単位ベクトルxとyがあります.これがテンソルFによって変形を受けて,x'とy'に変化したとします.
そのとき,x'とy'は,Fを使って,
x'=Fx (1)
y'=Fy (2)
と表すことができると思うのですが,今勉強している論文では,y'については,
y' = (F^-1)^T y = y F^-1 (3)
(F^-1は逆テンソル,^Tは転置)
とされています.いま,Fは直交テンソルなので,(F^-1)^Tは結局Fだと思うのですが,(3)のような記述になる(記述にする?)理由は何なのでしょうか?
ご教示のほど,よろしくお願いします.
A 回答 (6件)
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No.6
- 回答日時:
No.3のAkira_Ojiです。
リンク先の PDFの論文 を見ました。ちょっと、読んでみましたが、基礎力不足で、No.3の回答のようには簡単ではありませんでした。私は随分単純に考えていましたが、ちょっとなじみの薄い「変形体力学」「流体力学」で勉強をする時間が必要です。ただ、「その道」の方々がいらっしゃるようで、WebでSearchしたところ、かなり基礎的な部分を解説されており、Notationもほとんど同じですので、以下に挙げておきます。
http://www.sml.k.u-tokyo.ac.jp/members/nabe/lect …
時間ができれば、私自身、自分なりに習得したいと思いますが、質問者さん自身でも(あるいは他の回答者さんたちにも)参考になろうかと思います。
確かにご指摘の分野です.
資料についても,どうもありがとうございます.
関連研究でも同じ変換式が当たり前のように用いられています.
が,教科書的には,変形勾配テンソルFで変換できるように書かれているので,今回,yの方がこうなる理由が釈然としませんし,このような変換を考えているのは他で見かけません.
皆さんにいろいろとヒントをいただいたので,改めて基本から考えてみます.
No.5
- 回答日時:
arrysthmiaさんの考え方でよいのではないかと思います。
x,y,x ' ,y ' を列ベクトルとすれば、xとyの内積は行列の形でかけば
行ベクトルy^Tと列ベクトルxとの積 (y^T)x と書けます。
内積が保存されるので
(y '^T) x ' = (y^T) x = (y^T) (F^-1 F) x = ((y^T)F^-1)(F x) = ((y^T)F^-1) x '
∴(y '^T) = (y^T)F^-1
転置をとって
y ' = (F^-1)^T y
がでます。
ただ、y ' = y F^-1 の右辺は(3×1)型の行列yと(3×3)型の行列F^-1の積なので、
この順番では定義できませんよね。
おそらく(y '^T) = (y^T)F^-1 という意味で書いてあるんじゃないでしょうか。(単なる誤植かも…)
どうもありがとうございます.
式展開は追えました.
x'=Fxとなるのに,y'=Fyというのは,成立しないものなのでしょうか.
質問の式は,オリジナルの論文,それを利用した論文や解説記事でも常に用いられていて,誤植の可能性は低いかと思います.
No.4
- 回答日時:
リンク先の PDF を見ました。
どうやら「 F によって変形 」の定義が、
x ' = F x の成立と、
積の保存 y ' x ' = y x であるようです。
今回の応用分野のことは、全く知りませんが、
計算としては、
y ' x ' = y x = y (F^-1 F) x = (y F^-1)(F x) = (y F^-1) x '
が、任意の x ' について成立するから、
y ' = y F^-1
ということだと思います。
y ' = (F^-1)^T y
は、やはり、行列の寸法が不一致で、
積が正しく定義できていないようです。
(y ' )^T = (y F^-1)^T = (F^-1)^T y^T
なら、了解できますが。
積の保存も考慮すると式展開は納得できるものになりますね.
y ' = (F^-1)^T y
は,何とか合わせようと自分で書いたものなので,定かではありません.
どうもありがとうございました.
