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- 回答日時:
獣医師です。
ウイルスについての専門的知識を持つ者です。元々「空気感染」という感染様式の細分類で「飛沫感染」や「飛沫核感染」があり、その飛沫核感染のことを一般に「空気感染」と呼んでいるという、ちょっとややこしい言葉の使い方になっています。
その区別は、質問にあるとおり飛沫粒子の大きさなのですが、これは別に「そうでなくてはならない」というものではなく、条件によってはどちらでも感染するものが大部分です。結核はあまり聞きませんが、麻疹や水痘は飛沫感染もしますし、インフルエンザや水痘も空気感染はあり得ます。
普通は経口感染するような病原体でも、極端な話、霧吹きでエアロゾルを作ってやれば飛沫感染や空気感染をするものも多いです。
なので空気感染が主か飛沫感染が主か、という区別は、自然な状態での「発病→感染」のサイクルで、どの状態が主体か、ということになります。
とりあえず病原体の大きさとは関係ありません。質問に挙げられた病原体の中では結核だけが細菌病で他はウイルス病なのですが、細菌とウイルスの大きさはケタが違うほどウイルスが小さいです。
まあ細菌もウイルスもいろいろ大きさがあるのですが、私は人に説明するときは、「飛行機とその乗客」とか「この部屋とそのダンボール箱」みたいな言い方をしています。
一般的に上部気道(咽喉頭や気管)に感染してそこで増殖する病原体は、粘膜が病変を起こすとその組織片や病原体そのものを吐き出そうとする反応が起きます。その時粘膜は粘液をたくさん分泌します。
その粘液と一緒に組織片や病原体を体外に吐き出す反応が咳やクシャミなのですが、当然粘液(あるいは浸出液)が主体ですから飛沫の粒子は大きくなる→飛沫感染、というわけです。
上部気道に病変を起こさない病原体は、呼気によって体外に排出されるときも多量の浸出液を伴いませんから、飛沫粒子は小さい→空気感染、ということになるわけです。
結核も肺に病変を作りますが、上部気道には特に悪さをするわけではないので、肺から咳によって排出されるときも多量の浸出液は伴いません。
で、その結果として飛沫感染と空気感染では、「排出された粒子が飛ぶ距離」が違ってきます。当然、粒子が小さい空気感染の方が遠くまで飛ぶわけです。
そのことと、排出された環境中での病原体の生存性が、「このウイルスは飛沫感染はよく起きるが空気感染は起きにくい」などということになるわけです。
インフルエンザウイルスなどは環境中では極めて不安定ですから、もし回復期の患者などから「乾いた咳」によって遠くまでウイルスが飛ばされても、元々回復期だからウイルス量も少ないということも関係して「空気感染」は成立しにくい、ということです。成立しないわけではないですが。
この回答へのお礼
お礼日時:2007/12/12 12:33
遅くなりましたが、たいへんわかりやすい回答をありがとうございました。
飛沫感染は空気感染の分類のひとつなんですね。
また、病原体の大きさと関係なく感染したときの状態とその感染した人から排出されるときの状態によって病原体の状態も変化するので、他の人への感染の仕方も変わってくるのですね。
たいへん勉強になりました。
ありがとうございました。
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