A 回答 (5件)
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No.5
- 回答日時:
西洋剣術の観点からお答えします。
西洋剣術といえばフェンシングですが、ルールの中で安全に戦い1対1勝負をつけるスポーツです。剣道と同じですね。フェンシングのエペで元になったのはスモールソードという剣で、この剣はレピアという種類です。レピアは三銃士や怪傑ゾロが使う細い剣ですが、その鍔は十手のように相手の剣を絡めとるような構造をしたものがありますし、指環という輪の中に指を差し込んでもちました。これらの構造は使用者が戦いの中で思いつき形にしていったものです。スポーツ剣術では武器の改造はできませんが、実際の剣術は(特に西洋では)武器の改造は一般的です。剣道といったスポーツは相手と同じ条件の中で戦うこと前提条件であるのに対して、剣術は相手をいかに出し抜くかが根本にあります。
先ほどのレピアの例ですと、鍔で相手の剣を絡めてそのまま曲げていき、指環の中の指を折ってしまう技などがありますし、身につけたもの、マントや帽子で防御をする方法などあります。当然、接近すれば股間を蹴りつぶすなどは普通にあります。このように剣術は自分が生き延びるために「何をしても良い」といってよいものです。
小手の切り落としですが、日本刀の優れたところは剣の軽さの割りに攻撃力があることです。日本刀であれば相手の腕を切り落とすことができますが、レピアではできません。しかし、レピアで相手の小手狙いは普通にあります(初期のレピアは鋭い刃がついていて突きも切りもできた)これは相手の血管や腱を切るものです。腕を切り落とすほどの攻撃をしなくても十分に戦闘能力を奪えるわけです。
面はもっとも有効ですがもっとも避けられる部分でもあります。頭頂部への攻撃ですが、頭蓋骨は頑丈で骨に当たって刃がすべる可能性はあります。しかし、顔面は繊細で目があるので軽い一撃でも相当なダメージがあります。同じ力での頭頂部への攻撃と顔面への攻撃はダメージがまったく違います。また水平に切るつける側頭部への攻撃はここには耳があるためと脳への強い揺さぶりは頭頂部よりもダメージが大きいのです。剣道が頭頂部への攻撃をよしとするのは攻撃の中でも難しく、またダメージが大きいこの部分に正確に当てることで当たり判定の難易度を高くし、結果として練習の錬度を上げるためと解釈しています。
足への攻撃ですが足を狙うためにどうしても体を前に倒さねばなりません。また片手のフェンシングの場合、相手の顔面と膝の位置はこちらから見ると同じ距離にあります。したがって、足を狙っても相手は顔面に攻撃をかけてきますので足と顔ではバッド・トレードになります。
足を狙うと昔から「大事なひげが危ない」といわれました。しかし、だからといって足を狙ってはいけないというものでもありません。足を狙われると相手は前進できなくなりますし注意も足に向かいます。足狙いは重要なフェイントとして考えるべきでしょう。ただし、リーチの長いなぎなたやハルバートなどは足への攻撃がもっとも有効です。
本来剣術とは殺人剣です。切りかかってきた相手を殺すことなく(理想を言えば自分は剣を抜かず)倒してしまうのは理想ですが、これはよほど技術差がなければ無理な話です。江戸の天下泰平な時代であれば老衰で死ぬまで剣術を練り上げることもできたでしょうが、戦時中であれば長年かけて技を磨くなど悠長なことをしていたら死んでしまいます。
活人剣は天下泰平の時代に、不要となった剣術技を生かすための方便でしかありません。
No.4
- 回答日時:
#1です。
新しい回答を下さったようですので、追加しますね.
今の「武道」と呼ばれているものは「かってに、武術でなく道がある武道なんだと言っていますね」 私にとっては、それは「言い訳」としか取れません
型を見てもお分かりだと思いますが、実戦には使えないものです. 多くても50の型しかありません. それだけをきれいに出来ても、まともに戦う事は出来ません. 型の保存と言う意味でなら分かります. 私も、それをしているつもりです.
活人剣ときれい事を言うのも、あの時代背景としては必要だったとも思います. つまり、徳川家の柳生流として発達した剣術は、徳川家にとっては、使い物にならない剣術を広める事が必要だったと思います. もちろん、柳生家はそのことは十分知っていたいたはずです.
