とっておきの手土産を教えて

中国で「***川」と名のつく河川は?

世界地図で見る中国の河川は「河」、「江」、「水」ばかりで「川」が見当たりません(黄河、揚子江、渭水)。
「川」もないことはありませんが、タリム川(新疆ウイグル自治区)、イリ川(新疆ウイグル自治区)、ヤロン川(チベット自治州)のように、元々は中国の領土という意識があったのか無かったのかよくわからない地域を流れる河川です。
私の想像では「川」は「河」や「江」より規模が小さくて世界地図には載らないものの北京や上海界隈にも、「***川」が存在するのだと思います。

さて質問です。
・中国では「川」は「河」や「江」より規模が小さいと考えてよいですか。
・北京や上海界隈に、「川」の字で呼ばれる河川が存在しますか。存在すれば名称を挙げて下さいませ。
よろしくお願いします。

A 回答 (3件)

1.第一のご質問について。


根源を辿ると、
漢語の「水・河・江・川・海・洋」 とは何か という課題です、
この延長線上には「渓・曲・渠・湖・池・沼・塘・津・井・灘・泉・滸」なども。
漢字で水に関わる文字は大変多く、
東漢の劉熙撰の『釈名』によると、
【天下の大水(河川等の流れを総称する場合は「水」)とは、
江・河・淮・済の四つの水路。これらは源流に発して海に注ぐ】としています。
江は長江、河は黄河、淮は淮河、済は済水を指します。
そもそも、「河」は黄河のことであり、「江」は長江のことでした。
同書に、水に関わる文字と、各文字が表す意味の説明がありますが、
“水の状態 and/or 地形の関わり” による違いです。
日本語に雨の言い方が豊かなように、中国ではその広大多様な
地形故に水の流れを言い分けるようになったのかも知れません。
古典文字解説書『釈名』と『爾雅』で表現は夫々ですが、
「河」:地下を流れる部分もある(伏流水)。
    波や還流がある。分流再合流がある。
「江」:細流が流入し主流になる。入り江、湾曲がある。
「川」:地を穿って流れる水。
    更に「川」は、原=平らな土地 に湧いた水の流れ、
       『康煕字典』では、原は[原の小→水]の字と同義。
中国で川の付く地名は(谷間の)平地が多くあります、割合小さな地域です。
例:雲南省東川市、雲南省麓川、河南省潁川
「一馬平川」と言うと、馬が疾駆できるような平地になりますが。
「川」の付く水流名が少ないにも関わらず、「川」を含む単語や成語が多いのは、
「川」が河・江などを含む総称となるからです。
例:高山大川=高い山嶺と奔流する大河
   百川帰海=全ての川は海に流れ入る<喩>衆望が集まる
さて、「○○川」の例・・・辞典等で分かる範囲です、
             ローカルに調べればもっとあるのではないでしょうか。
・四川省奥地 大金川、小金川→岷江に合流
・甘粛省源流で渭水に流入 秦川
・河南省 伊川
・陜西省藍田県 [車+罔]川
・蒙族自治区に湖から流出しているxxxxx川がありますが失念しました。
*従って、水流としての「川」は河・江よりも小さい、むしろ古典的辞典類では、
 河・江他と対等に扱われていない。「原」と同義であることを見ると、
 水流の規模・形態としては初等と考えられます。
 しかし、概念としての「川」は水流を総称する幅を持つ。 と言えます。
 私の見方ですが、「川」は根源的な概念で本来河・江他と対比する
 のに不適当なのだろうと考えます。
 「水」は全ての流水を包含しますが、一方でxxxxx水が沢山あります。
 漢語での用法や成語での役割を見ても「川」の方に高尚さを感じます。
2.第二のご質問について。
残念ですが、在ることの証明はできますが、無いことの証明は困難なので、
何とも申し上げかねます。
北京市内を流れるどうということのない流れも「江」がついています。
前述のうち、北京に一番近いのは河南省 伊川。
*紙幅も時間も無いので説明を端折りました、不行き届きお許しを。
*注意しましたが、文字化けがあればごめんなさい。
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この回答へのお礼

謹んで拝読致しました。
質問文には隠れている真の疑問の発端を汲み取って下さって脱帽しました。どんなに博識であっても対面してならいざ知らず、また、知識のある相手に対してであればいざ知らず、予備知識のない者に対して文章だけで答えるには相当、手間暇を要するのを承知しているつもりですので、ご回答には深く感謝しています。

1.「川」は河川類を総称する概念としても意味するし、また、中国に於ける「川」の付く地名の分布から推測するに、少なくとも古くは日本で言う扇状地状の土地を流れる河川を意味していたかもしれない、と理解しました。

