政治学の魅力
いま大学で政治学を学んでいるんですが、この政治学、まったく興味が持てません。
なぜ興味が持てないか?自分が好きな法学と対比させて、考えてみました。
・不明確なdiscipline
⇒法学には法学特有の思考法や研究方法があるように思えるが、政治学にはそういったものがないように感じられる。
政治学の”学際性”が好きになれない。
・暗記中心の学問?
⇒法学は思考が中心の学問だが(特に刑法など)、政治学は昔誰がこう考えてどうしたとか知識をひたすら暗記していく作業が多いような気がする。
・実用性の無さ
⇒法学の主流は解釈学で、解釈学がいわば問題解決型の学問であることを考えてみれば、十分実用性をもった学問であると自分は考える。
一方、政治学はそれが革命理論として採用されたり、アメリカのように積極的に政治の場で活用されたりするのでなければ、実用性はもちえない。
むしろ、大学でやる政治学はこうしたことを徹底的に避けようとする傾向さえもっているように感じる。(つまりactiveな政治学はかなり少ない)
こうした姿勢は、法学が現実の問題に積極的に立ち向かっていこうとする姿勢と対照的である。
・体系性の無さ
⇒法学は良く知られているようにかなり体系的な学問だが(英米法を抜きにすれば)
政治学には個人的にあまり体系性を感じられない。各人の興味関心にしたがって、バラバラに分散しているイメージがある。
自分自身、法学も政治学もまだ深く学んだとはいえず、上の考えにも誤解や誤りが多く含まれていると思います。
また、政治学も広いので、私が想定していない政治学がまだあって、そういったものも考えに含めると、また違った答えや視点が生まれてくるかもしれません。
そこで皆さん(政治学を学んでいる人or学んでいた人限定)にお聞きしたいのですが、
皆さんは政治学のどこに魅力を感じますか?もしくは、どういったところが嫌いですか?
できれば私の考えに言及しつつ、お答えください。
※カテゴリについて
学問カテになぜか政治学がなかったので
社会カテの政治にしました。(驚くべきことに法学も学問カテにない。)
私が今回言っている政治学は政局に関するもの(小沢がどうした、民主党がどうしたとか)でなく
学問としての政治学なので、一応そのことを述べておきます。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
私は北米の大学で政治学を学んでいた者です。
もしかすると質問者さんの言われる「政治学」とは、カリキュラムの違いで相違する点があるかもしれません。その点についてご留意いただければと思います。さて私の考えでは、政治学の面白さとは、人類古来から存在してきた「社会」という集団構造が「今までどのようにして運用され、どうやって現在に至ったか」という原理とプロセスの探求にあり、そこから得た情報を現代社会に当てはめ、社会の「最適な形」を模索していく事にあるのではないでしょうか。
政治学には歴史的に存在してきた政治体系や政治理論を読み解くという学術的側面があります。他の学問と同じく、「過去の政治関連の事例」という研究対象を観察し、その推移と結果を分析し、結論をまとめます。そして研究の成果が現代社会へ適応できるものかどうかを判断し、不可能なら今後のためにそのデータと結論を書き残すに留めます。
これら過去のデータを学ぶのが「暗記」となるわけですが、これも物理学で計算のために公式を頭に入れたり、法学で解釈を行うために判例の歴史的背景や傾向を憶えたりするのと変わらず、政治に参加したり現代の価値観に対応した「政治哲学」や「政治思想」の算出するなどの「実践」のためにあるのだと考えています。
ただ政治学の裾野は非常に広く、また政治的な事象を単純な正誤としては捉えにくいという点はやっぱりあります。全体的に通用する政治理論を考え出すためには、経済学・歴史・法律・人類学・心理学・社会学など他学問を引っ張り出して説明する必要があり、そのため政治理論によっては学問全体の一部のみにテーマが特化していたり、特定の理論を基づいた過去の事例の解釈について方向性が散らばったりします。これが質問者さんの仰る「バラバラに分散しているイメージ」の原因でしょうか。
