No.5ベストアンサー
- 回答日時:
恒星の発光スペクトルは、ほぼ黒体放射になります。
ドイツの物理学者マックス・プランクがその分布を解明しました。
全エネルギーは絶対温度の4乗に比例し、最大吸収波長は、
絶対温度に反比例する。その分布の基準は、白となる太陽です。
人間の視覚は、赤・緑・青の光に反応します。太陽と同じ波長成分
の時に、白に見え、物の色の識別が最も効率的な感度になるよう
3色の視覚器官ができています。
(夕方とかは、青が散乱されて黄色から赤く見えますが。)
で、太陽より温度の高い恒星は、波長の短い青が強くなります。
逆に、太陽より温度の低い恒星は、波長の短い青が弱く、相対的に
赤が感じられます。緑や紫に見えるには、黒体放射の波長分布が
大きく崩れなければなりません。恒星の表面はほとんど水素で、
しかも原子がプラズマで、複雑な吸収を持つ化合物は考えにくい
ですね。
もちろん、恒星でなく惑星なら、天王星とか緑ですね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E4%BD%93
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9A% …
この回答への補足
ご回答くださった5名の皆様に、この場をお借りして改めてお礼申し上げます。
誠に勝手ながら、ポイントは No.2 様と No.5 様に振らせていただきましたが、
皆様の回答は、どれを取っても有益なものばかりでした。心より感謝いたします。
ご返事ありがとうございます。
>太陽と同じ波長成分の時に、白に見え、物の色の識別が
>最も効率的な感度になるよう3色の視覚器官ができています。
太陽の表面温度、5700Kの波長分布の山は「黄色~緑色」の辺りですね。
そして、人間の眼の感度が最も良好なのもこの領域ですが、
この事実、単なる偶然の一致ではないのでしょう。
我々人間は、自身をはぐくんでくれた太陽光線を、最大限、
効率よく利用出来るように進化して来た訳ですね。
>緑や紫に見えるには、黒体放射の波長分布が
>大きく崩れなければなりません。
緑色の恒星が見当たらないのは、波長分布のせいだと私も思います。
緑色は可視光領域のちょうど中央に当たりますので、擬似的に
R・G・Bを重ね合わせたようになって、白っぽい星に見えるのかも知れませんね。
お忙しい中、ご回答ありがとうございました!
No.4
- 回答日時:
>「緑色」や「紫色」の恒星がないのは何故?
緑や紫はないですかね?あると思いますが・・・。色の見え方と色の呼び方は個人差があります。また、国(文化)によっても違うのではないでしょうか。たとえば、日本人が「緑」と言っている色の波長の範囲は、アメリカ人の波長の範囲とは異なるかもしれません。どの波長からどの波長までの光を「緑」と言うのか、という、色の呼称の範囲は、多分に文化的なものだと思います。
色に、客観性を持たせるためには、やはり、分光器をつかって、スペクトルを調べなければなりませんね。
>恒星のスペクトル型を見ると、O(青),B(青白),A(白),F(淡黄),G(黄),K(橙).M(赤)で、やはり緑や紫はありません。
スペクトル型の大きな分類は確かにそうですが、各型はさらに、G0,G1のように、0~9に細分されています。「緑」はその中の、どこかに属しているはずです。この点については、ご自分で調べてください。
恒星の色を決定しているのは、原子や分子の発するスペクトル(これは、原子や分子を特定する上で重要ですが)よりは、その表面温度に依存する部分が大きいような気がします。この点については「黒体輻射」、「プランクの輻射法則」、「ウィーンの変位則」、「ステファン・ボルツマンの法則」等の用語について調べてください。
また、「色指数(UBV)」についても調べれば、理解が深まると思います。
ご返事ありがとうございます。
世の中に厳として存在する個人差や文化の相違というものは、
我々人間の色の感覚(言い方は変ですが)にも、影響を与えるものなのですね。
>緑や紫はないですかね?あると思いますが・・・
>各型はさらに、G0,G1のように、0~9に細分されています。
>「緑」はその中の、どこかに属しているはずです。
私が昔、学生の頃に読んだ天文関係の本(寝転がって読めるような物ばかりです)
の中には、確かに「薄紫」とか「紫白」といった表現を目にすることがありました。
(O型の特に高温の星の場合)
しかし現実には、これぞまさしく紫!といえる恒星を私は知りませんし、
(この私が知らないだけで、存在するのかも…)
今ではスペクトルO型の星の多くが、押しなべて「青」と記載されています…。
そして緑色の恒星に至っては、私は未だかつて「この星の色は緑です」と断定された
記述にお目にかかったことがないのです。
(ANo.3 さんのお礼に書いた星は、唯一の例外ですね)
お忙しい中、ご親切なご回答に感謝いたします。
問題解決には、やはりご教示頂いたキーワードで検索してみるのが一番のようですね。
色々と勉強してみます。ありがとうございました!
