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abc-triple
:正の整数 a,b,c について、a + b = c かつ a, b は互いに素である三つ組み (a, b, c)

rad(n)
:正の整数 n の、素因数の積。
Ex. rad(504) = rad(2^3 * 3^2 * 7) = 2 * 3 * 7 = 42
504の素因数は、2と3と7だからrad(504) = 2*3*7 =42

abc予想
:任意の abc-triple は、c < {rad(abc)}^2 を満たす。

2012年8月、京都大学教授の望月新一は abc 予想を証明したとする論文を発表した。望月は証明に用いた理論を宇宙際タイヒミュラー理論と呼んでおり、他にもスピロ予想とヴォイタ予想の証明などを含む応用があるという。

以上のことをより詳しく説明していただけないでしょうか。いま、世間の話題です。一般の方も興味あると思います。どうかお願いいたします。

A 回答 (3件)

すみません。

前の回答に不等号のミスあったので投稿し直します。

ほとんどのabc-tripleでは c < rad(abc) となります。
例えば (a, b, c) = (4, 5, 9) の場合、
rad(4 * 5 * 9) = rad(2^2 * 5 * 3^2) = 2 * 5 * 3 = 30, 9 < 30
そして
c > rad(abc) となるabc-tripleも無限にあることが分かっています。

しかし、正の数ε>0 として
c > rad(abc)^(1+ε) ←(ここ)
としてやるとこれを満たす abc-triple は限られてきます。
知られている中でεが最も大きくても成り立つabc-tripleは (a, b, c) = (2, 3^10*109, 23^5)で
rad(2 * 3^10 * 109 * 23^5) = 2 * 3 * 109 * 23 = 15,042, 23^5 = 6,436,343 > 15,042
で、この時の 1+ε が取り得る最大値は 1.6299... となります。(εは 0.62999...)
当然ですが正数εが小さい程条件が緩くなるので、関係式を満たす組 (a,b,c) は多くなります。
しかしεをどんなに小さくしても、組 (a,b,c) の数は無限には無いのではないか?
すなわち、
--------
任意の正数 ε > 0 に対して、
c > d (1+ε)
となるような abc-triple (a,b,c) は有限個しか存在しない
--------
という予想が立てられました。これが「abc予想」です。
望月新一教授は自ら構築した宇宙際タイヒミュラー理論を駆使してこの予想に挑んでおり、
使用された論理の新しさと独創性のために論文の査読には時間がかかると見られています。
この予想が証明されれば、これまで証明された定理をより簡潔に証明し、未解決のいくつかの問題に決着をつけることができます。宇宙際タイヒミュラー理論自体もその確かさが認められれば他の整数論の問題を解く強力な道具となると期待されています。

一方、 εを大きくした場合にも予想が立てられ、ε= 1 の場合として、
--------
c > d^2
となるような abc-triple (a,b,c) は存在しない

(任意の abc-triple は、c < {rad(abc)}^2 を満たす)
--------
というものです。こちらも「abc予想」と呼ばれています。
どちらも「abc予想」なのですが、より専門分野では前者を指し、一般的には後者が有名です。
これが証明されれば、報道の通り、フェルマーの最終定理を「一気に証明する」のですが、
http://www.math.tohoku.ac.jp/~ytakao/papers/abc. …
http://science.slashdot.jp/comments.pl?sid=57944 …

望月論文がこちらの予想まで証明しているのかは、即座にわかりかねるところです。
証明できているのかもわかりませんが、少なくとも素人目に解りやすく c < {rad(abc)}^2 のようには論文には書かれていません。フェルマーの最終定理の報道は、2つの「ABC予想」を混同した可能性もあります。ここはわたしも気になっているところで、望月教授がご質問に挙げられた予想(後段の予想)も証明したのか知りたく思っています。(↓で質問中)
http://okwave.jp/qa/q7707616.html
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
望月氏ご本人の発言がない中、周辺の人たちが騒いでいるだけで、実際はなにがどう証明されたのか具体的に分かるのに、年単位の時間が必要ですね。
日本の数学熱を熱くしたいのと同時に、静かに見届けたい気持ちもあります。
日本のマンガ界の巨匠の方々と、日本の数論界の巨匠の方々がだぶってみえます。
巨匠に刺激を受けて、数論を目指す人がもっと育つといいですね。

