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諾成契約と要物契約とを分ける実益とはどのような点でしょうか?

両者の違いは簡単には、契約の成立要件として
諾成契約:合意と承諾が必要
要物契約:合意と承諾に加えて、物の給付が必要
かと思います。

要物契約も合意と承諾だけでとりあえず契約は成立するとしてしまって、実際に物の給付があるかどうかは履行の問題として処理すれば良いように思うのでが、ダメなのでしょうか?

お店で「この商品ください」「いいですよ」→売買契約成立→商品を渡すかどうかは履行の問題

と同じように、

サラ金で「お金を貸してください」「いいですよ」→消費貸借契約成立→お金を渡すかどうかは履行の問題

と考えるわけには行かないのでしょうか?
お手数ですが宜しくお願い致します。

A 回答 (3件)

>サラ金で「お金を貸してください」「いいですよ」→消費貸借契約成立→お金を渡すかどうかは履行の問題



 事例をかえて説明します。私が御相談者に金100万円の金員の借用の申込みをしたところ、明日、その金員を渡すことに御相談者が承諾したとします。
 もし、履行の問題と考えると、御相談者が私の返済能力に不安を覚えたとしても、明日、私に100万円を渡さなければ債務不履行になりますから、100万円に加えて、明後日から100万円を私に渡すまでに発生する100万円に対する遅延損害金を私に渡す義務が生じると言うことになります。しかし、特にこのケースのような無利息の消費貸借契約の場合、御相談者に履行義務があるというのは酷とは言えないでしょうか。
 ですから、諾成契約か要物契約かでは、法律効果に大きな違いがあります。もっとも、お金を貸す義務の発生を認める場面もあるでしょう。それをふまえて、消費貸借契約の予約(民法第589条)の問題や諾成的消費貸借契約の可否の問題も考えてみると良いと思います。 
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「諾成契約」とは契約の基本的な考えかたや原点を示す物と考えます。



例えば契約書も無く実際に履行もせず、それでもトラブルにならない信頼関係に基づく契約は「諾成契約」と思います。
つまり仲の良い親子間で一人息子に「この家お前に売るよ」「はい買います」と契約成立しました。でも実際には明け渡してなくても親は「売ったつもり」支払ってなくて住んでなくても子は「買ったので自分の家」のつもりでいて誰からも文句が無いなら、それでも良しとするのだと思います。

契約に第三者が関係してくる場合や、手放しで信頼することができない契約は「要物契約」や「様式主義契約」が必要になり、実際の履行や契約書の締結までをセットとして考えて契約完了とするのでは無いでしょうか?
世間では上記の契約が大半ですので「要物契約」が契約の主流になってると思ってます。
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「契約自由の原則」というのは、a契約を締結すると否と、及び契約を締結する場合の相手方の選択が自由にできること(相手方選択の自由)、b契約の当事者は、強行法規又は公序良俗に反しない限り、その契約の内容を自由に決定できること(契約内容決定の自由)、c契約の申込み及び承諾には、その旨の意思表示について、何らの特別の方式を必要としないことを原則とすること(契約の方式の自由)を意味します。


したがって、契約は、諾成契約が原則で、要物契約はごく例外という位置づけですよね。
契約自由の原則を標榜しつつ、法律が要物契約を規定するのは、当該契約が無償であることの特殊性から、単なる合意の段階で裁判に訴えてまで権利の実現を強制する必要はないから、と説明されるようです(使用貸借について、内田貴「民法II」第2版[東京大学出版会、2007年]。加藤雅信「新民法大系IV 契約法」初版[有斐閣、2007年]も同じ理解のようです。)

>要物契約も合意と承諾だけでとりあえず契約は成立するとしてしまって、実際に物の給付があるかどうかは履行の問題として処理すれば良いように思うのでが、ダメなのでしょうか?<
>サラ金で「お金を貸してください」「いいですよ」→消費貸借契約成立→お金を渡すかどうかは履行の問題と考えるわけには行かないのでしょうか?<
そういう考え方もありますよ。
いわゆる「諾成的消費貸借契約」というのは、まだ判例の「お墨付き」はもらっていないようですが、一般には、契約自由の原則(契約の方式の自由)から、有効と理解されていますよね。(内田・前掲書、加藤・前掲書)
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