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ただ今、中小企業診断士を目指して勉強中の者です。経営法務でどうも納得いかないことがあるので質問させて下さい。

事業譲渡では債権者保護手続きが規定されておらず不要である、となっております。

また、事業譲渡においての債務の移転には個別の債権者の同意がなければ法律上の移転の効力がない、ともなっております。

この「個別の債権者の同意」を得ることは債権者保護手続が「実質的には」行われている、という理解で良いのでしょうか?

A 回答 (1件)

 XはY会社に売掛金債権を有しているとして、次の場合にどのような法律関係になるかを考えてみると良いと思います。



1、Y会社がZ会社に吸収合併された場合。

 吸収合併の効力発生日に、Xの売掛金債権の債務者は、Y会社からZ会社に「当然に」変わります。債務者が変わるということは、債務者の資力の状態も変わるということですから、場合によっては債権の回収が困難になる怖れがあります。そこで、合併の場合、債権者保護手続が要求されますので、Xは異議を申し立てる機会が与えられます。しかし、Xの異議があっても、会社が合併手続を中止しない限り、合併の効力発生日が到来すれば、合併の効力が生じます。もちろん、債権者を害するおそれがない場合を除いて、弁済や担保の提供等をしなければなりませんから、これを怠れば、合併無効の原因となり得るので、Xは合併無効の訴えをすることになります。

2.Y会社がZ会社に事業の全部譲渡をした場合

 Xの売掛金債権の債務者は、Y会社からZ会社に当然には変わりません。Z会社が債務を引き受けたとしても、Xの同意がない以上、重畳的債務引受にすぎず、Y会社が債務者であることは逃れられません。Y会社が債務を逃れるようにするには(免責的債務引受)、Xの同意が必要です。
 つまり、Xの同意がない限り、Y会社は依然として債務者なのですから、債権者保護手続は不要なのです。もちろん、営業譲渡に伴いY会社の財産がZ会社に譲渡されて、Y会社の資力が悪化する可能はあります。しかし、それは事業譲渡でなくても、Y会社が会社財産を不当に処分して無資力状態になることはあり得ます。
 このような場合は、Xが詐害行為取消権を行使したり、あるいは、Y会社を破産させて、Y会社の破産管財人が否認権を行使するという手段があります。
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