No.3
- 回答日時:
xとyは「座標」ではなく、「単位ベクトル」なので、任意のベクトルAはこの単位ベクトルを使って次のようにかけます。
A=A_x.x+A_y.y (1)
ここで、A_x と A_y はベクトルAのx-成分 y-成分です。「.」は「A_x」と「x」がくっつくと見にくいので単に入れました。
座標系が変換されたとき、ベクトルAは空間に対して変化しないものとすれば、単位ベクトルがx'と y'に変わったためにベクトルAの成分がそれに伴って変わります:
A=A'_x.x'+A'_y.y' (2)
このベクトルAの成分の変換はテンソルの変換規則にしたがって次のように変換したとします。
A'_x =aA_x+bA_y
A'_y =cA_x+dA_y (3)
したがって、変換行列要素(F)ijは行列風に書くと(このサイトは行列を表すのに苦労しますね。)
(F)ij=
a b
c d (4)
ベクトルAの変換前の成分は
A_x
A_y
ベクトルAの変換後の成分は
A'_x
A'_y
と2x1の列ベクトルで表せます。
さて、(3)を(2)に代入してベクトルAは
A=(aA_x+bA_y)x'+(cA_x+dA_y)y'
整理しなおして、
A=A_x(ax'+cy')+A_y(bx'+dy') (5)
(1)と見比べると、単位ベクトル間の関係
x=ax'+cy'
y=bx'+dy' (6)
を得る。
単位ベクトルx,yを成分とする2x1のベクトル風のもの u
x
y
単位ベクトルx',y'を成分とする2x1のベクトル風のもの u'
x’
y’
の間には(6)より
u=(F^t)u' (7)
u'について解くためには両辺に左から(F^t)^-1を掛ける。
((F^t)^-1)u=u'
あるいは左右を入れ替えて
u'=((F^t)^-1)u (8)
(7)の両辺の転置をとると、
(u^t)=(u'^t)F
両辺に右から、Fの逆行列F^-1を掛けると、
(u^t)(F^-1)=(u'^t)
再び、両辺の転置をとると
((F^-1)^t)u=u'
あるいは、左右を入れ替えて
u'=((F^-1)^t)u (9)
これが質問欄の(3)の前半部の意味ではないでしょうか。質問欄の式(1)と(2)は少し考え直す必要がありそうです。「テンソルによる座標変換」を考えているのか、「座標変換によるテンソル・ベクトルの成分の変換、および単位ベクトルの変換」を考えているのか、が問題です。
(3)の後半の部分はちょっと混乱しているようですが、(9)の2つ前の式
(u^t)(F^-1)=(u'^t)
の左右を入れ替えた式
(u'^t)=(u^t)(F^-1)
で転置した行ベクトルu'^tとu^tのあいだで成り立っている関係のようです。(1x2)=(1x2)*(2x2)ですから。
ところで、(8)、(9)から、Fの転置行列の逆行列は、Fの逆行列の転置行列に等しい。
この回答への補足
書きづらい式を順を追って丁寧に説明していただき、ありがとうございました。(9)式に至るまでのプロセスは納得できました。
ですが、xについては式(1)、yについては式(3)で表される理由が分かりません。
前提となっている条件を理解している範囲で書き出してみますと、
・xとyは単位ベクトルで、yはxに直交している。
・変形を表すテンソルFによって、x'とy'に変わる。
・ただし、変形後もy'はx'に直交している。(=ただの回転?)
となっています。これを「座標変換」と表現してしまったので、わかりにくい質問になってしまったのかもしれません。申し訳ありません。
ある程度一般性のある形で記述した方がよいかと思い、元の論文から手を加えて記述してしまったのも影響しているかもしれません。
類似の関連論文で公開されているものがありますので、お手数ですが、こちらもご確認くだされば幸いです。
http://ci.nii.ac.jp/naid/110002373668
PDFファイル中の、式(5)(6)の前4、5行に対応します。
たびたびすみませんが、引き続きよろしくお願い申し上げます。
No.2
- 回答日時:
(3) は、オカシイですね。
y が列ベクトル(反変ベクトル)だとすると
右辺がオカシイし、
行ベクトル(共変ベクトル)だとすると
中央の辺がオカシイ。
いづれにしろ、行列積の寸法が首尾一貫しません。
「F によって変形を受ける」という
説明の意味を、きちんと定義しないと
話が始らないと思います。
この回答への補足
ご回答いただき、ありがとうございます。
ご説明が足りず、申し訳ない限りです。
他の文献や教科書も勉強しているところですが、反変ベクトル、共変ベクトルというのも関連がありそうな気がしてきました。
しかし、関連があるのか、あるならどう関連するのか、頭の整理のため、いましばらく自分で勉強を進めたいと思います。
また分からなくなったら質問させていただきたく存じます。
よろしくお願いいたします。
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