しかしこれら理論を吟味・取捨選択し、自分自身の見解に組み込んで独自の理論を構築していく事が重要なのではないかと、私は感じます。
もちろん、専門的職業知識のような意味での実用性は学者か政治家にでもならない限りありませんが、社会的事象に対する理解を得るという点においては、他分野と変わらない実用性を備えた学問であると思います。
現代社会において異なった文化・言語・宗教の人間の生活圏がより広く重なるようになりましたが、そのため国と文化圏によってそれぞれの理解に齟齬が生じ、今後の国際社会にはどんな政治的方向性が最適かという事については未だ確固たる答えに行き着いていないように思えます。このように数多くの不確定要素を複雑に抱えた世界で、果たして既存の政治的概念がカバーしきれるものなのか。それとも時代により適応した新たな政治理論が必要なのか。政治学を学んだ私としては、この現状について非常に面白いと感じています。
No.3
- 回答日時:
僕は、実は学術の土台そのものに限界や問題があると感じている人です。
その観点からお応えしてみたいと思います。そういう意味では、もしかしたら政治学の魅力に迫るという事ではありませんので、主題から離れる様に見えるかもしれないですが、学術としての政治学の魅力というよりも政治現象を科学するという意味での政治学には迫るのではないかな?という気がしているので、恐縮ではありますが、お応えしてみたいと思います。まず、学術的理解方式、学術的認識方式の一番の弱点と申しますか、手痛いダメージを蒙る理由となっているのは、認識する側の影響を100%無視しているところです。
認識主体の認識行為も、本来は認識対象や認識背景に大きく影響を及ぼしているのですが、そうした認識行為による影響がゼロであるとしている点が大きな弱点です。
これによって、認識主体が行う如何なる認識行為や認識作用もゼロ化させられてしまいますので、主体性が生まれませんし、創造主感覚も生まれませんし、人間の尊厳が疎外されますし、結果的に孤独・寂しい・無関心・無感動へと陥り易いです。
学術的理解方式・学術的認識方式が盛んになる程、人間がその様になっていきます。もし人間が、本当に創造主感覚を持たない存在で、かつ被造物としてのみの存在であるならば、そうした学術的理解方式・学術的認識方式でも良いのでしょう。
しかし人間はそうではないハズです。
人間は、受身的な生き方や自分が物質であるかの様な生き方や機械的な生き方はしたくないんですね。ところが、認識主体による認識行為・認識作用の影響がゼロなのでしたら、受動的・物質的・機械的・・・が育ってしまいます。
もし人間を従わせようとする意志があるならそれで構いませんが、生きる意味も目的もそうではないでしょう。
>・不明確なdiscipline
>⇒法学には法学特有の思考法や研究方法があるように思えるが、政治学にはそういったものがないように感じられる。政治学の”学際性”が好きになれない。
法学・政治学共に真の思考法・研究方法ではありません。過去の蓄積、過去の経験、そこに基づく思考法・研究法である事には変わりありません。
>・暗記中心の学問?
>⇒法学は思考が中心の学問だが(特に刑法など)、政治学は昔誰がこう考えてどうしたとか知識をひたすら暗記していく作業が多いような気がする。
どちらも暗記です。
暗記には段階があります。
単語の暗記。まずは単語を覚えます。
因果関係の暗記。次に覚えた単語と単語の関係性を結び付けます。この結び付きを暗記します。
論理体系の暗記。因果関係と因果関係が更に関係で結ばれてきます。そうして体系化してきたものを暗記します。
理論の暗記。論理体系が更に定式化、形式化されるところまで構築されます。それを暗記します。
学問の暗記。数多くの理論が多くの現象を纏めるくらいにまで発展します。それを暗記します。
いかがでございましょうか?
