
No.9
- 回答日時:
反応式の中では食塩水をNaClと書いています。
水溶液をどのように表すかという場面で出てきているのではありません。
化学反応を考えている場面では反応に関わってくる物質だけを抜き出して表現します。
食塩水という水溶液を表しているのではなくて中に溶けて存在しているNaClが反応に関係してくる(従って量が変化する)のを表そうとしています。
HClについても同様です。
気体のHClが反応する時も水溶液中のHClが反応する時も反応式で書けば同じになります。
その場合のHClという化学式は純物質としてHClを考えた時のものです。
HClは分子ですからHClは分子式です。
HClaqと書くのは反応ではない場面にHClが出てくる場合です。水溶液であるという事を強調する書き方です。(aqという記号は「水溶液」の意味です。)
分子式か、組成式かは純物質についての判断です。
分子式は分子であるものについてしか使うことができません。
分子でないもの(イオンが集まってできている物質)、分子であっても組成比でしか表現されていないものは組成式です。化学記号を用いて表した式は全て化学式です。分子式も組成式も、構造式、示性式も全て化学式です。
分子は単に2つ以上の原子が集まってできているもののことではありません。
2つ以上の原子が一定の規則で集まった、他とはっきりと区別できる「まとまり」です。
原子の種類と数、結合の順番が決まっています。従ってこういうことを決めている結合も決まってきます。
この辺がやはり、あいまいになっているようです。
英語版のwikiを見ると「共有結合でできたまとまり」であると書かれています。日本語版のwikiでは「ポテンシャルの減少が生じている」、「少なくとも一つの振動モードが存在する」とかかれています。束縛状態が実現しているという意味だろうと思いますが「共有結合で結びついている」という表現の方が分かりやすいです。
2つの元素の原子A,Bが並んでいるとします。
ABABABABAB・・・・
これだけではどこに分子があるかが分かりません。
まとまりが確定できないのです。組成式でABとしか表すことができません。
AB AB AB AB AB ・・・・
となって入ればABの間に結合が生じていることは明らかです。これが分子です。
ABAB ABAB ABAB ABAB ・・・
でも構いません。この場合はABABで1つの分子だと言うことができるでしょう。
固体の塩化ナトリウムの中では
Na^+のまわりの6方向には等距離でCl^-が存在します。
Cl^-のまわりの6方向には等距離でCl^-が存在します。
NaClという分子が存在しているとは言えません。
NaClは分子式ではなくて組成式です。
生の電荷を持ったイオンが集まっている場合と分子が集まっている場合では融点や沸点にかなりの違いが出てきます。
ABABABAB ・・・
だと両隣の原子との結合が存在します。(イオンの間に働く引力は方向性がありません。)
AB AB AB AB ・・・
だと隣の分子との結合は弱いです。(分子間力というかなり弱い力が働いています。)
NaCl 式量 58.5 融点 801℃ 沸点 1413°
NaOH 式量 40.0 融点 328℃ 沸点 1390℃
CH3COOH 分子量 60.0 融点 17℃ 沸点 118℃
C2H5OH 分子量 46.0 融点 -114℃ 沸点 78℃
反対符号の電荷の間に働く静電引力の大きさは分子間力よりも大きいです。
#6
>水酸化ナトリウムは分子そのものです。分子とは2つ以上の原子から構成される電荷的に中性な物質を指すのです。
NaOHに分子としてのまとまりは存在していません。
Na^+とOH^-が静電気力によって集まったものがNaOHの固体です。
wikiにある文章
>分子(ぶんし)とは、2つ以上の原子から構成される電荷的に中性な物質を指す (IUPAC)。
をそのまま書いておられるのだと思います。
でもこの定義をIUPACが示した理由は「2つ以上の原子」というところにあります。
それ以前に流布していた「1原子分子」という言葉使いを否定するためです。だからそれ以外のところについては了解事項であるとしています。
「電荷的に中性な物質」というのは誤訳です。マクロな物質は分子性物質でもイオン性物質でも電荷的には中性です。IUPACの定義では entity という言葉を使っています。matter とかsubstance という言葉は使ってはいません。
この entity も日本語に訳するとあいまいさが出てきます。
マクロな物質を構成する単位になっているミクロな粒子のことをentity と言っていると思うのですが「存在」と訳してしまうと物質も存在であると言い出す人が出てきてしまうのです。
entityがそういう意味であるとすると「電荷的には中性である」というのは「イオンではない」と言っていることになります。
日本語版のwikiでは「1原子分子」という用語法を完全には否定していません。
「誤用である」、「比喩的に使われることがあるが学術用語ではない」と言いきってしまっていいと思うのですが、踏み切れないのでしょうね。以前「この用語法が学術用語として認められている現状は化学会の物理学会に対するコンプレックスの現れである」と書いたことがあります。物理では「分子」という言葉をかなりいい加減に使っています。単に「ミクロな粒子」というだけの意味でしかないという場合もあります。
この辺がIUPACが n≧1 ではなくて n>1 であるという勧告(1995年)を出さなくてはいけなくなった事情だろうと思います。
No.8
- 回答日時:
少なくとも, 「ふつ~に目にする水酸化ナトリウム」に「分子」は存在しないんだけどねぇ....