2.中国には大金川、小金川、秦川、伊川などが実在することが分かりました。

以下、ご回答から得られた発展的な興味、疑問、感想などを記してお礼とします。
3.「水・河・江・川・海・洋」、「渓・曲・渠・湖・池・沼・塘・津・井・灘・泉・滸」に「谷、沢」を追加して、折を見て漢和辞典に目を通しておこうと思います。

4. 『釈名』と『爾雅』の存在は初めて知りました。こんな書籍に目を通す必要のある生活を一時でもよいから、してみたいものだと思います。

5. 「一馬平川」、「高山大川」、「百川帰海」の熟語は初めて知りました。一度くらいは、びたっとした使い方をしてみたいものです。

6.北京市内を流れる変哲のない川にも「江」がついていて、「江」は大河だけを指すものではないことを知りました。
今まで、第一級の河川のうち途中で大きく屈曲しているものが「河」で、単に「河」といえば黄河のこと。
また、第一級の河川のうち屈曲が少なく直線的なものが「江」で、単に「江」といえば揚子江のこと。こういう理解をしていて、質問文はこの前提で記しました。考えを変えます。

どんな分野も結局は総合力の問題で、今回の疑問を解くには地理、語学、歴史、民俗、国民性などに通じる必要があるのだろうと感じました。
有り難うございました。

お礼日時:2010/04/26 18:40

No1です。


先の回答について、1点訂正します。

>逆に、日本語で中国の河川名を書くとき、
>黄河→黄川
>揚子江→揚子川
>渭水→渭川
>と書き換えても問題はないのですが

よく考えるとこれはちょっとおかしいですね。
日本語では
黄河→ホワン川
揚子江→ヤンズ川
渭水→ウエイ川
(漢字の中国語による発音が 黄→ホワン 以下同様)
に訂正します。
これで
塔里木河→タリム川
と統一が取れます。

日本では「ホワン川」と呼んでも問題はないけど習慣的に「黄河」と呼ぶということです。
日本と中国でたまたま漢字という同じ文字を使っているのが原因です。
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この回答へのお礼

ご丁寧に追加の説明をありがとうございます。よく分かりました。

お礼日時:2010/04/25 00:13

現代の中国には、中国語で「***川」と名のつく川はほぼ間違いなくありません。


少なくとも私は聞いたことはありません。
古代にはあったのでしょうが。

タリム川
イリ川
ヤロン川
は、中国語表記するとそれぞれ
塔里木河
伊犁河
雅?江
です。中国語においては「***川」ではありません。
欧米の河川も
ライン川→莱茵河
ミシシッピ川→密西西比河
と表記します。

逆に、日本語で中国の河川名を書くとき、
黄河→黄川
揚子江→揚子川
渭水→渭川
と書き換えても問題はないのですが習慣的にしないだけです。

ちなみに、中国語で小さな川は「渓」をつけて呼びます。
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この回答へのお礼

NO.2と併せて拝読しました。
今考えると質問文はおかしなことに気づきました。私の言う世界地図は日本人向けのものであって、中国国内で発行されている世界地図であれば塔里木河、伊犁河、雅?江となっているであろうと、私にも十分見当がつきます。愚かなことでした。

それにしても、中国では「河」、「江」、「渓」しかないのは意外でした。河川の屈曲の具合によって「河」と「江」を区別しないと気の済まない民族が、規模の大小には無頓着なのが腑に落ちません。「川」という文字も「川」のつく熟語も幾らでもあるのに、河川の名前に「川」を採用しないのは合点がいきません。
もしかすると中国でいう「川」は日本人のいう「川」と概念が違っていて、水の流れ全てを「川」というのかもしれないと思ったりしています。日本人のいう「川」も「川」、農業用水から田圃へ流れ込む水の流れも「川」、雨樋から下水道への流れも「川、もしも、こういうことだとすると河川の名に「川」を採用しないのは納得がいきます。果たして事実はどうなのでしょう、今回の質問から発展して新たな疑問が湧きました。
機会があったら確かめてみたいと思います。ともかく中国に「川」のつく河川はないらしいことは分かりました。

このお答えで満点なのでしょうが
>>中国語で「***川」と名のつく川はほぼ間違いなくありません<<
とあって「ほぼ」が入っていますので念を入れる意味で30日(金)19時までは締め切らずにおきます。その間、何方様からか、いや名前に「川」のつく河川があるぞよとの指摘があるものやらないものやら。

ただの印象ですが、「渭水」も「渭河」になりつつあるようですね。
有り難うございました。

お礼日時:2010/04/25 00:10

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