政府の雇い人としての侍に存在感を与えるには、帯刀という身分シンボルが必要だったんですね. よって、鍋島藩から発達した「武士道」が、政府(幕府)にとっても、必要となり、朱子学と密着させて、反逆心をも押さえていたんですね.
幕末になって、やっと、殺すための剣術が流派を言う名前のもとでなく、殺人剣として、復活したんですね. そして、新政府(明治政府)はこれを防ぐ(反逆)ために、廃刀令をしくしか手段がなかったんです.
よって、剣術をやってきたものにとっては、居合道と言う形の、型をするという形か今の剣道に甘んじる事しかできなかったともいえると思います.
だからこそ「真髄」という形で、刀は殺す物ではないと、いわざるをえなくなるわけです.
これは、他の武道でもいえることで、「安全性」という隠れ蓑で、また、「活人」と言う言い方で、「道」を形態付けなくなったわけです.
それを今まで引きずっているわけで、日本の殆んどと言っていいほどの「武道と名のついた」物が実戦には使えなくなり、又、使えるための訓練はしなくなってきてしまったのです.
それがゆえ、日本の黒帯の空手家が、たった一人の酔っ払いにアメリカで半殺しになってしまうのです.
今では、空手すら、動きしか教えない、ダンスに成り果てたと私は言っています. 残念ながら、それを肯定する、または肯定できる日本の武道家は激減しています.
ここで、15年、今まで、伝統空手を、使える空手として教えています. もちろん、俗に言う「技」と「型」を基本としてです. 使えるからこそ、護身術にもなりえるわけです.
aminouchiさんがおっしゃっているように、状況によって、有効に使える剣術、そして武道でなくてはならないのです. よろいを着けていれば、その隙間を狙わなくてはなりません. また、剥き出しになっている顔面もつかなくてはなりません. よって、私は、剣道の「面」は頭でなく、顔面の事と理解しております. よって、「押し切り」でなくてはならないのです. つまり、顔面をついているわけですね. 刀で、顔面をつかれれば、既に戦闘不可能な状態になっているわけです.
保存すための武道、使える武道、そして、昇段テストのための武道.(あるいは、金儲けのための武道)が存在するわけです.
城内の廊下では使えないなぎなたの強みはリーチです。 そして、足にダメージを負わせる事によって、「とどめ」をさす事が出来ますね. 空手/柔術(柔道)のの足払いのような物です.
負けないための武道です. そのためには、「何でもあり」でなくてはならないのです.
長くなりましたが、貴方の質問に、何らかの形で回答できたのではないでしょうか.
No.3
- 回答日時:
剣術・剣道と一口に言いますが、時代と共に変遷しています。
それらすべてを詳しく書くわけには行きませんが、いわゆる剣術諸流派が成立してくるのは戦国時代の末です。
で、戦国時代の戦いは鎧を身にまとい、兜をかぶっているわけです。こんな相手には剣道では普通の面も胴も小手も突きも無意味です。なぜなら、それらの危険な個所はすべて防具で覆われているからで、初期の剣術では鎧・兜の隙をついて相手を殺傷する技術として発展しました。と言っても主力の武器は槍であって、飛び道具の弓矢や鉄砲の使用も当たり前ですから、刀を使うのはごく例外的な事態です。ですからこの頃の剣は「切る」というよりも「叩く」為の道具です。ただそうした場合でも意図した通りに正確に刀が操れれば有利ですから、刀法としての剣術が始まります。
戦国時代が終わり、一応、平和の時代になったとき、つまり日常の中で鎧や兜を着用する機会が無くなり、普段持ち歩く武器も刀だけになった時に現代で言うような剣術が始まります。活人剣などというたわごとを柳生流が言い出すのもこの頃であり、殺すための剣術に精神面を強調していろいろ言い出したわけです。しかし、江戸初期から末期までの間では実際に刀をふるうことなど滅多に無かったからそれで良かったのです。また、戦国時代から伝承してきた各流派では勝負太刀としての秘伝を持つものも、持たないものもあるようですが、それでもいかにして相手を倒すかという工夫はなされており、それに則った型稽古が主流でした。
