大学の研究室で合成した有機化合物のHOMO,LUMOエネルギーレベルを見積もるために、試料をアセトニトリル等に溶かし、サイクリックボルタンメトリーを測定しています。
酸化波、還元波が出るとありがたいのですがそれらしきものが見られません。改善策を探そうと電気化学の書籍を読むと、
溶媒:アセトニトリルならメタノールと混ぜて蒸留→水素化ナトリウムを添加して還流→さらに蒸留→アルミナカラムを通す
作用電極:熱硝酸などで洗浄→水洗→使用溶媒で前もって電位走査
電解質:過塩素酸テトラターシャリーブチルアンモニウム塩なら、減圧下で100℃にし乾燥させる
などと、かなりの手間をかけて準備するように書かれています。
今まで研究室で測定してきたやり方では、溶媒は市販のドライ溶媒、作用電極はアルミナで磨いて使用溶媒で洗うだけ、電解質は特に乾燥もせず冷蔵庫に保管してあるものを使っていました。アルゴンでのバブリングはやっていました。このやり方を何度も繰り返してそのうち綺麗なボルタモグラムを得たり得なかったりという状態です。よく酸素の還元ピーク(指導教員がそう呼んでいる)が出る問題もよく起こります。
やはり書籍に書いてある通り、準備するべきなのでしょうか?この処理は不要というものがあれば教えていただけるとありがたいです。
綺麗なボルタモグラム(酸化と還元波、出来れば可逆)を得て、ピーク電位が求まればよく、電流値などは用いません。
参考書籍:電気化学測定法(上) 相澤益男、井上徹
No.1
- 回答日時:
CVは一応専門ですが、書籍に書いてある方法は危険なだけで全く意味がありません。
溶媒は素人が精製すると水分が増えるばかりなので、アセトニトリルは乾燥溶媒を購入してICN社の超乾燥アルミナのカラムをアルゴン下通すだけで充分です。
作用電極は白金以外にガラス状炭素電極を必ず用意して比較して下さい。性質が全く違います。
支持電解質のTEAPは加熱すると爆発することがあるので40℃以上に上げてはいけません。四十八時間以上減圧で引いて下さい。
酸素の還元ピークがアルゴン雰囲気下で出たらガス漏れしています。
通常乾燥空気を通してピークが出た後、アルゴンをバブリングすればきれいに消えるはずです。
私は酸素の還元でスーパーオキシドを作ってその反応を研究していました。
酸素のピークがきれいな可逆波にならないとしたら、どこかに欠陥があります。
この回答への補足
超乾燥アルミナは入手できないかもしれません。オーブンで乾燥させたカラムクロマト用のアルミナでは代用できないでしょうか?
アルゴンを満たしたグローブボックスの中で、カラムを通すというイメージでしょうか?やはり設備的に厳しそうです。
ドライ溶媒そのままではやはり良くないでしょうか?
何度もすみませんがよろしくお願いします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
>オーブンで乾燥させたカラムクロマト用のアルミナ
通常のオーブンではなく、マッフル炉で200℃程度の焼成が必要だと思います。
アルミナの物性を予め調べて下さい。表面積が下がると意味無くなるので。
ただ手早く真空デシケータに移さないとすぐ吸湿するので扱いには気を付けて下さい。
>アルゴンを満たしたグローブボックスの中で、カラムを通す
そんな仰々しい設備は不要です。アルゴンは重いので、純アルゴンさえ使えばシュレンクチューブ程度のガラス容器の大きいもので充分です。
カラムも摺り合わせが上下に付いているガラスフィルター型のクロマトカラムで充分です。
120℃のオーブンで乾燥してからすぐアルゴンを満たすか、装置に組み込んで下さい。
くれぐれも常に純アルゴンを流すことに気を付けて下さい。
注意することはそれだけです。
有機金属を扱ったことがあれば、それより余程簡単です。
No.3
- 回答日時:
水分混入が問題なのか,そうでないのか,が,わからないですね.
が,通常のドライ処理でも足りないというくらいに水が影響するようなものであれば,そもそもの合成等でも相当苦労すると思うので,そんなに影響があるといのも考えにくいというか.
電解セルの中にアルミナを叩き込んだ状態で一度測ってみてもいいかもしれません.
酸素還元波が見えるというのは,ふつうにアルゴン流してればありえません.
それが出るということは,よほどシールの甘い測定系と言うことになるので,これはちゃんとする必要があるでしょう.
電極は,白金でいいかどうかは相手次第としか言えないので,グラッシーカーボンとかを検討するのもよいでしょう.
一般論としては,有機物にはGCはよい結果を与える可能性はそれなりにあります.
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