この人頭いいなと思ったエピソード

(1)自動車関連で、塑性変形させたり、ねじ切ってしまったりして絶対に弛まない(脱落しない)ねじがあると聞いたことがあります。参考にしたいのでどんな種類のものがあるか、また弛まないメカニズムについて解説してください。
小ねじから、大きなねじまで、いろいろ教えてください。
(2)また、特に重要部品は特殊な脱落防止がはかられていると思いますが、エンジンマウントなど振動や熱に厳しいところはどんな締結をしているのでしょうか?

A 回答 (5件)

 補足を頂きましたので、再度回答です。



 御使用状況を拝読し、正直なところ今一歩具体的な構造を想像出来ませんでしたが(というワケで今回は『自信ナシ』です)・・・熱歪みが大きい部品の締付として、以下の方法を思いつきました。

1.被締結物が歪む様に設計します。
(1)最初からボルトの座面が滑る事を考慮して設計します。
 『座面が滑る』設計とは、簡単に申しますと、ボルト軸方向の締付力がボルト座面(被締結物)に伝達しない構造です。
 単にボルトをユルユルにしておくだけでも構造上はOKですが、これではボルトがすぐ緩んで脱落してしまうので、例えば被締結物の厚みよりちょっとだけ長いカラーをボルトに通し、ボルトはギンギンに締め上げて軸力を出しておき、しかしその軸力はカラーのみに伝達され、熱歪みが問題となる被締結物には軸力を伝達しない構造とします。
(2)ネジの軸力に頼らない緩み対策を施し、ネジ事態はユルユルで使用します。
 具体的には、ネジロック剤や何らかの緩み止めが施されたボルトを使うか(この手のボルトはアンブラコのHPなどにも出ています)、ナットを使う場合は同様にナットに緩み止め機構が付いているモノを使用します。
 ただこの場合は、設計段階で緩みに対するポテンシャルを予測するのは殆ど不可能なので、その様なネジの使い方をした場合は、装置の試験運転を念入りに実施し、事前に緩み状態を十分把握しておく必要があるでしょう。

2.熱歪みが大きく出る被締結物を、同様の熱歪みを持つ部品で押さえる様にし、この部品を固定元に強固に締結します。
 文章で打つと非常に判りにくいのですが・・・要するに、固定元と被締結物との間に、被締結物と同じ熱歪みを持つ部品が介在する構造です。この部品は、固定元、被締結物それぞれに強固にボルトで固定してしまいますが、熱がかかってもこの部品が歪んで、固定元/被締結物間の熱によるズレを吸収します。
 これは、リターダなど熱歪みが大きいある種のブレーキやクラッチに使われる構造で、設計にはちょっとした工夫と慎重な計算が必要ですが、作動温度帯が広い機械ではよく用いられる構造です。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
非常に勉強になりました。

お礼日時:2003/03/11 21:52

No3の方、有り難うございます。

 本当に詳しく説明してくださり、大変為になりました。 これでちーっと、じまんできます。
まずはお礼まで。 私ならポイント100点です
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 クルマの設計屋です。



>自動車関連で、塑性変形させたり、ねじ切ってしまったりして絶対に弛まない
>(脱落しない)ねじがあると聞いたことがあります。

 厳密な意味では、ネジである以上絶対緩まない締結システムはありません。(ネジを使うのは後に分解出来るからであって、分解しなくてヨイなら接着、溶接、リベットなどにします。)
 yr1様御回答の様に、盗難や不用意な分解の防止目的以外で分解出来ない締結部品を使う事は、クルマの場合はありません。

>弛まないメカニズムについて解説してください。

 ネジが逆に回らなければ、緩みに強い事になります。
 で、その『逆に回りにくい』ネジ類ですが、現在では星の数ほど出回っています。そこで特に強力な例(レーシングカーで使われる類のモノ)を記述します。

1.とにかく強力なネジで強く締める
 普通のネジ(ボルト)は、締めることによって引き伸ばされ、それが戻ろうとする力(=軸力と言います)によってネジ部や座面部に摩擦力が発生し、結果、ネジが戻るのを防ぎます。
 下記HPは汎用市販品中最強のボルトのメーカ、SPSアンブラコのHPです。ここのボルトは強度区分12.7Tを確保しつつ10T相当の粘りを併せ持っているので、死ぬほど締めても遅れ破壊が比較的起こりにくい、という夢の様なボルトです。

http://www.fa-mart.co.jp/spsunbrako/

 塑性域角度法で締付けられるエンジンのヘッドボルトは、このアンブラコか或いは国産コピー品です。
 また、レーシングカーではほぼ例外なく、全てのボルトをアンブラコとします。

2.ネジロック剤
 接着剤の様な高分子材をネジ部に塗って締めると、嫌気環境で硬化してネジ部の摩擦力を増加させます。この増加した摩擦力によってネジの戻りに耐えます。
 ロックタイトというメーカが最大手で、ロック強度や耐熱性などで色々な種類のものが出ています。

http://www.loctite.co.jp/

 また、ネジロック剤が最初から付いたネジ(ボルト)も売られています。これも1.で挙げましたSPSアンブラコのHPに出ています。アンブラコはネジの総合メーカ的なところで、これらの他にも色々と緩み止め機構が付いたボルト、ナット類を出しているので、HPは必見です。

