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 賃料の増減請求の裁判(調停不調後)では、鑑定が行われ、それが採用されることが多いように聞きましたが、そもそも原告被告が双方とも不動産鑑定士の意見書を証拠として提出している場合にも、鑑定が行われているように聞いています。
 (1)そもそも鑑定は、当事者が申し出て行われるものと思いますが(間違っていたらごめんなさい)、意見書を出しているのに鑑定を当事者がわざわざ申し出る理由はどこにあるのでしょうか。もしかして、裁判所が実際上は当事者に鑑定を求めてくるからののでしょうか。
 (2) (1)と関連しますが当事者がもし鑑定を希望しない場合、裁判所はそれでも判決をしてくれるのでしょか。
 (3) もし鑑定をする場合に費用がかかると思いますが、いくらくらいというのは事前に教えてもらえるのでしょか。
 (4) 鑑定費用は、誰が負担するのでしょうか。
ご存知の方 ご教授ください。

A 回答 (3件)

 賃料増減額請求では,確かに,双方当事者が私的鑑定書を提出しているのに,裁判所が,鑑定を採用することが,割合的には多くあります。


 それは,当事者が提出した私的鑑定書には,依頼者のバイアスがかかっている可能性がある(だからこそ,双方の提出した鑑定結果に違いが生じている。)ため,裁判所の選任した鑑定人により,当事者からのバイアスのない状態での鑑定を行うためです。

 ただし,当然のことながら,民事訴訟では,裁判所が職権で鑑定を採用することはできませんので,当事者のいずれか(基本的に原告)に,鑑定の申し出を促すという方法を取っています。

 ですから,当事者の双方とも鑑定の申し出はしないといえば,裁判所は,当事者の提出した資料を基に判決を書くことになります。その場合には,裁判所は,原告の提出した鑑定書に乗るか,被告の提出した鑑定書に乗るか,はたまた,裁判所で双方の鑑定書をミックスしたりしつつ,裁判所の独自の賃料の算定をすることになります。その結果がどうなるかは,誰にも見えません。

 もちろん,裁判所が鑑定を採用した場合には,判決の結果は,裁判所の採用した鑑定結果に従うことが多いと思われますが,それでも,裁判所は,自らの採用した鑑定の結果に乗らないことも,理屈上はあり得ることです。それは,裁判の性質からして,やむを得ません。

 鑑定費用は,見込額(実際額と同額かやや多め)を,申し出をした当事者が裁判所に予納します。鑑定費用の見込額は,その予納金の額として当事者に知らされます。ただし,この段階では,鑑定費用として確定しているわけではありません。鑑定が終了し,鑑定人が鑑定費用を裁判所に請求し,その請求を裁判所が正当と認めて鑑定費用を支払った段階で,鑑定費用が確定します。

 鑑定費用は,予納金という意味では,申立をした当事者が負担しますが,これは訴訟費用の一部になりますので,最終的には,判決の訴訟費用の負担によって負担者が決定されることになります。最初から折半に決まっているわけではありません。


 
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この回答へのお礼

わかりやすい説明ありがとうございました。よくわかりました

お礼日時:2012/08/20 23:16

>意見書を出しているのに鑑定を当事者がわざわざ申し出る理由はどこにあるのでしょうか



立証するためでしょう。


>裁判所が実際上は当事者に鑑定を求めてくるからの(な?)のでしょうか

立証責任は原告・被告それぞれにあり、裁判所が立証する事は無い。


>当事者がもし鑑定を希望しない場合、裁判所はそれでも判決をしてくれるのでしょか

判決は出ますが、立証しなければ負ける可能性が高く成ります。


>鑑定をする場合に費用がかかると思いますが、いくらくらいというのは事前に教えてもらえるのでしょか

教えて頂けると思いますが、詳しくは直接聞いた方が良いでしょう。


>鑑定費用は、誰が負担するのでしょうか

全面勝訴なら相手が。部分的勝訴ならその分を。敗訴なら全額負担。
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この回答へのお礼

早速の回答ありがとうございました。

お礼日時:2012/08/20 23:17

本来、当事者双方の主張が一致しておれば、調停や民事裁判は必要ないわけでしょう。


食い違いがあるから鑑定などをして客観的な査定を求めるわけです。

調停不調となり、裁判となった場合、裁判官が判決で決めることになりますが、裁判官といっても査定や鑑定の専門家ではありません。そこで両者が一致しないならば、その道の専門家の意見を求めるわけです。

裁判所には普通、掛かりつけの専門家が何人かいて、それに委嘱することが多いです。
費用の概算は教えてくれます。費用は当事者折半です。

この回答への補足

回答ありがとうございます。参考になりました。

補足日時:2012/08/20 23:18
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