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ICUナースです.
人工呼吸器の挿管チューブのカフ圧のことで悩んでいます.
PEEPが10,Pi(吸気圧)が12だとすると,カフ圧は10+12で22ぐらいが適切なんでしょうか?

教科書的にはカフ圧は20~30mmhgと書いてありますが,
現場では,気道内圧が上がったり下がったり色々な要素があり,その都度カフ圧も調整しなければならないとは思いますが・・・.

基本的な目安として,カフ圧の目安の計算式が欲しいのですが,
PEEP+PIって考えはダメでしょうか?

A 回答 (1件)

 実は手持ちの看護学の教科書にもこのように書かれておりますので質問者様の責任では無いとは思うのですが、「挿管チューブ」ではなく「気管チューブ」ですね(ちなみに医師国家試験の出題基準では「気管内チューブ」でも可、と言われてますが、「気管外チューブ」というものが無いのにあえて気管内という必要はない、という議論も昔あったそうな・・・)。

閑話休題。

 結論から申しますと、カフ圧の最適値については、結局のところ「カフリークのない最低の圧」と言うしかないと思います。
 おそらく実際のカフ圧計には「(英語で)ソフトカフ専用」みたいなことが書かれていると思いますが、適切なカフ圧というものは、患者さんの気管の内径と気管チューブの太さ、カフのサイズ、カフの形状、カフの材質などで異なってきます。

 そもそも気管チューブにおけるカフの目的は、大きく分けて
(1)吸気時のモレの防止
(2)口腔内分泌物などのタレこみ防止
の2点だと思います。しかし、一方気管表面(粘膜)をあまりに強く圧迫すると、血流が障害されてしまいます。動脈圧より高い圧で圧迫すれば壊死に陥り(実際、それで気管に穴を開けた施設があったそうな)、それほどでなくても静脈圧より高い圧で圧迫をすると還流障害から浮腫を促します。そこで、「一般的な気管粘膜の静脈圧が20~40cmH2Oと言われている」ことから、それ以下の圧での圧迫なら大丈夫であろう、ということになったのです。

 ところが、気管チューブのカフの内圧(カフ圧計で測定するものは、これですよね)と、実際に気管粘膜にかかる圧が異なる場合、話が厄介になってきます。オールシリコン製のチューブの場合、カフが膨らむこと自体に圧力が必要ですので、当然カフ内圧は高くなります。気管内径に比しカフ外径が細すぎる場合、カフをパンパンに膨らませなければシールができない(でも、気管粘膜にはそれほど圧がかかっていない)ということも起こり得ます(特に、昔の固いカフなどの場合)。さらに、患者さんの気管内径自体、自発呼吸がある時には吸気と呼気で変動があります。ですから、結局臨床の現場ではカフ圧計は「あくまで参考」として使用した方が良いと思うのです。むしろ、カフ圧にとらわれ過ぎてリークバリバリで中途半端な換気しかできない方が問題だと思います。

 以上、まずはご参考まで。
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この回答へのお礼

専門家の方の貴重なご意見ありがとうございます。
リークの無い、最適なカフ圧って難しいですね。
20~30でリークしてしまう状態の時は、気管チューブの深さの確認など含めて、先生に相談してやっていきたいと思います。

お礼日時:2008/01/07 08:19

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