お礼日時:2012/09/21 03:00

ほとんどのabc-tripleでは c < rad(abc) となります。


例えば (a, b, c) = (4, 5, 9) の場合、
rad(4 * 5 * 9) = rad(2^2 * 5 * 3^2) = 2 * 5 * 3 = 30, 9 < 30
そして
c > rad(abc) となるabc-tripleも無限にあることが分かっています。

しかし、正の数ε>0 として
c < rad(abc)^(1+ε)
としてやるとこれを満たす abc-triple は限られてきます。
知られている中でεが最も大きくても成り立つabc-tripleは (a, b, c) = (2, 3^10*109, 23^5)で
rad(2 * 3^10 * 109 * 23^5) = 2 * 3 * 109 * 23 = 15,042, 23^5 = 6,436,343 > 15,042
で、この時の 1+ε が取り得る最大値は 1.6299... となります。(εは 0.62999...)
当然ですが正数εが小さい程条件が緩くなるので、関係式を満たす組 (a,b,c) は多くなります。
しかしεをどんなに小さくしても、組 (a,b,c) の数は無限には無いのではないか?
すなわち、
--------
任意の正数 ε > 0 に対して、
c > d (1+ε)
となるような abc-triple (a,b,c) は有限個しか存在しない
--------
という予想が立てられました。これが「ABC予想」です。
望月新一教授は自ら構築した宇宙際タイヒミュラー理論を駆使してこの予想に挑んでおり、
使用された論理の新しさと独創性のために論文の査読には時間がかかると見られています。
この予想が証明されれば、これまで証明された定理をより簡潔に証明し、未解決のいくつかの問題に決着をつけることができます。宇宙際タイヒミュラー理論自体もその確かさが認められれば他の整数論の問題を解く強力な道具となると期待されています。

一方、 εを大きくした場合にも予想が立てられ、ε= 1 の場合として、
--------
c > d^2
となるような abc-triple (a,b,c) は存在しない

(任意の abc-triple は、c < {rad(abc)}^2 を満たす)
--------
というものです。こちらも「ABC予想」と呼ばれています。
どちらも「ABC予想」なのですが、より専門分野では前者を指し、一般的には後者が有名です。
これが証明されれば、報道の通り、フェルマーの最終定理を「一気に証明する」のですが、
http://www.math.tohoku.ac.jp/~ytakao/papers/abc. …
http://science.slashdot.jp/comments.pl?sid=57944 …

望月論文がこちらの予想まで証明しているのかは、即座にわかりかねるところです。
証明できているのかもわかりませんが、少なくとも素人目に解りやすく c < {rad(abc)}^2 のようには論文には書かれていません。フェルマーの最終定理の報道は、2つの「ABC予想」を混同した可能性もあります。ここはわたしも気になっているところで、望月教授がご質問に挙げられた予想(後段の予想)も証明したのか知りたく思っています。(↓で質問中)
http://okwave.jp/qa/q7707616.html
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>以上のことをより詳しく説明していただけないでしょうか。


望月教授は読売新聞の取材に対し、「数学の専門的な話であり、数学界の中で、一部の専門家の間で処理されるべきものと考えております」と電子メールで回答したらしいから、難しいんじゃないか?

http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~motizuki/sokkur …

とか

http://michaelnielsen.org/polymath1/index.php?ti …

を参照。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
まだ査読が終わっていませんが、日本人の数学者が偉業をなし解けたであろうことに勇気付けられました。
数学好きであればあるほど、数学の女王である数論を専攻する傾向にありますが、より優秀なライバルとの競争にもまれ、成果を挙げにくい分野ということもあって、廃人同然になっている自分ですが、望月先生の偉業を想像するだけで、興奮しております。
仕事は数学を離れても、数学を一生やり続けることを人生観としておきながら、日々の雑用に終われ最近まったく勉強していない自分の堕落を恥じております。

通常、整数の加法と素因数は何も関係がないように思えますが、abc予想はそれらに不思議な関係があるということで驚くべきものです。応用もあるであろうと思われます。
数学の研究の方向性として、さまざまな分野の関連性、類似性、統一性、別解釈などがありますが、abc予想と他の分野のつながりに興味があります。
数学を知るにつれて、そこには何かの真理や信念といった哲学を感じ取れることがあり、そういったものを知っていきたいと思っております。

お礼日時:2012/09/21 02:00

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