dポイントプレゼントキャンペーン実施中!

行政書士試験の勉強をしている者です。

記述式の問題で
[AはBから、「工事完成時に700万を支払う」旨の宅地造成工事を請け負った。当該土地のうち、造成工事が完了した部分は順次Bに引き渡されている。現在、Aが占有している土地の残部についても工事が完了したがBは工事代金を支払おうとしない。
Bが土地の残部の引渡しを求めてきた場合、AはBに対しどのような権利を行使することができるか]
というのがあり、正解は「留置権の行使」ですが、私は「同時履行の抗弁権」で解答をし、間違っていました。

問題文から、「留置権」なのか「同時履行の抗弁権」なのかを読み取るには、どんなところに着目すればよいでしょうか。

教えてください。
よろしくお願いします。

A 回答 (1件)

こんにちは



自分はロースクールの学生であり、
留置権と同時履行の抗弁権の相違点については、
みっちりやったつもりではあります

その上で、個人的にはこの問題は、あまり「美しい問題」とは思えず、
同時履行の抗弁も留置権も同時に主張できる場合だとは思うのですが。。。


ただし、あえて出題者が同時履行の抗弁権ではなく、
留置権のみが正解とするならば、「可分性に関する例外」
がその理由と思われます


留置権には、常に不可分性があるとされ、仮に留置権者が債権の弁済を受けないまま
留置物の一部を債務者に引き渡した場合であっても、特段の事情の無い限り、
債権の全部の弁済を受けるまで、留置物の残部につき留置権を行使する
ことができる(最判平3.7.16)とされています

よって、本ケースで留置権の主張は可能。


一方、同時履行の抗弁に関しては、給付が可分な場合には
原則として、不履行部分に応じた抗弁権が存在するとされています

ただし、相手方から請求された債務が可分であっても、
不履行の部分又は不完全な部分が軽症なものであれば、
一部についても抗弁を主張することはできないと解されています
(反対に、不履行の部分又は不完全な部分が重要なものであれば、
全部について同時履行の抗弁を主張することが出来る)


本ケースであれば、不履行の部分が、軽症なものなのか、そうでないのか
問題文からは判断出来ませんが、「軽症でない」とも書かれてない以上、
必ずしも同時履行の抗弁が主張できるというわけではない、
ということだと思われます


(非常に個人的な意見ではありますが、これが正しい解説だとすると、
ここまでを踏まえて回答するとすると、非常に難易度が高いし、
一方何も考えずに「留置権」と答えて正解となる人も多数いると
思われるので、「美しい問題」とはいえない。と上で書きました)
    • good
    • 0
この回答へのお礼

詳しいご回答、ありがとうございます!
今はまだ理解できてはいませんが、しかし、法律初心者にもとても読みやすい解説でした。
ありがとうございました。

お礼日時:2009/10/13 20:55

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!