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No.2
- 回答日時:
オイラー法が一般的である、ひとつの理由は数値解析の歴史が背景にあると思われます。
流体の方程式(ナビエ・ストークス方程式)は、実用上の殆どのケースで解くことが出来ないため、数値解析の適用が昔から行われてきました。
まず、使われたのが差分法、有限要素法です。これらは、流体を固定点から眺めて、空間を分割して計算するオイラー法です。
ちなみに、現在実務的に使われるソフトの主流は有限体積法ですが、これもオイラー法です。
一方のラグランジュ法の数値解析法は無かったわけではありませんが、実用的と言えるものの登場はかなり遅く、1977年のSPH(Smoothed Particle Hydrodynamics)法までありませんでした。しかもこのSPH法も当初は宇宙物理学のために開発され、一般的な流体への応用はあまり無かったようです。
1990年代になるとMPS(Moving Particle Semi-implicit)法なども登場しラグランジュ法での数値解析も一般的になってきたようですが、オイラー法を凌駕するほどにはまだ発展していないのが実情です。
「流体の研究者=数値解析の研究者」 みたいな構図が昔からあるため、数値解析で主流のオイラー法がそのまま流体力学の主流になったのではないかと思われます。あまり理論的な理由はないみたいです。
MPS法の開発者である越塚誠一さんも
「粒子法(ラグランジュ法)では物体を粒子に分けるが、差分法(オイラー法)でも空間を格子に分ける。どちらも仮想的であることに変わりはない。実際の空間に格子があるわけでもない。もし、空間を格子に分けるのは自然と感じ、物体を粒子に分けるのが不自然と感じるとしたら、それは人間の慣れの問題であろう。」
と著書「粒子法」の中で言われています。
今までの歴史の中でオイラー法に慣れてしまっただけのことと思います。
回答になっていますかね?
No.1
- 回答日時:
________________________________________
下記の説明が最も解りやすいと思います。
(1)ラグランジュの方法
流体を無数の粒子からなる集合と考えて、個別の粒子に注目してその運動を調べる方法
です。この方法は質点の運動方程式を解いて運動を求めるのと基本的には同じ考え方で
す。この方法では時間だけが独立な変数であり、粒子の位置、速度、加速度は時間の関
数である従属変数となります。時刻t=0 における各粒子の座標を出発点として、個別
の粒子の運動方程式を解き、任意の時刻におけるこれらの粒子の位置を表わす関数が求
められれば、流体の挙動がわかります。
しかし、私たちが流体の挙動を知るというのはどういうことでしょうか。恐らくほと
んどの場合は、時間の経過と共に空間内で指定された領域のすべての点において、速度
や圧力の変化を得ることではないでしょうか。ラグランジュの方法では個別の粒子を追
跡しますので、空間の領域全体を同時に取扱うのが難しいという欠点があります。そこ
で、もう一つの方法が考えられており、流体力学ではこれが一般に使用されています。
(2)オイラーの方法
この方法は領域内の各々の点を固定された観測点として注目し、その点で速度、圧力の
ような物理量が時間的にどのように変化するかを見ようとするものです。このときには
注目している固定点を、次々異なる粒子が通過していくことになります。この方法では
時間と位置(注目している固定点)が独立変数となり、速度、加速度は時間と位置の関数
である従属変数になります。ここでは説明を省略しますが、流体の運動の見方が異なる
ことにより、両者で運動方程式の形は異なっていますが、ラグランジュの方法もオイラ
ーの方法も同じ流体の現象を表しています。
方法の違いを感覚的に言えば、ラグランジュの方法は時間の経過と共に台風の動きを
見ているようなものであり、オイラーの方法は決まった時刻毎に、各観測点に情報が記
入された天気図を見ているようなものであるということができます
参考URL:http://www.terrabyte.co.jp
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