No.1
- 回答日時:
以前、NHK教育放送の『タイムスクープハンター』という番組で瓦版売りとその社会を映像化しておりましたが、興味深い内容で好印象でした
参考URL:http://www.nhk.or.jp/timescoop/archive.html CODE : 135632『瓦版ジャーナリスト魂(江戸時代)』
なお小生はこのシリーズの監修担当者の知己だったりしますので、下手なことすると営業になるので自重します
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(付言)
NHKの歴史番組は、近年は(偉人の個人史などの)極めて史実無視の傾向が強く、深い懸念を抱いていたが、
上記した番組は、「社会史」の視座を重視している意味では、極めて歴史的教養・歴史学習・指導に有用であろう、と愚考します
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
小生、予備校講師でありまして、世界史を担当しております。
民俗学的領域の瓦版ですが、日本の事例は仔細知りませんが、諸外国の事例では、様々な事例があります
概して、
新聞の前身が瓦版のようなミニコミ誌(世界共通っぽい)なのですが、実態としては副業を商うもののようです
というのは、瓦版の情報源の関係上、様々な人間関係・業界出入りの必要性があり、必然的に内偵に近い行動も行うようで、いわゆる地域の警察的権力の密偵や地下組織の情報員(連絡員)などを兼ねるようです。
なお、印刷技術の都合で、例えば、瓦版ではない印刷物の印刷などは普通に副業としているもので、チラシのような印刷物の印刷・配布などを請負うこともよく見られます。
印刷技術との関係で様々な副業があるようですが、・・・・・・・・・・・・・
予想にすぎませんが
江戸時代の瓦版業者は、おそらく専業だったと思われます。
というのは、競争の激しい町人の自由稼業でも、いわゆる奉公人がドロップアウトして最初に手を付ける稼業に属する部類らしいので、市場原理であった様相が文献から伺えます。
特定の権力者(大型卸売商人・大資本商人)のお抱えの瓦版売り(広告目当て)も見られているので、ある程度の規模の瓦版売りだけが残ったと推測されます。
したがって、ほぼ専業化していたようには思われますが、生活は慎ましいものだと思われます
出版頻度について資料に仔細はないのですが、個人差あるように思います。
娯楽性に乏しい古い時代において数少ない娯楽であったでしょうから、それなりの頻度ではあったでしょうが、
なにせ、江戸町人の生活状況からして、毎日という頻度はなかったでしょうし、そこまで話題があるとは思えません。
おそらく広告主・パトロンとの関係で売り出しが行われたと推測されるので、週に1回程度ではないでしょうか?
根拠の乏しい回答ですまそ
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
こんにちは。
私は、自称「歴史作家」です。
(序)
「瓦版」または「読売」という言葉は、安政の大地震(安政2年(1855)10月2日午後10時ごろ、関東地方南部で発生したM6.9の地震)以後から使われたと言われています。
では、その以前は・・・と言うと、「瓦版」という言葉は使われていなかったが、それなりに紙に木版刷りの情報が流布していたようです。
そして、江戸時代には、時事的(政治的)な報道は禁止されていましたので、内容はもっぱら「火事」とか「心中」、「敵討」(かたきうち)などの無難なものがおおかったのです。
とは言っても、時事的なものが禁止されると、それを知りたいと思うのも人間のサガ。時として、武士のご乱行なども出回ったりしました。
従って、瓦版は作者不明で出版されました。
>>実際の売行きはどのようなものだったのでしょうか?
瓦版は、現代でいうと「号外」のようなものでしたので、前日や数日前に起こった「心中」などをいち早く伝える役目を持っていました。およそ200~300枚位を刷って、売り子が5~6箇所に分かれて、独特な節回しで記事の一部を読み聞かせて買わせていました。一番多く売れた場所は、やはり「日本橋」界隈だったと言われています。売り子の読み聞かせにより完売する場合と売れ残る場合とがありました。
>>出版の頻度はどのくらいだったのでしょうか?
出版の頻度は、事件が起きた時に「随時」発行されました。従って、「定期的」に発行されていたわけではありません。
>>又、瓦版出版だけで生業として成り立つことができたのでしょうか?
当然、瓦版の発行だけでは食べてはいけなかったので、例えば「食通番付」だとかの各種番付表などを印刷していましたし「錦絵」などの印刷もしていました。
また、報道規制が厳しい時代でしたので、「人の噂」が結構重要な情報源でした。各大名家の留守居役は殿様に市井の出来事を報告する役目もありましたので、情報が集まってくるところ(瓦版屋など)があれば、銭を払ってでも情報収集をしました。
これは瓦版とは違いますが、外神田の御成道(おなりみち)で古本屋を営んでいた藤岡屋由蔵は、そうした情報の「売り手」だったらしく、日がな一日、素麺箱の机に向かい、聞き込んだ世情を帳面に記し、「種」一つにつき96文で売っていた、と言われています。藤岡屋が残した「藤岡屋日記」には、天保の改革から幕末にいたるまでの各種の情報が細かく記されており、現在では貴重な「史料」となっています。
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