首都圏M7級地震、京大は「5年以内に28%」
首都圏直下型地震について、京都大防災研究所の研究者が1月時点で、マグニチュード(M)7以上の地震が起きる確率を計算したところ5年以内に30%弱となった。東京大の研究者が昨秋までのデータで試算した4年以内に70%より低いが、注意は必要だという。
京大防災研の遠田晋次准教授は、昨年3月11日~今年1月21日までに首都圏で起きたM3以上の地震を気象庁の観測データから抽出。余震活動の減り方の計算式や、規模が大きい地震ほど発生頻度が低いという法則を組み合わせて、統計的に求めた。
その結果、M7以上の地震が起きる確率は、5年以内に28%、30年以内で64%となった。大震災が起きず、今も地震活動は震災前の水準が続いていると仮定した場合の発生確率は30年以内で44%と試算された。
(http://www.asahi.com/national/update/0201/TKY201 …より引用)
質問
(1)京都大防災研究所は5年以内に30%弱、東京大は4年以内に70%。
これはかなりの違いがあるといえますか?
(2)京都大防災研究所は「昨年3月11日~今年1月21日までに首都圏で起きたM3以上の地震を気象庁の観測データから抽出。余震活動の減り方の計算式や、規模が大きい地震ほど発生頻度が低いという法則を組み合わせて、統計的に求めた。」とありますが、東京大はどのような計算で70%と計算したのでしょうか?
(3)余震活動の減り方の計算式や、規模が大きい地震ほど発生頻度が低いという法則を組み合わせて
という計算のやり方をどう思われますか。
素人考えかもしれませんが、余震活動の減り方とか、規模が大きい地震ほど発生頻度が低いという法則から計算していて、地震の直接の原因を考察していないので地震のメカニズムはほとんどわかっていないのかな、と思いました。
(間違っていれば指摘をお願いします。)
No.1
- 回答日時:
〉地震のメカニズムはほとんどわかっていないのかな、と思いました。
その通り
過去の大地震も誰一人科学的に予測した人はいません(できた人はいません)
わかっているのは、日本列島は、周辺の海底も含めて多くの活断層が刻み込まれており、
現在、日本全国で約2,000あると言うことです。.
いつ起こってもおかしくない状況にあるということ
明日おこるかもしれません、だれにも予測はできません。
回答ありがとうございます。
地下のことなのでわかりにくいとは思うのですが、
活断層の調査などから、地震予測が行えるようになってほしいですね。
できない、できないと言っていたらいつまでたってもできないと思います。
「できる」と信じてやらなければ。
No.2
- 回答日時:
「地震の直接の原因を考察していないので地震のメカニズムはほとんどわかっていないのかな、と思いました」
⇒ 地震の原因を考察しています。地震のメカニズムも考察しています。色々の説があるだけでなく、有力な説もあります。しかし、実験で確認出来るようなものではないので、考察した説を確認するのは難しく、(実際に起きた地震などの現象と説との整合性)で推定するしかありません。また、(実際に起きた地震などの現象)は、実験と異なり、条件を整備したものではないので、(説との整合性?)を確認するのは難しいです。
例えば、地下の岩盤の強度や疲労度はわかっていません。(航空機や機械などの金属部分は、加わっている力の経過でもろく壊れやすくなります。実態がわからない状態では、地震や断層のメカニズムが明確になったとしても、いつ、どこが、どのように壊れるか、はわかりません)
地震断層の理論を明確に決めても、現状や経歴の詳細が不明では、地震の予測はできません。
「余震活動の減り方の計算式や、規模が大きい地震ほど発生頻度が低いという法則を組み合わせてという計算のやり方をどう思われますか」
⇒ 過去の実績を調べてそこに規則性を発見し理論にするのは科学の基本です。物理学、化学、生物学、医学、経済学などでも、それが基本です。完璧な規則性が見えなくても、多くの実績で類似のパターンがあり、モデルを作って計算した場合に、統計的に有意な計算結果であることがわかれば、それを理論とします。余震活動の減り方にも法則性が見え、規模が大きい地震ほど発生頻度が低いことも事実ですから、もっともな方法と思います。
「東京大はどのような計算で70%と計算したのでしょうか?」
⇒ そのような計算を東京大学は公式見解として出していません。
http://outreach.eri.u-tokyo.ac.jp/eqvolc/201103_ …
平成23年9月16日 地震研究所 2号館5階第一会議室で【13:30-13:45の15分間】に「首都圏地域における地震活動度の変化」を(酒井慎一・石辺岳男・楠城一嘉・中川茂樹・平田直)が発表したものについて、『その際にも報道には取り上げられました.それ以降,新しい現象が起きたり,新しい計算を行ったわけではありません.
