
なぜ付喪神がついた古道具を買う人がいたのですか。
かつて器物は100年を経ると精霊が宿ると考えられており、そのため99年目で器物を破棄するという習慣があったと聞いたことがあります。
器物は年末の煤払いを行う際に廃棄されていたようです。
その廃棄された古道具を神社仏閣で売るようになったのが、京都の東寺や北野天満宮の古道具市の起源なのだそうです。
ここで、疑問。
古い道具には付喪神がつくと信じられ
その付喪神を恐れるがゆえに古道具を処分していたのに
そんな付喪神がついた古道具を買う人がいたというのは
オドロキです。
私は付喪神なんぞ信じていないし、
アンティーク好きなのでためらわずに買いますが
怨霊信仰のあった古においてなぜ付喪神がついた古道具を買う人がいたのでしょうか。
神社や寺でお祓いをしてもらったので、大丈夫ということなのでしょうか。
よろしゅうおたのもうします。
A 回答 (6件)
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No.6
- 回答日時:
No.1及び4で回答した者です。
蛇足になりますが。
>なぜ他の場所ではなく、神社や寺が選ばれたのか。
という疑問に対してなのですが、
古くから寺や神社というのは村において、集会場や寄り合い場所として使用されていたという考え方があります。実際に現在でも神社、寺を集会の場所として(宗教的習俗的かは別として)利用している場合もあります。
そういったことから、昔にも、神社や寺の利便性があってこそ
その場所を選んでいたと考えられます。
もちろん、神聖であるということも含め、そこに集まる理由はそういったものでしょう。
さらに蛇足過ぎるお話ですが
No.5の方が回答していらっしゃるように現実的な付喪神への畏怖は薄かった可能性も、現実を見た理論的にはあり得ます。
むしろ、質問者様の質問に対しての回答としては正論だと思います。
ただ、民俗学を志す者として
民間信仰における、100年に満たないまでも長く使われた日常生活用品への感謝や信心というものを、民衆が持たなかったと言われれば反論せざるを得ません。
そういった細かい、生活文化の中から習俗の欠片を拾い集める事こそが
質問者様が持つような疑問を解決する手段となり得ると思います。
本当に余分なお話で申し訳ないです。
何度も回答をありがとうございます。
神社や寺の利便性
というのはあると思います。
ただおっしゃられるように、古の人々の信仰心を無視することはできないのではないか、と感じています。
友人に聞いた話ですが
江戸時代の戸籍謄本をテレビで見た、死亡原因のほとんどは「怨霊の祟り」となっていた、というのです。
これは江戸時代においても、怨霊信仰があったことを示すものだと考えます。
質問をたててから自分でもいろいろググったりして調べてみたのですが
市(イチ)=斎(イツキ)
だという説があることを知りました。
そこから、市というもの自体が、祓いの神事だったのではないか、
と思うにいたりました。
また平安時代の文献に
虹がたったところに市をたてる
と記されているそうです。
(文献名は忘れました。すいません。)
かつて虹はまがまがしいものと考えられていたそうで
邪気を祓うために市をたてた、と考えられるのではないでしょうか。
まあ、しだいに形骸化していったのは確かでしょうが・・・
>生活文化の中から習俗の欠片を拾い集める事
ほんとうにそのとおりですね。ありがとうございます。
No.5
- 回答日時:
>かつて器物は100年を経ると精霊が宿ると考えられており、そのため99年目で器物を破棄するという習慣があったと聞いたことがあります
これは『付喪神絵巻』にある記述ですが…
こんなことを実際に行われていたかというと、疑問に思えます。
なぜなら、当時において庶民が使う日用品が百年近い耐久性を持っているとは考えにくい。
またそれだけの耐久性を持っていれば、名器、名品だから「化けるから」などという理由で廃棄するとは思えない
さらには実際に百年以上たった道具は寺社や名家には存在するのだから、「百年たった(という理由だけで)化ける」とは事実として認識できない。
「九十九年」というのは「つくも」という言葉を引き出すための設定です。
そもそも「付喪神」という名称も『付喪神絵巻』といったごく一部のおとぎ話でしか登場しない言葉で、一般の人々が使っていたとは思えません。
『付喪神絵巻』自体も極めて作為的な話で、内容も平安期の『今昔物語』や『是害房絵巻』のパロディであり、さらには「非情成仏」を説く宗派の優位性で締めくくられます。つまり「つくもがみ」は何らかの意図的に作られたおとぎ話であって、庶民の畏怖の対象ではなかったと思えます。
いうなれば現代人がホラー映画も見て怖がりますが、それは「実際にゾンビやエイリアンが存在するから怖い」と思って怖がっているわけではないようなもので
それに「つくもがみ」という概念が、日常で使われていたのなら、それを祭り鎮める信仰が生まれてもおかしくはないですが、それも見あたりません。
もちろん、道具に神霊が宿るという概念は存在しますが、それはその道具に関わった人間の霊魂であったり、あるいは神仏などの力であって、たんに「時間が経過したから」というだけでは、畏怖の対象ではないと思われます。
口碑伝承でも「古道具による怪異」というのは、古くなったというだけでなく、その道具に何らか関わった人間や神霊に対する畏怖というものが多いですね。
「つくもがみ」は意図的に作られたおとぎ話のキャラクターであって、生活に密着した怪異・恐怖ではないと思います。また古い道具に霊力が宿るという信仰・概念があっても、日常の生活に多大な影響を与えるほどのものでもなかったのでしょう。
古道具の市が開かれていたのは、古道具が生活品として商品価値があったからでしょう。ですから当時の古道具市は現在のホームセンターでの買い物に近い感覚ではなかったでしょうか。
大量生産が可能となったといっても、それでも限度があります。だから古道具も売買取引された。
古道具に対する感覚が現代とは大きく異なっているのです。
