複素数での共役の定義を一般的に述べればどういう事か考えています。
a+biとa-biを掛けたり足したりすると実数になり,実数体は複素数体の真の部分体ですよね。
従って、これらの事を考慮して
最小多項式をとりあえず調べてやってみました。
1+iは0次式a=0の解には当然成り得ません。また一次式ax+b=0の解にも成り得ませんから更に二次式ax^2+bx+c=0…(*)を考えるとこれに1+iを代入して
(2a+b)i+(b+c)=0を得,2a+b=b+c=0でなければなら事。
c=0の場合はb=a=0となり不適。よってc≠0でb=-c,a=c/2。
よって(*)に代入して
c/2x^2-cx+c=0で両辺を2/c倍してx^2-2x+2=0。これが1+iのR上の最小多項式。
そしてこの方程式を解くと,x=1±iで他の解はx=1-i。
[3]√2のQ上の最小多項については
α=[3]√2と置くと,α^3=2なのでx^3-2=0が[3]√2のQ上の最小多項式。
この3次方程式をQ上で解くと因数分解できないので他の解は無し。
R上で解くとx^3-2=(x-[3]√2)(x^2+[3]√2x+[3]√2)=0.
よって他の解はx=(-[3]√2±√([3]√4-4[3]√2))/2
となりました。-[3]√2±√([3]√4-4[3]√2))/2は互いを足しても掛けても[3]√2でQの元にはなりません。
α∈E\K(Eは可換体Kの拡大体)が代数的な時。最小多項式が偶数次数の場合には場合には共役な解の対になっているが奇数次数の場合には共役対を持たない解がある。
[結論]
3次の場合にはペア無しが1つ現れる。4次の場合にはふたペアになると予想します。
従って,分かった事はどの元にも共役元が存在するとは限らない。
故に
「F'を体。FをF'の真の代数的拡大体とするとa∈Fに於いてx∈Fはaの共役である。
⇔(def)
(i) a∈F'の時はx=a
(ii) a∈F\F'の時は ax∈F'且つa+x∈F' なるx∈F\F'」
が共役な元の定義だと思いますが…。
如何でしょうか?
体での共役の定義をご存知の方いらっしゃいましたらお教え下さい。
A 回答 (6件)
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No.6
- 回答日時:
3次拡大の例として Q( 2^(1/3) ) を考えたのは
ギリシア人に敬意を表してのことでしょうが、
有理数体の x^3 - 2 による拡大には
Q( 2^(1/3) ) と Q( (2^(1/3))ω ) の二つがあって、
一般的な共役と 複素共役(複素数の実数体上共役)との
区別が怪しい場合には、少し扱いづらいかもしれません。
4次拡大 Q( √2, √3 ) などで考えてみると
面白いかと思います。
No.5
- 回答日時:
複素共役も C/R ( C = R[√-1] ) の R-自己同型写像 σ : a+b√-1 -> a-b√-1 による R-共役ですね。
ベースとなる体が変われば、「共役」の意味も変わります。
また、自分なりに考えることは非常に重要です。
体論の意味での共役はすでに定義されていますが、『共役』という関係は他にもよく現われる現象です。
有難うございます。遅くなってしまいました。
> 複素共役も C/R ( C = R[√-1] ) の R-自己同型写像 σ : a+b√-1 -> a-b√-1
に
> よる R-共役ですね。
> ベースとなる体が変われば、「共役」の意味も変わります。
体Fが体Kの部分体 且つ σ∈Aut(K)で∀x∈F,σ(x)=xとなる時,
このσを「KのF-自己同型写像」というのですね。。
纏めると
共役の定義は
『体Fが体Kの部分体でx∈Kがy∈Kにσに関してF上共役である
⇔(def)
σ(x)=yなるKのF-自己同型写像σ(∈Aut(K))が存在する』
上記の共役の定義で
『F:=R,K:=R[√-1](つまりC:=R[√-1])と見て,CのR自己同型写像σに於いて
z∈Cに対してσ(z)をzの共役という』
そして特に
『F:=R,K:=R[√-1](つまりC:=R[√-1])と見て,CのR自己同型写像σを
σ(x+√-1y)=x-√-1y (x,y∈R)で定義した場合