上記の発表以外に専門家のレビューを受けていません.また,示された数字は非常に大きな誤差を含んでいることに留意してください.試算が示した東北地方太平洋沖地震の誘発地震活動と,首都直下地震を含む定常的な地震活動との関連性はよくわかっていません.当初から明言している通り,このサイトは個々の研究者の研究成果・解析結果を掲載したものです.このサイトに掲載されたからといって,地震研究所の見解となるわけではまったくありません.』と、公式に説明しています。
「5年以内に30%弱、4年以内に70%。これはかなりの違いがあるといえますか?」
⇒ (違いがある/大差ない)の判断基準の問題です。地震などの可能性の推定値ならば、私は大差ない、大同小異の計算だろうと思います。 もちろん、それぞれの推定や計算には何かの判断が入り、その妥当性を考慮しないといけませんが、安全関連なら10倍程度の確率の違いは、ちょっとした差だと私は思います。 数倍程度なら全く問題外の小さな違い、ほとんど似た推定だと思います。
1996年~2005年の気象庁の震源データをもとに算出した日本付近の地震回数
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq7.ht …
マグニチュード 回数(1年間平均) 【直下型でないものを含む日本付近全域】
M8.0以上 ⇒0.1(10年に1回)
M7.0 - 7.9 ⇒2
M6.0 - 6.9 ⇒17
M5.0 - 5.9 ⇒123
M4.0 - 4.9 ⇒895
M3.0 - 3.9 ⇒4,073
日本付近全域でなくて、南関東に限定して、直下型でM7以上の大型地震になると、かなり少ないでしょう。
前回、前々回の(南関東直下型M7以上)の地震発生間隔から考えるのなら、5年以内での発生確率の想定が10%以上ならば、30%でも、80%でも大差ない想定であると思っても良いのではないでしょうか。
参考にならないでしょうが、(数個のサイコロを振ってすべてが同じ目になる)確率は、同時に振るサイコロの数が多くなるほど減っていきます。
一日に24回を365日やった場合、5年間で、43800回サイコロを振ったことになります。同時に振ったサイコロが6個の場合、6個すべてが一の目になるのが1回以上起きる確率は60%です。サイコロが7個の場合、7個すべてが一の目になるのが1回以上起きる確率は14%です。ちょっとした前提条件の違いで、発生確率に大きな差を生じているように計算されます。安全関係では、係数をどの程度にするかは合理的で誰もが納得する理屈はつけられません。少し条件を安全目に考えれば、数倍の差はすぐに発生します。地震を起こすモトになる現状の岩盤の状況がわからない中でこの先5年間での大きな地震の発生を無理矢理推定し数値化しようとするなら、その推定結果がこの程度の差ならば、実際的には同じようなものだと考えても良いのではないでしょうか。 確率の推定が10%、1%、0.1%のように、1桁、2桁と違う場合に、多少の差があるらしいと判断するので良いのではないでしょうか。
回答ありがとうございます。
>地震の原因を考察しています。
私が思う地震の直接の原因とは「首都圏には○○という断層があり、これが現在このような状態になっていて、今後このように動くと推察される」といういようなことです。
>しかし、実験で確認出来るようなものではないので、考察した説を確認するのは難しく、
考察した説を確認するのが難しいですが、シュミレーションのようなことはできるのではないでしょうか。