弘法市や天神市も、人が集まる場所だから古道具の店も開かれた(現在のような骨董品という感覚ではない)というものではないでしょうか。
No.4
- 回答日時:
No.1で回答した者です。
手元には現在示すことが出来る史料はありませんが、
お祓いという行為そのものが、荒ぶる魂を鎮め、和御魂へとおさめる事を意味します。
また、人形供養などは、古道具とは違いますが、人形に宿った魂を鎮め、災厄を振りまかないように、成仏を願うという意味で行われているところからして、古道具のお祓いと共通する部分があると考えます。
具体的な史料を示すことが出来ず申し訳ありません。
再回答ありがとうございます。
神社や寺の境内で市が開かれる、というのが気になりますよね。
なぜ他の場所ではなく、神社や寺が選ばれたのか。
やはり、そこが神聖なる場所であることが関係しているように思えますね。
大変参考になりました。
感謝いたします。
No.3
- 回答日時:
自称、妖怪研究家です
さて、民俗学者の小松和彦先生が指摘していましたが、付喪神という概念が登場するのは室町期です。当時は技術革新によって物を消費し、消費した物を廃棄するという生活が一般化したそうです。
だからこそ、捨てられた物が化けるという「物語」が受け入れられた。
そして、当時の人も「道具が化けて人に危害をなす」ということは概念として受け入れられても、事実としては認識していなかったのではないかということです。
つまり、「付喪神絵巻」などで擬人化した道具が描かれるというのは、それらをキャラクターとして受け入れたのであって、現実的な恐怖としての認識は薄かった
付喪神は仏教で説く「非情成仏」という思想の喧伝もあります。つまり、草木や土石など感情を持たない存在も、仏性を有しているという思想で、『付喪神縁起』では化け物となった古道具は最終的にことごとく、発心して仏となると締めくくられます。
その後の『百鬼夜行絵巻』などでは、古道具の成仏のシーンは描かれることはなくなりましたが、これこそ付喪神は当時の人にとっても現実的な恐怖ではなく、あくまでも観念的なモノであり、同事にキャラクターとして楽しむ、つまり娯楽の対象であったと思われます。
そもそも、「つくもがみ」という名称も一種のシャレです。本来は「九十九髪(つくもがみ)」でこれは白髪の異名。『付喪神縁起』では、百年を経ずに九十九年で捨てられた道具が、百年たたずに捨てられたことを恨んで化けたという設定です。百から一を取ると「九十九」。また百という文字から一を取ると「白」。だから「つくも(九十九・白)がみ(髪・神)」ということです。
この回答への補足
よろしければ
当時の人が「道具が化けて人に危害をなす」ということは概念として受け入れられても、事実としては認識していなかったのではないか
と思われる理由を教えてください。
こうした古道具が転売されている事実から
そう考えられるということでしょうか。
回答ありがとうございます。
>当時の人も「道具が化けて人に危害をなす」ということは概念として受け入れられても、事実としては認識していなかったのではないかということです。
認識していないのであれば、そもそも古い道具を付喪神がついたからといって
捨てたりはしないと思うのですが。
道具を処分するための言い訳のようなものだったのでしょうか。
No.2
- 回答日時:
<参考>
明治生まれの死んだ祖父は、
「使わない道具を置いておくと、悪さをする。」と言っていましたね。
道具は手入れをして、古くなっても大切に愛情を注いで使い続けるのが日本人の美意識だったのではないでしょうか。
使わないで手入れしないまま蔵の隅に眠っている古道具にも、時々棚卸をして、使うものは手入れをし、使わないものは古道具屋に持って行って、きちんとリサイクルし、駄目なものは捨てて「ごみ屋敷」にしないようにするという日本人の精神が、『付喪神』というものを生んだのでしょうね。
「神」ですから、大事にすれば悪さをしないで、持ち主に幸をもたらすものでもあったのでしょう。
<おまけ>
「つくもがみ貸します」畠中恵著
http://www.kadokawa.co.jp/sp/200709-05/index.php …
楽しく読めます。
「陰陽師 付喪神ノ巻」夢枕獏著
著者の陰陽師シリーズの中の一冊
http://www.bbk.ne.jp/201/w_baku8.htm#tsukumo
伝奇小説で、好き嫌いがありますが、ファンからは絶大な支持があります。
ありがとうございます。
つまり、古いものでも手入れしてあれば付喪神は祟らなかった
ということですね。
そういえば神社では式年遷宮とかいって建て替えたりしますが
寺院にはそういった習慣はないですね。
でも、神社が粗末に扱われているわけではないと思います。
本の紹介をありがとうございます。
読んでみたいです。
神社仏閣と古道具は別でしょうかね。
No.1
- 回答日時:
古道具市などで付喪神が憑いている古道具を買う明確な理由としての答えは
単純にその道具を使いたいから、ということでしょう。
ただ、質問者様が疑問に思われるように、
付喪神というものに対する畏れがあった時代に買うというのは一見不可思議に見えますが、付喪神というのは一概に悪い霊のみが古いものに憑くというわけではなく、古い道具や使い込まれたモノは神聖であり神が宿るとも言われます。
これを粗末に扱ったりすると付喪神は荒御魂となり人に害を及ぼしたりするようになります。
仰られるように神社などでお祓いをして和御魂となっていれば
その道具は大変良いものであるという認識を持って使うことが出来るため、買う人がいたのでしょう。
付喪神が憑くような古道具でも買う理由はそういったところにあると思います。
回答をありがとうございます。
神社で古道具をお祓いをすると和御魂になるというのは理解できます。
神社で古道具をお祓いをしていたことを示す史料などはありますか?
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