dポイントプレゼントキャンペーン実施中!

いつも回答ありがとうございます。質問させていただきます。

「一生懸命」という言葉が成立したのはいつごろの話なのでしょうか?

一生懸命は一所懸命から生まれた言葉だということはわかったのですが、
いつごろ「一所」が「一生」に変化したのでしょうか?

個人的には領地が固定した江戸時代くらいかなぁと思っているのですが、
ご存知の方がいらっしゃいましたら宜しくお願いします。

A 回答 (6件)

「一所懸命」が「一生懸命」になった流れは、次のような3つのステップがあったようです。



(1)もともと、「一所懸命(いっしょけんめい)」と使われていたのは、江戸時代以前のことです。領地を守り抜くことに「命をかける」という意味も含めて、「命」ではなく「所」を使っていたようです。三省堂刊の『時代別国語大辞典』などにも、「一所懸命」の形で出ており「一生懸命」の形ではまだ表れておりません。「一所懸命」の用例は、鎌倉時代に書かれた『古事談』や、室町時代に書かれた『北条五代記』や各種浄瑠璃作品の中にもみえます。

(2)江戸時代になって、領地を守り抜くことに「命をかける」ほどの切迫性がなくなってしまうのですが、まだ江戸初期の頃は、「一所懸命」という言葉が、まったく忘れ去られたわけではなく、しかし、「一所(いっしょ)」を懸命に守るという実感が薄れたせいか、「一所懸命」と書いて「いっしょうけんめい」と読んでいた時代があったようです。「一所(いっしょ)」が「一所(いっしょう)」に変化したのです。これらの用例は、狂言の台本集である『狂言記』などにみることができます。1600年代までは、この「一所懸命(いっしょうけんめい)」の形で使われていたようです。

(3)江戸の太平が続くうち、「一所」は完全に時代にそぐわなくなり、「いっしょう」には「一生」があてられました。1700年代のことです。『仮名手本忠臣蔵』をはじめとする浄瑠璃などでも、「一生懸命(いっしょうけんめい)」となります。その後、滑稽本の『浮世風呂』などにもみられます。さらに、時代を経て、明治時代になっても、二葉亭四迷の『浮雲』を始め、多くの文学作品でも使われて、現在にいたるのです。

一部インターネット上で、昭和30年代に定着したとの記載もありますが、高度経済成長期の昭和30年代に「一生懸命」はある意味スローガン的に使われ、流行語のようになったことは事実ですが、誕生したのは江戸時代中期であり、その後は基本的に「一所懸命」ではなく「一生懸命」が使われてきたのです。但し、昭和20年の終戦に向けて軍事色が強まった時期には、一時的に「一所懸命」がもてはやされたということもあったかもしれません。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

とても詳しい回答をありがとうございます。
様々な出典がわかって大満足しました。
時代背景とともに言葉が移り変わっていく様が手に取るようにわかりました。
一所懸命も一生懸命も時代が生んだ流行語のようなものなのでしょうね。
回答していただきありがとうございます!

お礼日時:2008/08/18 00:09

 『日本国語大辞典』(第二版)によると、1727年の浄瑠璃です。



 現在使われている「一生懸命」の普通の用い方とおなじものは、1734年の浄瑠璃だそうです。

 詳しいことをお知りになりたければ、図書館などで、同辞典を見てください。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
1727年というと8代将軍吉宗の時代ですね。
なるほど、分派した頃のイメージがとてもよくつかめました。
ありがとうございます。

お礼日時:2008/08/17 23:58

#3です。


補足します。

「一所懸命」
大槻文彦編『大言海』
いっしょ-けんめい(句)【一所懸命】
〔命(いのち)を懸くるとは、生活の頼みとすとの意、(二)の意は、 一所懸命と云ふ中古語は、解せられず、されど、唯、何がな耳に挟みて居るに、遂にいっしょをしょうと延べて、一生の字を填めて、全く違へる意義に用ゐ始めたるなるべし(讒訴、ざんぞう。土突 (どづき)、どうづき)などの語もあり〕
(一)唯、一箇所の領地の租を得て、生活す。…〔中略〕…
(二)右の語、一生懸命(いつしやうけんめい)と訛り唱へられ、命にかけて事をすることの意に用ゐらる。必死
丹波與作(寳永、近松作)下「一生懸命の時節到來、死損(しにそこな)はせてくれるか」「一生懸命に追ひかけ、おひかけ」

つまり、
(二)の意味に使われるようになった経緯は、
中古語の「一所懸命」の意味が分からなくなったが、なんとなく耳に挟んでいるうちに、「イッショーケンメイ」と発音し、「一生懸命」の表記を当てはめて、“命がけ” 、“必死” の意味に使うようになった。
ということです。

そういうわけで、「命がけで」「必死に」の意味に使うのであれば、語源に照らして「一所懸命」が正しいとか、「イッショケンメイ」と発音すべきだとか言うことに意味があるとは思えません。
繰り返しますが、「一所懸命」に“命がけ”という意味はなく、
「父祖から受け継いだ【一所懸命の地】を守り続ける」
のように使うべき言葉だったのです。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

大変詳しい回答をありがとうございます。
一生懸命の発生元は一所懸命であり、しかも意味が違う使われ方をされていたんですね。さらに一生懸命が使われるうちに、発生元の一所懸命まで一般に使われる意味が変化してしまったということですか!

日本語の奥深さを再確認できました。
ありがとうございます。

お礼日時:2008/08/17 15:56

江戸時代です。


なお、「一所懸命(の地)」を“命がけで守る”と解するのは誤りで、“一箇所の領地からの収入に【命が懸かっている】”(=それを取り上げられたら生きてはいけない) 大切な領地という意味です。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

回答をありがとうございます!
本来の意味は微妙に違うものなのですね。
とても勉強になりました。ありがとうございます。

お礼日時:2008/08/17 15:58

こちらにもありましたが…


昭和30年代から現れて40年代に定着したとのことです。

http://www.tamagawa.ac.jp/sisetu/kyouken/kamakur …
    • good
    • 0
この回答へのお礼

回答をありがとうございます。
昭和30から40年代というと高度経済成長の時代ですね。
たしかにがむしゃらに働いて、一生頑張る的な雰囲気がありますね。
こちらも興味深い説ですね。
ありがとうございます!

お礼日時:2008/08/17 04:28

こんばんは。



質問者様の予想通り、江戸時代だそうです。
http://www.nhk.or.jp/a-room/kininaru/2004/10/102 …
    • good
    • 0
この回答へのお礼

迅速な対応ありがとうございます。
なるほど、貨幣経済に入って土地離れというわけですね。
ありがとうございます。

お礼日時:2008/08/17 04:25

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!