>実際に起きた地震などの現象と説との整合性)で推定するしかありません。
現実的にはそうだと思いますが、これは地震の直接の原因ではないという考えです。
>地下の岩盤の強度や疲労度はわかっていません。
そうなんですね。ですから、こういうことが分かっていない状況を、直接の原因を考察していないと感じるわけです。
>余震活動の減り方にも法則性が見え、規模が大きい地震ほど発生頻度が低いことも事実ですから、もっともな方法と思います。
なるほど、そうなんですね。
それでは具体的な余震活動の減り方の法則性とはどういうものでしょうか。
そのあたりが具体的に報道されていないので、ほんとうかな、と思ってしまいます。
>そのような計算を東京大学は公式見解として出していません。
東京大学は凡人に説明してもわからないと思っているんでしょうか(笑)
ま、たしかに報道はどのように計算したのか、ということまではつっこんで報道していないですね。
しかし、私なんかは素直でないもので、説明もなく70%と言われても、全く信用できないですが。
> もちろん、それぞれの推定や計算には何かの判断が入り、その妥当性を考慮しないといけませんが、
そのとおりですね。
東大にはその計算式をぜひ説明していただきたいと思います。
そうでないと、判断もなにもありませんね。
個人的には30%も70%も、首都圏で大地震がおこると甚大な被害が出るので、備えておく必要がある
という以上の意味を見いだせないんですね。
統計をありがとうございます。
参考になりました。
>ちょっとした前提条件の違いで、発生確率に大きな差を生じているように計算されます。
全くその通りだと思います。
地震予知というのは地下のことでもあり、たいへん難しいことではあると思います。
しかしながら先進国で地震の多い国といえばやはり日本ですから、日本は地震予知の研究においてリードするべきだと考えます。
丁寧な回答をありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
計算方法そのものは公開されています。
「余震の確率評価手法について」
http://www.jishin.go.jp/main/yoshin2/index.htm
ただし、これはあくまで「本震-余震タイプの地震」に対して「最大余震発生確率」を求める「経験式」に過ぎません。
本震余震タイプの地震に対しては、それなりの実績がある経験式です。経験上確かなものであれば、それは何らかの自然の法則を示していると考えてよいですが、本来この経験式は、上記サイトにもあるように「本震-余震型の活動であること等を評価した上で、その適用範囲内において用いるべきである。」ものです。
今回報道された計算による発生確率は、適用の前提をあえて無視して計算してみました、というものです。
正直、そもそも経験式に過ぎないものを適用範囲を超えて適用したところで、意味はほとんどないとしか思えません。その証拠にこの式を適用すると、余震活動は次第に低調になってきているので、M7前後の“余震”地震の発生確率は下がっていきます。後から計算した遠田さんの確率が下がっているのは、計算時間が余震活動が低下してきた時期まで計算しているからです。
内輪の地震研内での研究発表会で9月に発表されたことに、数字が出たのでなぜか4ヶ月後に読売が飛びついた、対抗して朝日が計算し直したものを後追いした、という以上の物ではないと思います。
回答ありがとうございます。
計算方法は公開されていたんですね!