z∈Cに対してσ(z)をzの"複素"共役という』
つまり,複素共役はCのR上共役の特別な場合だったのですね。
そしてこの複素共役の定義は
『Fを体。KをFの真の代数的拡大体とするとa∈Kに於いてx∈KはaのF上の複素共役
である。
⇔(def)
x∈{x∈K\{a};f(x)=0 (f(x)はaのF上の(F係数の)最小多項式)}』
と同値なのですね。
No.4
- 回答日時:
質問者さんは「複素共役」と「共役」を混同しています。
「複素共役」と「共役」は全く別の概念です。定義を自己流に推測することは益がありません。「複素共役」は高校でおなじみのa+biとa-biの関係ですね。
体論では、最小多項式の根α,β,γ・・・を互いに「共役」といいます。
たとえば、
[3]√2のQ上の共役元は3]√2の最小多項式x^3-2=0の根
[3]√2ωと[3]√2ω^2です。つまり、x^3-2=0の
3根[3]√2,[3]√2ω,[3]√2ω^2は互いに共役です。
高校でおなじみの、共役複素数について言えば、[3]√2は実数ですが、3]√2ωと[3]√2ω^2は複素共役の関係にあります。
ともかく、「共役」についての詳しいことは体論の教科書を見て下さい。
皆様,多大な詳細なご説明誠に有難うございます。
"複素共役"と"共役"という全く異なる概念があったのですね。
> 「複素共役」は高校でおなじみのa+biとa-biの関係ですね。
> 体論では、最小多項式の根α,β,γ・・・を互いに「共役」といいます。
> たとえば、
> [3]√2のQ上の共役元は3]√2の最小多項式x^3-2=0の根
この定義がわかりやすかったです。
私の定義「F'を体。FをF'の真の代数的拡大体…∈F' なるx∈F\F'」を書き直すと
「F'を体。FをF'の真の代数的拡大体とするとa∈Fに於いてx∈FはaのF'上の複素共役である。
⇔(def)
x∈{x∈F\{a};f(x)=0 (f(x)はaのF'上の(F'係数の)最小多項式)}」
となるのですね。
No.3
- 回答日時:
こんにちは。
私の回答 ANo.1で、大きな間違いだありました。
>ω∈Q([3]√2,[3]√2×ω,[3]√2(ω^2))かつ
[3]√2∈Q([3]√2,[3]√2×ω,[3]√2(ω^2))から、
Q([3]√2,ω)はL=Q([3]√2,[3]√2×ω,[3]√2(ω^2))を含みます。
のところで、「Q([3]√2,ω)はL=Q([3]√2,[3]√2×ω,[3]√2(ω^2))を含みます。」は間違いです。
そうではなく、
「Q([3]√2,ω)はQ([3]√2(ω^2))に含まれる」が正しいです。
また、最後の方の
>「Auto_F'(F)={f:L → L |全単射準同型、f^(-1)も凖同型である。F'の元aについてはf(a)=aとなるもの}です。」
はワープロミスで
「Auto_F'(L)={f:L → L |全単射準同型、f^(-1)も凖同型である。F'の元aについてはf(a)=aとなるもの}です。」
が正しいです。
>これをGal(L\F')とかき、LのF'上のガロア群といいます。
LがF’の正規(分離)代数拡大体のとき、Lをガロア拡大と呼び、
そのときだけ、Auto_F'(L)=Gal(L\F')とかき、LのF'上のガロア群というようです。
それから、
◎Q([3]√2)=Q[[3]√2],Q([3]√2ω)=Q[[3]√2ω],
Q([3]√2(ω^2))=Q[[3]√2ω]です。
ここに、αをF'上代数的として、α∈Lの元としたとき、
Q[α]={g(α)∈L |g(X)はQ係数の多項式 } としています。
Xが不定元のとき、Q[X]はXの多項式の作る環で1変数Xの多項式環
といいます。
一般の体でなく、複素数体Cで考えている限りは、
Q上の最小多項式は、必ずCの中で一次式に分解し、
重根はありません。これは複素数体Cは代数的閉体で「標数0]の体だからです。
[標数0のM体は分離的である]という定理があります。
分離的というのは「Mの任意の元mに対してその最小多項式=0とした方程式には重解がない。」ということです。
ガロア理論が仲仲よく分からず、いくつものの本をよみました。
