関連するのですが、もしよろしかったらどうかご教示ください。

お礼日時:2007/08/06 19:01

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