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カメラ用のレンズで、M社のレンズは硬調なので良いレンズであるとか、N社のレンズは、硬調に過ぎるなどと、よく言われます。
私としては、軟調、硬調は、写りの上でのコントラストの強さの違いだと理解しておりますが、違うものでしょうか。
解像度の違いでしたら、甘いとか鋭いになりそうです。
また、これはレンズより以上に感光材料で違うように思います。
趣味のカテゴリーでは、表現や好き嫌いの問題ですから、この表現でなんとなく納得しているのですが、光学的には、どのような違いを言っているものなのでしょうか。
レンズのどのような特性の違いなのでしょうか。
また、この違いは、何からもたらされるものでしょうか。
また、優れたレンズとは、どのような特性なのでしょうか。

A 回答 (5件)

私も写真は趣味で、なおかつ光学を専門としていますが、カメラレンズの設計者では無いので、一般人で回答させていただきます。



実のところこのような違いというのは単にどこのどの特性がと決まっているわけではなく、全体のいろんな特性が複雑に絡み合っていてなかなか難しいようです。
なので、最終的には試作して主観的な評価で決めていますね。

光学的に影響しそうなパラメータは、

1)解像度
これも単純ではなく実際にはMTFという横軸周波数にとり縦軸にその周波数でのコントラストを取ったグラフで表します。
しかし、基本的にはコントラストが10%なり20%なりになる点が解像度になりますが、しかしそのグラフの形状によっても絵の雰囲気はだいぶ変わります。
レンズ設計者であれば何かある程度の主観とこのグラフの相関も分かっているかもしれません。
私でも認識できるのは、このカットオフ(周波数の高いところでのコントラストの落ち方)が急峻だと硬い調子になります。
これは急峻だとリンギングが出やすく、それが画面を硬くするんですね。
たとえば画像処理ソフトでシャープネスの補正をする(これは高周波成分を強調しますがこのときにカットオフ特性は急峻になります)と同じように硬い感じになります。
なので解像度が同じでも、そのカーブが異なると硬くなったりやわらかくなったりとなることが予想されます。

2)コーティング、表面粗さ、鏡筒内迷光処理
極端なことを言うと表面粗さが荒く、コーティングが良くなくて、迷光が多いと全体にコントラストは低下して白っぽくなります。
この場合は全体にコントラストが低下しますので、1と同じ理由でカットオフがなだらかになりやわらかくなると思います。

私が今思いつくのは上記のような理由ですね。
ただ、実際のレンズではこれ以外にもいろんな収差があって、ややこしく相互に絡んでいますから、簡単には説明つかないことが良くあると思います。
たとえば収差でも収差が無いほうが必ずしも良いのではなく、その形状が見た目に大きく影響して、更にはむしろ多少の収差を残したほうが良い絵が得られることがあったりしますので、良いレンズ=性能評価指数(MTF、各種収差量など)が高いレンズではないのです。

では。
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この回答へのお礼

詳しい回答をありがとうございます。
一口に硬い軟らかいといっても、いろいろな特性の複雑な絡みで一概に言えないので試作の結果を主観的に評価すると一種の官能評価のようですね。
達人であれば、その硬さや軟らかさの中にも違いが特性との関連が見出されるものと思います。
1)解像度に関して:前にビデオ信号のインターフェースにかかわったときにエンハンサーで高域をあげたことを思い出しました。
わたしの個人の好みでは、このエンハンサーも画像処理のシャープネスもわざとらしくて、よく見るとちっとも解像度は上がってないように思います。
レンズの硬さも、このようなときに人によって嫌われるのかなと思います。
写真も被写体からの光をレンズで変換してフィルム面に結像させる以上、レンズの周波数応答あるいは伝達関数のようなものがあり、それで、かなりの説明がつくこともあるかなと期待しておりました。
カットオフを急峻にするとフェースシフトも関係してリンギングがおきるのでしょうか。
周波数レスポンスが変わると硬くなったり軟らかくなったりすることは、オーディオのようですね。
2)は、古いレンズやカビレンズを磨いてコーティングを剥がしてよく体験しているところです。
これも1と同じ理由でカットオフが緩やかになるとは、思いもよらない見方で目から鱗です。

>良いレンズ=性能評価指数(MTF、各種収差量など)が高いレンズではないのです。
感覚的に全く同感です。
私などは、レンズを入手して最初の1本目のフィルムに何枚かハッとするものが有ると良いレンズということになります。