あと, 分子式や組成式も化学式の 1種だったりする.
「塩化水素の水溶液」であるところの塩酸をきちんと書くなら
HClaq
とか, かなぁ.
No.6
- 回答日時:
回答No3です。
水酸化ナトリウムなど混合物すべて分子式でも組成式でもないと考えるのが妥当だと考えてよいですよね?とのことですが
水酸化ナトリウムは分子式でも組成式でもないと考えるとの文章は間違っています。
水酸化ナトリウムの化学式はNaOH、分子式でもNaOH、組成式でもNaOHです。
化学式などと言った場合にはNaOHといった式を指すのであって水酸化ナトリウムを指す言葉ではありません。
なお、水酸化ナトリウムは純物質で分子は存在せず、NaOHは組成式です。といった回答が寄せられていますが水酸化ナトリウムは分子そのものです。分子とは2つ以上の原子から構成される電荷的に中性な物質を指すのです。
NaOHは組成式ですといった表現も適当ではありませんね。水酸化ナトリウムの組成式はNaOHと書くことができます。化学式もNaOHです。
No.3
- 回答日時:
塩化水素を水に溶かしたものが塩酸です。
塩化水素はHCl分子から成り立っていますが塩酸はHCl分子とH2O分子の混合から成り立っています。
ところで化学式、分子式、組成式などの言葉が化学の分野で出てきますがそれぞれの違いをはっきりしておくことが大事ですね。
例えばベンゼンおよび酢酸を例にしてみましょう。
化学式では ベンゼン C6H6 酢酸 CH3COOH
分子式では ベンゼン C6H6 酢酸 C2H4O2
組成式では ベンゼン CH 酢酸 CH2O
塩酸は混合物で組成式などといった言葉を使うことはできません。なお塩化水素は化学式や分子式ではHClと書くことができます。塩化水素は化学式と考えるといった言葉も適当ではありません。
回答ありがとうございます
>例えばベンゼンおよび酢酸を例にしてみましょう。
>化学式では ベンゼン C6H6 酢酸 CH3COOH
>分子式では ベンゼン C6H6 酢酸 C2H4O2
>組成式では ベンゼン CH 酢酸 CH2O
違いがよく分かってよかったです
水酸化ナトリウムなど混合物すべて分子式でも組成式でもないと考えるのが妥当だと考えてよいですよね?
No.2
- 回答日時:
まず,「塩化水素」は,分子式HClで表される物質の名称,塩酸はHClの水溶液のことです。
分子式は,分子を構成している原子の種類と数を表したものです。したがって分子について用いる化学式です。
塩化水素はH原子1個と,Cl原子1個が結びついてできた分子でできています。したがって分子式HClで表すことができます。
塩酸をHClと表すことがよくありますが,純粋なHClではありません。HClと水H2Oの混合物です。
しかし,溶液を何かの反応に用いるときには溶媒H2Oの反応が主たる目的ではなく,溶質HClの反応が中心になルことが多いので,省略して溶質の化学式HClで溶液を代表させていると考えるのが妥当でしょう。
例えば,塩化ナトリウムNaCl-これは分子がないので組成式-の水溶液である「塩化ナトリウム水溶液」を入れた試薬びんに「NaCl水溶液」と書かずに「NaCl」と書くようなものです。
「塩酸」が古くから知られた物質で,溶液に対してつけられた特別な名前であるためにわかりにくくなっているのでしょう。塩酸すなわち「HCl水溶液」は分子式でも,組成式でもありません。したがって,これを省略して表した「HCl」も分子式でも組成式でもないと考えるのが妥当だと思います。
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