3.スプリングナット
 今度はナットの話。
 ゆるみ止めナットの決定版と言えるのが、板バネが付いたスプリング・ナットです。下記HPはこの手のナットでもっとも有名な『Uナット』のメーカ、富士精密(株)です。このナットは、ボルト側にダメージを与えるので出来れば使いたくない部類のモノですが、しかしナット自体は反復利用が効き、しかもワタシ自身、このナットを使って緩んだ事は今まで一度もありません。

http://www.fun.co.jp/

 このメーカも、緩み止めネジ部品を色々と出しています。

4.ツイストワイヤ(ワイヤ・ロック)
 市販車ではやりませんが、レーシングカーでは結構やる作戦です。
 ネジ部の頭に、軸と直行した方向にφ1.5~2mm程度の貫通穴を開け、そこにSUSワイヤを通して、そのワイヤをどこか手近なところ(隣のネジの頭に同様に開けた穴、など)に通してネジが戻るのを物理的に止めてしまう方法です。
 高周波の振動に襲われるレーシングカーのエンジンやリヤサスペンション周りでは、このツイストワイヤでなければ緩んでしまう事があります。(市販車改造でない、本格的なレーシングカーではエンジンはシャシの一部となっており、リヤサスペンションはエンジンブロックとソリッドに結合されています。)

5.割りピン、Rピンなど
 ボルト側に穴を開けておき、ナットをかけた後割りピンやRピンで物理的にナットの戻りを固定する方法で、ホイールセンタのハブナットなどに使われています。

>エンジンマウントなど振動や熱に厳しいところはどんな締結を
>しているのでしょうか?

 市販車のエンジンマウントは、特別厳しい事はありません。ネジロック剤を使う事もありますが、基本的には普通にボルトで締付けているだけです。
 但し、普通の使い方よりは締付けトルクを上げているので、ボルト自体は9~10T程度の高張力ボルトに入る強度区分のモノを使っています。
 一方、マウントラバーが存在しないレーシングカーでは、かなり厳しい状況となります。
 上述した緩み止めのうちどれかを持つボルトか、或いはツイストワイヤをかけて完全に固定します。

 といったところでついでに・・・

>いくらダブルナットにしてもたとえば被締結材が特殊な材料だと、
>へたったり、熱のびで、すぐ緩んでしまい、ねじロックもきかない
>ようなケースがあると聞きました。

 ボルトの設計計算をすると判りますが・・・ダブルナットは、別に特殊な材料でなくても緩み止めにはあまり効果的ではありません。設計者によってはスキな方もいらっしゃいますが、ワタシは可能な限り使わない様にしています。(最近のクルマを見ると、主にコストダウンが理由と思われますが、ダブルナットが廃止される傾向にあります。最先端のネジ設計法では、ダブルナットは使わない様です。)

>緩まないためにはリベットのようなものしかないのかな?

 リベットも盛大に(!)緩みます。
 リベットは塑性変形させて部品を固定するモノで、変形させなければならない関係上あまり強力な材料が使えず、よって締付け力も徐々に失われます。
 勿論、リベットならボルト/ナットの様に短期間で急に緩んだり、緩みきって脱落したりしませんが、逆に一旦緩んでしまうと打ち直し(潰し直し)がカンタンに出来ないのでボルトよりヤッカイです。
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この回答へのお礼

すばらしいご回答ありがとうございます!!
まさにほしかった回答そのものです。
loftybridgeさんならきっと、ご存知だと思い失礼ですがさらに質問させていただきます。
僕らが締結したいものは、被締結部材が熱変形で軸直角方向に1mmほど伸びるため、ボルト頭部を1mmたわませる(曲げ応力低減のためボルトは細く長いもので高強度なものを使用しています)か、もしくは座面で滑らせる必要があるのです。そうしないと被締結部材の軸直角方向で座屈が起こってしまいます。
ボルトの必要強度も曲げらたときの曲げ応力で決まってくるようなもので、材料強度ぎりぎりまで高い軸力を入れられません。(ボルトが曲がったときにポッキリ折れてしまいます)それで、軸力をあまり高くできないのでどうしても緩みやすくなってしまいます。こんなケースに対応する緩み対策ってありますか?

お礼日時:2003/03/07 22:53

私実家がねじ屋さんなんですが、車で使うねじというのはとても特殊なねじです。


基本的に普通の店頭では手に入らないようになっています。ので、下記のサイトで聞いてみてください。うちの取引をしている会社です。
緩まないねじ、破損等がしにくいねじ等はありますが、ここで書いてもよく分からないかもしれませんので、直接聞いてみてください。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。早速たずねてみます!!

お礼日時:2003/03/01 00:45

私の知っている限りではネジといわれているところで一般的な工具を使用して外せないところはエンジンキーシリンダーを(メインキー)を止めているネジが締めこんでゆくとあるところで頭のところが折れてしまい。

残った部分がレンズを伏せた状態になり工具をかけることが出来なくなって外すことが出来ません。熱や振動に対しての方法はダブルナットにしたり太いネジなどにして対処しています。トルク管理がなされていれば緩むことが無い様に設計されています。ネジなどはネジロックというペンキみたいな物を塗り緩み防止をしています。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。防犯面という観点で取れなくしているところもあるのですね。ねじの緩みは自動車業界が振動や熱面でシビアだから、そちらのほうも研究したいのです。
 いくらダブルナットにしてもたとえば被締結材が特殊な材料だと、へたったり、熱のびで、すぐ緩んでしまい、ねじロックもきかないようなケースがあると聞きました。そんなものをねじでとめる使いかたが間違ってるのかも知れませんが・・・
まあ、最終的にはねじ構造は駄目なのかもしれません。緩まないためにはリベットのようなものしかないのかな?とも思ってしまいます。

お礼日時:2003/03/01 00:34

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