たいへん勉強になりました。

お礼日時:2002/11/13 15:00

ツァイスは、硝材に混ぜものをしてレンズを作り、コンタックスはレンズをコーティングする、というのは有名な話しですね。


独自の色合いや表現を出す工夫かと思います。

素直な写りという意味では、オリンパスもバカにできません。
顕微鏡メーカですからね。

>ローライ、マミヤひょっとして中判でしょうか。

ローライは、「ローライ35」です。テッサーレンズです。
マミヤは初期の「RB67」です。重宝しています。

>キャノンはFDが良かったと思います。

(⌒ ⌒)そうです。私のレンズはすべてFDです。
本体はNew F1なんですけどね。
あれは良いですよ、アルミダイキャストボディーでしっかりしていて、シャッタブレが少ないのです。

おっと、レンズの話しでしたね。
もう一度持っている「写真家のための光学」という本をひっぱりだしたのですが、やはり科学的な説明での「硬さ」は書いてありませんでした。
以前はプロの写真家にも何人か従事したのですが、彼らも科学的な説明はできなかったと思います。
やはり感性なんでしょうね。写真を撮るのも、それを見る目も・・・
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この回答へのお礼

何度もありがとうございます。
オリンパスもペンタックスも小ぶりなので好きです。
わたしの持っている中では、オリンパスのレンズは、ペンタックスよりは柔らかな感じがします。
オリンパスペンは、かつてずいぶん使いました。いまでも、たまに使いますが。
このぺんのDズイコーは、これもテッサータイプですが、いまでも抜群に解像力がいいです。解像力に限っては、これ以上のものは無い気がするほどです。あまり絞り過ぎは良くないようですが。1本で72枚もとれます。
ローライは、トリオターのローライコードとテッサーつきのローライフレックスがあります。2眼レフですよ。
レンズの硬い軟らかいは、やはり科学的な説明は、難しいのですね。それだけ人間の感性、センサーや認識力や分析力などが高度で複雑だということですね。

お礼日時:2002/11/12 14:45

 今日は。

再び失礼します。
ニコンは、ikkyu3さんご存知の通り、軍用の光学レンズを生産されていたと私は聞きました。…ということは、レンズの精度=解像度をはじめ、いかに精密に対象をとらえられるか?敵の施設や標的を精密に撮影する目的があったと思うのです。
 終戦後、民間企業として、光学機器分野でカメラレンズを普及させたニコンですが、聞いた話ですと、昔ツァイスのまねをしようとしたようです。
 しかし、どうしてもツァイスのようなレンズがつくれなかった…とききました。 そのくらい、やはりドイツの名門ツァイスには、企業秘密があるのでしょうね。 私の愛用は、#1でもお書きしましたが、京セラ・ツァイスです。ニコンとツァイスは、何となく共通点があるような気がします。
 キャノンの場合、観音様を信仰していたという創業者だかの考えからカンノン=キャノンになったらしいですが、レンズそのものにツァイスやニコンほど、精密さや解像度で、言葉が悪いのですが、偏見や誤解を恐れずに言わせて戴くと、思い入れがないんじゃあないかと感じるんです。
 キャノンの場合、レンズそのものより、多角化戦略で気が多いと言うか、あれもこれもこなしていますので…
 やはり、歴史と伝統、それにレンズメーカーのこだわりが、味の違いに結びついているように感じられます。企業によって、レンズの生産工程や中に入れる物質に違いがあると聞きますから…ツァイスで言えば、秘密なんでしょうね。
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この回答へのお礼

再度の回答ありがとうございます。
ニコンのI型(レンジファインダー)は、コンタックスを手本にした話は、よく知られていますね。
当時のレンズは、コンタックスのマウントに入ったり、取れなくなったりという話があります。
実はわたしもツアイスのレンズを何本か持ってはいます。
ノバーが何本か、テッサーが2本、イエナズームというのが1本ですが、京セラのものではなく古いものです。
今のツアイスレンズは、ツアイスの設計で日本で製造しているそうです。
ということは、硝材も精度もツアイスの指定ですね。それを日本の製造技術で作っているのでしょう。
MTFは、公表しているようですから、自信があるのだと思います。