No.3
- 回答日時:
遠くから来る光は短い波長から順番に減衰していきます。
最後まで残るのが赤い光です。
紫になるためには赤い光を先に減衰させなければなりませんが赤い夕日はあるが紫の夕日はないのと同じで自然界では起こらないことです。
途中に波長の長い光を選択的に吸収するフィルターを置かなければ不可能です。
ご返事ありがとうございます。
気の遠くなるような広大な宇宙空間を旅して来た恒星の光は、
やがて地球の大気圏を通って、やっと我々の眼に飛び込むことになりますね。
けれども、大気圏には空気分子並びに様々な微塵が浮遊しており、
仰せの通り、波長の短い光は、いち早く減衰してしまう可能性が大ですよね。
余談ですが、中学生時分に読んだある星座の解説本に、さそりの毒針にあたる
「シャウラ」という2等星が「美しく緑色に輝く星…云々」 と書かれていたんです!
で、当時の自分は、この星をひと目見ようと夜空を仰いで探しました。
でも、実際にはこのシャウラ、スペクトルB型の青白い恒星なんです。
要するにこの星は、地平線近くに位置することが多いため、青味が減じやすく、
時として緑色に見えることもある、とその本の著者は言いたかったようです。
お忙しい中、ご回答ありがとうございました!
No.2
- 回答日時:
白色というのは、赤、緑、青が混ざった結果です。
また、恒星(太陽を含む)の光のスペクトルは連続スペクトルです。
温度が高くなるにつれて、青のウェイトが高まり、
赤(緑と青は無し)→黄(赤+緑)→白(赤+緑+青)→青白(白+青) になっていきます。
緑色であるためには、赤の光をカットしなければいけませんが、
恒星は、そんなことはしません。
そこで、恒星の光は、なんで連続スペクトルになるか、ということになるのですが、
これについては知らないのでご容赦を。
ご返事ありがとうございます。
>赤(緑と青は無し)→黄(赤+緑)→白(赤+緑+青)→青白(白+青)
そうですね、光の三原色「R・G・B」を重ねると白色光になりますよね。
基本的にはどんな恒星でも、その表面温度に応じた様々な波長の光を放射している
訳ですが、ここで自らの問いに皆様の回答を参考にして、自ら答えてみましょう。
・ 紫色の恒星が見当たらない理由は?
→ 紫の波長にピークが来るほどの表面温度の高い星が実在しないため。
・ 緑色の恒星が見当たらない理由は?
→ 緑の波長にピークを持つ星では、赤から紫までの光が比較的均一に放射される。
(緑色が可視光領域の、ほぼ中央に位置するため)
よって、このような星から放たれる光は白に近くなり、緑色の星には見えない。
無論、自信など全くありませんが…… 以上です。
お忙しい中、ご回答ありがとうございました!
No.1
- 回答日時:
物体の放出する光は、その温度に依存して波長が変わるという法則があります。
(プランクの式)恒星の表面温度は、緑や紫の波長が強くなるほどの高温にはならないから、ということだと思います。
早速のご返事、感謝いたします。
なるほど、紫色の波長にピークが来るような黒体放射は、
実在する恒星の表面温度程度では低すぎるということですね。
ということは、青い光を放つ星よりも、もっと表面温度の高い星を
想定すれば、その恒星は紫色を帯びて輝くことになりそうですね。
ただ、思いますに、
太陽よりも若干高温の星、つまり、緑色の波長に最大のエネルギーを
持つような星は、緑色に見えてもよさそうな気がするのですが…。
しかしながら現実には、そのような恒星は全て「淡黄」か「白色」ですから、
ちょっと不思議です。
お忙しい中、ご回答ありがとうございました!
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