初めて自分の家と他人の家が違う、と意識した時

なぜ、無水エタノールは油汚れを落とせる?

よろしくお願いします。
有機溶媒になるためでしょうか?

であるとすれば、そこでまた疑問が出るのですが
なぜ、有機物は水より有機溶媒に溶けるのでしょうか?

似たもの同士だからと思いますが、何が影響するのでしょう?

A 回答 (1件)

こんにちは,大学院で生化学を専攻しているものです。



まず,エタノールは有機溶媒だからですね。
有機溶媒になる,ではなく有機溶媒であります。

なぜ有機物は水より有機溶媒とけるのかという疑問に関してですが,
そもそもエタノールは溶媒の中でも特殊な溶媒であり,いわゆる両親媒性溶媒という溶媒です。水にも油にも馴染んでしまうという代物なのです。
物質にはそれぞれ分子構造に依存したある種の親和性を有していまして,大きく分けてこの地球では親水性(水溶性)と疎水性(不溶性)の二つに大別されます。
疎水性に関しましては不溶性と書いてありますが=親油性となります。

この二つのファクターは構造に由来し,親水性に関しましては
・水素結合できるもの
・電離するもの
・極性を有するもの
の大きく分けてこの3つで決定すると考えていいでしょう。
水素結合は水分子自体が行っている分子間の相互作用のことで,水素原子と,-OH・-NHなど特定の原子間でおこなう相互作用のことであります。これのおかげで水は高い沸点と安定性を保っているのですが,それが可能な分子は一般的に「水によくとける」といわれます。極性に関しましてはご希望であれば説明致します。

疎水性に関しましては,先ほどあげた親水性のファクターがない分子に適応されます。
そしてその多くがCmHnのような形を形成した有機物となっているのです。有機溶媒も有機物ですのでCmHnの式であらわされることが多いです。CmHn同士はその構造からよく混ざりあうことができますので,基本的に有機物は有機溶媒に溶けるのです。

そこでエタノールの構造をみてみますと,エタノールはC2H5OHという化学式で示すことができます。C2H5という疎水性ファクターを有しながら,OHという親水性ファクターも有しているため,両親媒性を示し,油汚れも落としてくれるのでしょう。

ちなみに,こういった性質をうまく利用した物質が界面活性剤であり,例えば日用品などにもあるドデシル硫酸ナトリウムという海面活性剤は,C12H25という長い疎水性鎖に,SO4Naと親水性を持たせた両親媒性物質です。水に溶けにくい油を界面活性剤の疎水性鎖が捕え,水と一緒に流れるように上手く活用している例です。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。
とてもためになり知識になりました

お礼日時:2010/06/08 07:41

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