ちょっと読んでみましたが、なかなか難しいですね。
何度も読んで理解に努めようと思います。
なるほど、「本震-余震タイプの地震」に対して「最大余震発生確率」を求める「経験式」なのですね。
>経験上確かなものであれば、それは何らかの自然の法則を示していると考えてよいですが、
>今回報道された計算による発生確率は、適用の前提をあえて無視して計算してみました、というものです。
>内輪の地震研内での研究発表会で9月に発表されたことに、数字が出たのでなぜか4ヶ月後に読売が飛びついた、対抗して朝日が計算し直したものを後追いした、という以上の物ではないと思います。
やはりそうですか。
素人考えかもしれませんが、地震というのは原因が複雑で、法則化というのは難しいんじゃないかと思ったりします。
No.4
- 回答日時:
すみません。
個別の質問に解答していませんでしたね。まず(2)ですが、震研酒井さん、防災研遠田さんとも基本的に同じ「余震の確率評価手法」を使っています。
(1)については、確率計算に使った期間が違います。震研の結果は昨年9月に発表されたもので、地震後半年後までを対象にしています。防災研は今年1月までを使っています。そもそもが余震の確率計算ですから、次第に低下していく余震活動をもとに確率計算するので、特定の規模の余震発生確率も低下していきます。いつかは起きるはずの首都直下地震なのに、時間が経過すると発生確率が下がっていくと言うおかしな事態になります。
東北地方太平洋沖地震により地下の応力状態が変わり、他の地域の固有地震が起きやすくなる・起きにくくなるのは事実ですが、その確率を計算するのに、余震確率の経験式を使う意味があるのか、と言う話です。
(3)については、余震発生の経験則に基づいた確率予想であって、それ以上でも以下でもないものです。地震発生のメカニズムは大まかなところはわかっていても、地下の応力状態などを直接知ることができません。しかし余震の発生について一定の評価をしておきたいと、使えるものは何でも使うでやっているわけです。
今回の計算の問題は、そんな「余震の確率評価手法」の適用条件を超えたところで使っているところです。出てきた数字にはほとんど意味はない、と私は思います。関東地方で数百年に数回程度発生するM7前後の地震があり、それが100年近く発生していないので、切迫しているのは確かなんですけどね。
この回答への補足
すいません、貼っていただいたサイトざっと目を通したんですが
http://www.jishin.go.jp/main/yoshin2/index.htm
これは余震の確率を求める手法ですね。
ここにはM7以上の地震の発生確率を求めたということは書いてないようですが。
>今回報道された計算による発生確率は、適用の前提をあえて無視して計算してみました、というものです。
↑もうしわけありません、これについてのソースはありませんでしょうか。
わあ、何度もありがとうございます。
>いつかは起きるはずの首都直下地震なのに、時間が経過すると発生確率が下がっていくと言うおかしな事態になります。
いつかは起きるはすの・・・
というのは、
>関東地方で数百年に数回程度発生するM7前後の地震があり、それが100年近く発生していないので、切迫しているのは確かなんですけどね。
というわけですね。
日本は地震大国ですので、もっと地震予知の研究がすすむことを期待します。
そのためには、このたびの報道にあったような確立の計算などではなく、もっと地下で何がおこっているかについての研究が必要ではないかな、と思いました。
親切、丁寧な回答に心より感謝いたします。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
ソースですが、地震研究所が今回の報道を受けての解説ページに載っていますよ。
>「地震調査委員会の『余震の確率評価手法』を東北地震による首都圏の誘発地震活動に適用し、今後誘発されて起こりうるM7の発生確率を計算した」
>この手法の適用範囲は「狭義の余震」(本震の震源域およびその近傍で起こる余震)と明記されていますが,酒井准教授らは東北地震による首都圏の誘発地震活動も広い意味では余震であるので,この手法が適用可能であると考えて,M7の誘発地震が将来起こる確率を,2011年9月に計算しました.
問題なのは、「適用可能であると考えて」よいか全く検証されていない点です。
引用の順序は逆になりますが、
>試算の対象である東北地震の誘発地震活動と,いわゆる首都直下地震を含む定常的な地震活動との関連性はよくわかっていないので,後半の平田教授のコメントのように両者を単純に比較することは適切でない.
と、書かれちゃってます。
試しにやってみましたというならまだわかるんですけどね。
参考URL:http://outreach.eri.u-tokyo.ac.jp/eqvolc/201103_ …
なんども手間をかけてしまってすいません。
貼っていただいたサイト、大変参考になりました。
>問題なのは、「適用可能であると考えて」よいか全く検証されていない点です。
おっしゃるとおりですね。
また素人考えかもしれませんが、東北地震の誘発地震活動のデータそのものも、2次的なもので、天気予報の降水確率などとは全く信憑性がないように思えます。
降水確率は雨をもたらす雲を直接観察することによって計算されているのだと思いますが
地震の確率は、プレートや断層の動きを観察した結果でなく、その結果もたらされた揺れの統計なので~
先日、地震の確率が50%に引き下げられて、ますます批判が増えているようですね。
ほんとうに何度もありがとうございました。
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