江戸末期になってくると、剣術修行は武士だけのものでなくなったりしますがそれはともかく、柳生流で考え出された竹刀を使って実際に打ち合うことが、上達のためには有効であることが知られてきて(木刀で打ち合えば、怪我は当然するし、場合によっては死にますが、竹刀ならせいぜい怪我ですみます)この竹刀稽古が一般的になります。また、そうなった時に試合をして優劣を決める必要があり、そこから、面・胴・小手・突きなどの有効打突箇所が定められていったようです。ただ、長刀に臑という有効部位があるように、剣術流派によっては臑打ちを得意技とするものもあり、幕末の剣豪である千葉周作は臑打ちに対する防御の心得を残していたりします。ちなみに小手は怪我するだけでも戦闘能力を失いますから、切り落とすまでしなくても良いのです。
明治維新後の廃刀令により、日常的に刀の携行が認められなくなると、剣術は見世物的なものに落ちぶれてしまい、その中で一種の鍛錬またはスポーツ的なものとして剣道が生まれてきます。ここではもはや、相手を倒すための技術ではなく、試合を目的とした技術鍛錬になってしまいます。それでも戦前までは実際に打突したときに相手に与えるダメージを大きくするために竹刀の中に鉛や鉄を入れて重くしたりしていましたが、現代ではスピードが大事であって竹刀をいかに軽く丈夫にするかを競っています。
最後に、もし、現実に刀を持って戦うときには剣道のいう有効部位でなくても相手に怪我をさせれば、出血により次第にダメージが段々大きくなっていきますからそれもありです。ただ、面・胴・突きにあたる部分は一発で死ぬ可能性もある急所ですから、やはり第1にはそこを狙って仕掛けるでしょうが、それよりも相手の胴体を突くのが面積も大きいし一番有効でしょう(どうせ突くなら槍の方がもっと有効・・元に戻りますね)。
簡単に歴史を追って説明しましたが、これで大体のことはお判りになると思います。
No.2
- 回答日時:
剣術と剣道の違いとして見た目でわかるのは木刀と竹刀の違い、防具を付けないか付けるかの違いです。
剣術をスポーツ寄りにしたのが剣道と思っていただけるとわかりやすいかと思います。そして疑問点にあることに関連して、剣術とは実践を想定とされ、流派によってさまざまな型というのが存在します。
それによって多少異なるのではないでしょうか。例えば、示現流は振りぬくので相手の小手の隙間から刀を入れれば切り落とすことも可能だと思います。
殺人剣かということですが、それも流派によるでしょう。自分を守ることを主としたり、大勢と戦うことを目的とした流派も存在しました。(現在もあるかはわかりませんが)
もし近場で剣術を見たいのであれば、剣道の段取り試験を見に行ってみてください。そこで試験として行う剣道の基本の動作、剣道型は剣術からきているので雰囲気は味わえると思います。
No.1
- 回答日時:
無双直伝英信流を練習しています.
武道とは、きれい事を除くと、すべて、負けずに勝つための技術なんですね.
そのためなら何でもやるというのが基本なんです. それを体系付けて、練習させるようになって、流派が出来上がってきたんですね.
ですから、実際の剣術といわれている事は、戦場での剣の使い方ということですよね.
刀の扱い方は、はっきり言って、何でもありです. 剣道の場合は、ルールの基づいた竹刀の扱い方になりますので、剣術では、剣道の面の打ちかたでは、効果的なものではないということになります. つまり、押し切るのではなく、引き切る(もちろん、場合によっては押し切りを使ったほうが有効な時もあったとは思いますが)ことが刀としての意味が出てきます.
剣道が良い悪いを言っているのではなく、あくまでも技術的な面で言っています.
又、面にしても、刀であれば、目を突こうと、首を切り取る事もできるわけですね.
腕への攻撃でも、手首でも、ひじでも、又、上腕でも、刀としての使い方はあるわけです.
もちろん、足を狙った攻撃、背中を狙った攻撃もありうるわけです.
剣術の俗に言う「技」はただ単なるトレーニングの技であり、つまり、習って、刀を自由自在に使えるようにするための訓練方法であって、戦場で使える本当の意味でのわざとは異質な物だと考えなければなりません.
分からない点がありましたら、補足質問してください.
回答ありがとうございます。
身近に少林寺憲法を学ぶ友人がいました。
彼は少林寺憲法は本当に汚いよ。全部負けないための技だ。と、言っていました。
Ganbatteruyoさんがおっしゃるように、もともとすべての武術は戦場で負けないためのものなのでしょうね。
きれい事ではないのですね。
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