お礼日時:2002/11/11 23:08

私も30年以上写真を撮っています。


硬調だから良いレンズ、軟調だから悪いレンズということはありません。
それに、マミヤは持っていますが、硬調ではないですよ。
ニコンが硬調過ぎるというのも聞いた事がありません。
誰が言っているのでしょうね。偏見が入っていると思います。

軟調、硬調はコントラストでもないですね。
なんと説明したら良いのかわかりませんが、やはり、写真の硬さです。
私の持っている写真光学の本にも、そこは説明してないのですが、結局は収差の問題と、レンズの厚み、透過率などに関係するようですね。

>優れたレンズとは、どのような特性なのでしょうか。

プラスチックレンズや安物のレンズを除けば、優れているかどうかではなく、好みだと思います。
しいて言えば、歪や色むらが無く正直に写るものが優れたレンズということになるかと思います。
でも、それは、レントゲンカメラや顕微鏡なら良いのでしょうが、少なくとも芸術性を重視する写真には、面白みが無い、個性のないレンズだということも言えると思います。

私は、ローライ、マミヤ、キャノンを持っていますが、どれも個性があって、同じものを撮っても同じに写らないのでおもしろいですよ。

この回答への補足

この場をお借りして、少し質問の補強をさせてください。
質問のなかで、硬調と軟調という語を使っております。
このため私自身、モノクロプリントの印画紙の階調とイメージ的にダブってしまいました。
レンズの写りに関しての硬い軟いは、コントラストとは限りませんから、「硬い」と「軟らかい」という語にしておけばよかったと思います。
レンズの写りについての感性による吟味も十分興味のあるところなので、そのご回答も歓迎いたします。
このカテゴリーでは、硬い軟らかいは「光学的には、どのような違いを言っているものなのでしょうか」また「その要因は」を主な質問とさせてください。

補足日時:2002/11/11 21:57
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
硬い、軟らかいは、あるけれどもレンズの良し悪しは示さないということですね。
目的により、好みにより違うということですね。たぶん良し悪しは、好き嫌いの意味の表現なのだと思います。
わたしもマミヤは、硬調とは思いません。なにも感じない中庸のような気がしています。といっても以前のプレスで最近のは知らないのですが。
あ、実はM社はマミヤの意味ではなく、また軟調と書くつもりが間違えました。ごめんなさい。
>歪や色むらが無く正直に写るものが優れたレンズといっても、---芸術性を重視する写真には、面白みが無い、個性のないレンズだということも言えると思います。
そうでしょうね。最近のレンズは、個性を探し出すのが難しいような気がします。
半世紀も前のレンズは、かなり個性があるように思いますが。
ローライ、マミヤひょっとして中判でしょうか。
キャノンはFDが良かったと思います。特に標準のF1.4。しかし、あれですね。どう良かったかというのが、難しいです。

お礼日時:2002/11/11 21:55

今日は。

私もカメラが好きで、長年レンズの特性やクセについて、色々と感じてきました。ニコンは、硬いというか、コントラストが強く感じます。キャノンは、ポートレートなどの人物向きな感じですね。私は、ツアイス愛用です。何処が良いかと言えば、好みですね。私は、ツアイスの色合いというか、空気をも写し取るような解像力が好きです。
レンズのクセと言うか、メーカーごとの違いは、企業秘密みたいですね。
優れたレンズとは、独断と偏見ですが、やはりカラーバランス、コントラスト、シャープさなどではないでしょうか?
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この回答へのお礼

早々と回答ありがとうございます。
>ニコンは、硬いというか、コントラストが強く感じます。キャノンは、ポートレートなどの人物向きな感じですね。
わたしも感じとしては、同じように思います。
感じとしては、なんとなくわかるのですが、原因というか、そのわけを知りたくなりました。
>ツアイスの色合いというか、空気をも写し取るような解像力
旧ツアイスではなく京セラのツアイスレンズでしょうか。なんとも魅力的な表現ですね。やはり解像力によるものなのですね。
>メーカーごとの違いは、企業秘密みたいですね。
秘密ですか。やはり差別化が目的で意識的に収差などをわざとコントロールしているのでしょうか。
>カラーバランス、コントラスト、シャープ
わたしも、これでレンズは十分と思いますよ。
あとは、意図により特殊フィルターや紗(古いか)を使えばよいはずですから。

お礼日時:2002/11/11 12:28

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