今は非常にいい本が出版されていて、この前 共立出版社の
共立叢書 現代数学の潮流シリーズのなかで
「代数方程式とガロア理論」 中島 匠一 著がでていたので買いました。初学者には非常にも
丁寧でわかり易く書いてあり、例も豊富であるが、内容には
手抜きがなく十分で字の配列もよく読みやすそうです。
お薦めの一冊です。
これをさっき見たところ、p179の[定義4.49]にK上共役の定義があります
それによると。
L/Kを体の拡大とする。α,β∈Lは両方ともK上代数的であるとし、
α,βの最小多項式をそれぞれ、F_α(T)、F_β(T) とする。(注:
この本では不定元Xの代わりにTを用いています。)
(1)αとβがK上共役(conjugate over K)であるとは、(注:K上のTの多項式として)
⇔ F_α(T)=F_β(T)が成り立つことである。
とあります。
そして、次のことが書いてあります。
◎ 定義4.49によって、αとβがK上共役であるということは
βがF_α(T)の根である (⇔αがF_β(T)の根である)
と、あります。
だから私の前回の回答はまあ、大体よいようです。
なお、Q([3]√2)=Q[[3]√2],Q([3]√2×ω)=Q[[3]√2×ω],
Q([3]√2(ω^2))=Q[[3]√2(ω^2)]の3つは、
L=Q([3]√2,[3]√2×ω,[3]√2(ω^2))の中部分体として
つまり、体として同型になります。
なお、上記の本のp235に正規拡大の定義があります。
5.38[定義]
代数拡大L/Kが正規拡大(normal extension)であるとは、Lの任意の元に
対して,αのK上の最小多項式F_α(T)がL上で一次式の積に分解
することである、とあります。
つまり、αのK上の最小多項式=0の解はみな、Lの中にみつかるということです。
そして、Q([3]√2)=Q[[3]√2],Q([3]√2×ω)=Q[[3]√2×ω],
Q([3]√2(ω^2))=Q[[3]√2(ω^2)]は
L=Q([3]√2,[3]√2×ω,[3]√2(ω^2))かの中で体として同型になります。
Q([3]√2×ω)=Q[[3]√2×ω]などを自分で考えてみましょう。
私の2回めの回答はここまでとします。
No.2
- 回答日時:
>体での共役の定義をご存知の方いらっしゃいましたらお教え下さい。
ちゃんとした定義は体論の参考書にのっているが、うろ覚えて書くと
K/F を体の拡大として x, y ∈ K が F上共役とは
F-自己同型写像 σ : K -> K が存在して σ(x) = y
多大な詳細なご説明誠に有難うございます。
"複素共役"と"共役"という全く異なる概念があったのですね。
因みに後者の場合aの共役bをa~bで表すとすると~は同値関係
(i) a~a
(ii) a~b⇒b~a
(iii) a~bかつb~c⇒a~c
と成す。
というのを見かけました。
複素共役だと(i)は必ずしも成り立ちませんよね。1+iの共役は1-iで1+i≠1-i。
私の定義「F'を体。FをF'の真の代数的拡大体…∈F' なるx∈F\F'」を書き直すと
「F'を体。FをF'の真の代数的拡大体とするとa∈Fに於いてx∈FはaのF'上の複素共役である。
⇔(def)
x∈{x∈F\{a};f(x)=0 (f(x)はaのF'上の(F'係数の)最小多項式)}」
となるのですね。
> K/F を体の拡大として x, y ∈ K が F上共役とは
> F-自己同型写像 σ : K -> K が存在して σ(x) = y
K/F:={aF;a∈K,FはKの正規部分群}ですね。
所で
"Kの自己同型写像"の定義は
「Aut(K):={f;f:K→Kは全単射群同型}の元をKの自己同型写像という」
と分かったのですが
"KのF-自己同型写像"の定義は何なのでしょうか(ちょっとその定義を見つけれませんですいません)?
No.1
- 回答日時:
おはようございます。
回答になってないかもしれませんが、>[3]√2のQ上の最小多項式=0については
R上で解くとx^3-2=(x-[3]√2)(x^2+[3]√2x+[3]√2)=0.
よって他の解はx=(-[3]√2±√([3]√4-4[3]√2))/2
[3]√2は3乗根2のことですね?