結果的に、この領域までは基本的に暗記です。
暗記が土台です。
その上になってくると、
思想・哲学
理念・イデオロギー
となってきますが、この段階から思考や実践行動などが働く様になってきます。勿論、学問や理論にも思考が働いているかの様に見えますが、土台は暗記であり、暗記と暗記の組み合わせから新しいものを導いています。そしてそれを暗記します。
vec172さんの仰る法学は、政治学よりは上の段階の暗記に属してくるのでしょうが、それでも暗記は暗記です。
>・実用性の無さ
>⇒法学の主流は解釈学で、解釈学がいわば問題解決型の学問であることを考えてみれば、十分実用性をもった学問であると自分は考える。
ですので、解析をしているように見えて、実は暗記に基づく暗記の組み合わせパターンの検索をやっているに過ぎません。
真の解析とはそうではありません。暗記と照合するのが解析ではなく、仕組み・原理によって、解体⇔再構成するのが解析です。
>一方、政治学はそれが革命理論として採用されたり、アメリカのように積極的に政治の場で活用されたりするのでなければ、実用性はもちえない。むしろ、大学でやる政治学はこうしたことを徹底的に避けようとする傾向さえもっているように感じる。(つまりactiveな政治学はかなり少ない)
創造主感覚よりも被造物感覚となり易い学術的理解方式・学術的認識方式ではとても納得出来ます。ですが、
>こうした姿勢は、法学が現実の問題に積極的に立ち向かっていこうとする姿勢と対照的である。
政治学と相対的に比較すればそうかもしれません。
しかし、それが本質ではありません。
あくまで相対的な比較によって、です。
法学も、十分、現実の問題に立ち向かってはおりません。一体どこを見て、現実の問題に立ち向かっていると仰っているのかが疑問です。
>・体系性の無さ
>⇒法学は良く知られているようにかなり体系的な学問だが(英米法を抜きにすれば)政治学には個人的にあまり体系性を感じられない。各人の興味関心にしたがって、バラバラに分散しているイメージがある。
体系的というのは、解体⇔再構成が自由自在である事を指します。暗記の相関関係が緻密であるという事は体系的とは言いません。従いまして、法学も体系的ではありません。
>自分自身、法学も政治学もまだ深く学んだとはいえず、上の考えにも誤解や誤りが多く含まれていると思います。また、政治学も広いので、私が想定していない政治学がまだあって、そういったものも考えに含めると、また違った答えや視点が生まれてくるかもしれません。
今まで色々と触れてきましたが、
・不明確なdiscipline
・暗記中心の学問?
・実用性の無さ
・体系性の無さ
に関しては実は全くその通り!
かと思っています。
ただ、それを単なる相対比較的な観点から観るのはもったいないのではないでしょうか?学術全般、全体を観る事が重要であろうと思います。
その場合、実は法学も政治学もそんなに違いはありません。
観点を、ご自身の好き嫌いにおかず、社会の問題点、歴史の意志、時代の方向性、人間の使命、在るべき文明の姿・・・そんなところに置く事が大切ではなかろうかと思います。
如何でしょうか?
相対比較として好きな法学、嫌いな政治学、としてしまわずに、学術的な土台がどうであるか、学術が社会に何を果たしているか、現実をどの様に形作ってきたか、という観点をもたれる事をおススメいたします。
No.2
- 回答日時:
御指摘の通りですね。
文系はそもそも、実社会ではあまり役に立たない
んですね。
法律ぐらいですか。役に立つのは。
経済なんて、完全に跡づけ学問ですから。
文学なんて、役に立たない最右翼です。
ネットでの議論に役立つぐらいですかね。
そもそも学問てのは、実際に役に立つかどうか
はあまり関係無いのかもしれません。
ただ、権力はどこから出てくるか、なんてのは
役に立つ立たないを超えて、面白かったです。
学生時代の先生が言っていました。
「すぐに役に立つ学問は、すぐに役に立たなくなる。
俺は、そんなもの教える気はない」
すぐに役に立たない学問こそ、将来本当に役に立つ、と
いうことらしいです。
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