まず、計算が違っています。
x^3-2=(x-[3]√2)(x^2+[3]√2x+[3]√2)ではなく、
x^3-2=(x-[3]√2)(x^2+[3]√2x+[3]√4)です。
Qの代数拡大体として、複素数体Cを
とれば、C上でx^2+[3]√2x+[3]√4=0を解けば
他の解は
x=(-[3]√2±√([3]√4-4[3]√4))/2
=(-[3]√2±√(-3×[3]√4))/2={-[3]√2±i(√3×[3]√2)}/2
={-[3]√2±i(√3×[3]√2)}/2=[3]√2×{(-1±√3i)}/2
=[3]√2×(-1+√3i)/2と[3]√2×(-1-√3i)/2
ω=(-1+√3i)/2とおくと、ω^2=(-1-√3i)/2で
ω+ω^2=-1,ω^3=1となり、
他の解はx=[3]√2×ωと3]√2(ω^2)となります。
よって、最初の三次方程式x^3-2=0は、複素数体Cで
上で完全に代数的に解けて、その解は
{[3]√2,[3]√2×ω,[3]√2(ω^2)}の3つになります。
よって、この方程式のQ上のの最小分解体は、有理数体Q
にこれらの解を添加したQ上の代数拡大体
L=Q([3]√2,[3]√2×ω,[3]√2(ω^2))となります。
「たとえば、([3]√2)はLの元でLは体なので、その2乗([3]√2)^2=([3]√4),
はLに入ります。よって、([3]√4)はLの元です。
よってまた、([3]√2)の逆元について、 1/([3]√2)=[3]√4)/2
なので、1/([3]√2)もLに入ります。[3]√2,([3]√2×ω)
はLに含まれるのでその商 の([3]√2×ω)/([3]√2)=ω
もLに含まれます。よって、
ω∈Q([3]√2,[3]√2×ω,[3]√2(ω^2))かつ
[3]√2∈Q([3]√2,[3]√2×ω,[3]√2(ω^2))から、
Q([3]√2,ω)はL=Q([3]√2,[3]√2×ω,[3]√2(ω^2))を含みます。
逆のL=Q([3]√2,[3]√2×ω,[3]√2(ω^2))がQ([3]√2,ω)に含まれる
ことは確かです。よって、
L=Q([3]√2,[3]√2×ω,[3]√2(ω^2))=Q([3]√2,ω)
となります。これは実はQ上6次拡大体です。
さらに、ω=(-1+√3i)/2から√3i=√(-3)もLに含まれ
L=Q([3]√2,[3]√2×ω,[3]√2(ω^2))=Q([3]√2,ω)
=Q([3]√2,ω)=Q([3]√2,√3i)」でもあります。
ここら辺り上の「 から 」まではガロア理論の本を見るとよいでしょう。
◎さて、元[3]√2のQ上の共役と「体」全体の共役は違います。
(1) 元[3]√2のQ上の共役は何かといえば、Q係数の
[3]√2の最小多項式=0 とした、3つの解
{[3]√2,[3]√2×ω,[3]√2(ω^2)}が、Q上共役といいます。
つまり、Fの元bがその係数の最小多項式=0として解いた根全体
をbの共役と普通いいます。
(2) L=Q([3]√2,[3]√2×ω,[3]√2(ω^2))=Q([3]√2,ω)
の中で考えたとき、体Q([3]√2)とQ([3]√2×ω)とQ([3]√2(ω^2))
とは、共役なのか私もよく分かりません。
◎ 一般には、体F'の任意の元bをとって、そのF'上の最小多項式の方程=0の解が必ずLに含まれるとき、Lを正規拡大体といいます。このとき、最小多項式の方程式=0の解全体をbの共役な元といいます。
◎ 例えば2の平方根 √2をQ上で考えれば、そのQ上の最小多項式は
x^2ー2=0の解 √2とー√2とはQじょうで共役です。
この場合はQ(√2)がQの代数拡大体で、√2とー√2とは共役になります。そして、Q(√2)の2元たとえば 3+√2と3-√2とは共役です。
◎F'上の自己同型群を考え、それをAuto_F'(L)であらわします。
その写像で写り合う元たちを共役というようです。Auto_F(L)は
Auto_F'(F)={f:L → L |全単射準同型、f^(-1)も凖同型である。F'の元aについてはf(a)=aとなるもの全体}
です。これをGal(L\F')とかき、LのF'上のガロア群といいます。
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