
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
水晶、サファイアなどは、共有結合性の強い結晶です。
物質は、最外殻電子軌道がすべて埋まった状態が安定になります。この軌道を埋めるように、互いの電子を共有しています。水晶は、ご存じのように透明ですし、工業的に使用しているサファイアも透明です。これに対して結晶内に不純物が入ると、電子数が本来の安定な数からずれてしまいます。この電子は不安定なため、外部からエネルギーが加わると励起状態に移行します。励起状態に成るには、でたらめなエネルギ量ではなく、それぞれに特有なエネルギー量が加わる必要があります。自然光には色々な波長が含まれていて、波長はエネルギに相当します。従って、これらの結晶に光を当てると、不純物の電子が励起するに必要な特定の波長だけが結晶内で吸収され、その他の光は透過して出てくるために色が付いて見えます。また、光が透過するため、半透明と云う認識になります。これらの着色に関係する不純物による欠陥を、カラーセンタ(着色中心)と呼びます。カラーセンタは不純物として同じでも、電子の価数によって励起状態が変化するため、水晶に鉄が入っても価数により黄色と緑の発色に分かれます。また、結晶の成長領域でも発色が異なる場合があります。中には、このカラーセンタを2種類持つ結晶も存在します。アレキサンドライトは、自然光と蛍光灯で色が違って見えます。
話として、共有結合結晶を例に取りましたが、他の物質の着色も殆ど電子の励起に必要なエネルギーレベルによる着色で説明できると思います。結晶での例外は、オパールの着色です。これは、細かい結晶の粒が集まったものです。これらの細かい結晶粒が回折格子を形成して、あのような発色になります。どちらかというとホログラムと同じ着色機構です。
纏まりのつかない文書で申し訳御座いませんが、ご参考になれば幸いです。
急な出張が入り、御礼が遅くなって申し訳ありませんでした。
非常に丁寧な解答をいただきまして、透明・半透明ということを越えて大変参考になりました。
ありがとうございます。
No.6
- 回答日時:
前の回答で「透明である」ことと「無色である」ことは別だ、とあるのですから、「透明なはず」の「空気や水」が青かったり赤かったりしても疑問じゃあありませんねえ。
光が透過せずに反射してしまうと、黒くなります。アルミをこすると、「銀色」のはずのアルミが真っ黒の粉になります。
光が透過するものが粉になると、真っ白になります。雪や砂糖など。(量が多いと別)
金属もつるっとしたところは光っていますが、表面がザラザラしていると鈍くなります。ガラスは、ザラザラすると、すりガラスのように、白くにごってきます。
ダイヤも、磨き上げると無色透明ですが、原石はすりガラス状でしょう。結晶内部は透明ですが。
透明でも透過する間にいろんな波長の光を吸収したら、色がつきます。
不透明にも、乱反射で不透明なのと、金属(炭も)のように光を通さずに不透明なのがあります。
No.5
- 回答日時:
えぇっと、透明なモノに関しては、もう十分な回答が揃っているので、不透明なモノも含めて答えます。
光が透過せずに反射してしまう事によって、不透明になります。
で、どの波長の光が反射するか、吸収されるかによって、色が決まります。
例えば、紫の光が吸収されればその補色である緑になります。
また、全ての光が吸収されれば黒になりますし、全ての光が反射されれば白になります。
反射でモノを見ても同じ事が言えます。
金箔は金色(黄色)をしていますが・・・光にかざして裏から見てみると、青く見えます。
これは黄色の光が反射、吸収してしまい、透過してくる光が青だからです。
グラファイトが黒い理由はダイヤモンドが透明な理由と同様、その分子構造にあります。
グラファイトは方向性を持った導電性の物質です。
この導電性がある・・・と言う事は自由に動ける電子があると言う事です。
つまり、この電子が全ての電磁波、つまり光に対するエネルギーを吸収してしまうのです。
金属のように反射が多い場合は黒にはならないんですけどね。
問題は分子構造内の電子です。
自由電子や有機物内の二重結合や不対電子対の連続などによる電子の移動、原子内のエネルギー順位による電子の移動などなど、電子の移動で見た目の色や透明性などが決まると言っても過言ではありません。
ちょっと考えると、シリコン単結晶であるシリコンウェハは透明ではないですが、ちゃんとした結晶構造のないガラスは透明です。
これはダイヤモンドとグラファイトの違いと似た所はあります。
そして、その物質がどれだけ反射して、どれだけ透過するかにより、見た目は変わります。
さて、ここまでの説明(みなさんの説明です)を理解すると、一つ疑問が浮かぶはずです。
水も空気も透明なのです。
でも、透明のはずの水も空気も、量が多いと青く見えたり(海や昼の空は青い)赤く見えたり(夕焼け)するのです。
これはフェルミ拡散が問題になるからです。
・・・って、本題から外れるので、この事はまたどこかで・・・って事で♪
No.4
- 回答日時:
ほかの方の回答で十分な気もしますから、ちょっと違う角度から。
まず、「透明である」ということと、「無色である」ということがべつべつの
ことだということを覚えておいてください。
そして、透明であるためには、次の2点が必要です。
それぞれの分子、結晶が透明であること。
なるべく一つの分子、結晶が大きいこと。
ひとつめは、可視光が通過するか、吸収されるかによります。
ふたつめは、たとえば、透明なガラス玉をたくさん瓶に詰めた状態を考えてください。
ガラス玉の数が増えるほど、不透明に見えますよね。光は空気からガラスにはいるとき、
ガラスから空気にでるときなどに大きく屈折するのです。だから、なるべく連続した構造
をとった方が、光が直進しやすいのです。
上等な宝石は曇りが少ないというのも、結晶としての連続性が優れているからなのです。
また、カラーセンターを含む宝石でも、アルミニウムがあるはずの場所にクロムなどが
存在して発色するのですが、これだけでは、有色にはなりますが、不透明にはなりません。
どこかで結晶の連続性が崩れたときに不透明になるのです。
ここで本題に戻ります。
ダイヤモンドは共有結合により巨大分子を形成し、きわめて連続性に優れています。
一方、炭はダイヤモンドのように連続した構造をとっていないのです。
もったいない話ですが、ダイヤモンドを砕いて、粉々にすればたぶん不透明に見えますよ。
No.2
- 回答日時:
>例えばダイヤモンドも炭も、分子構造としては炭素原子が繋がっているだけですよね。
その「分子構造(本当は結晶構造といいます)」の違いによるものなんです。
例えば、ダイアモンドは、1個の炭素原子の周りに4つの分子が正4面体の4隅に位置し、共有結合する形で、整然と並んでいます。
それに比べて、炭は、その配列がぐちゃぐちゃだと思ってください。
配列が整然としていると、ジャングルジムを横から見たときのようにそこを通る光の通り道ができやすいのです。それに対して配列がぐちゃぐちゃだとその光の通り道が限りなく小さくなるので、そこで光が乱反射されて、見えなくなるというわけです。
透明なものに色が付くのは、そこに不純物が入るからで、(ジャングルジムの間にボールが入ったと思ってください)、例えば純粋なコランダム(Al2O3の結晶)は無色透明ですが、そこに少量のCr2O3が混ざると赤色を呈して、ルビーにと呼ばれるものになり、少量のFe2O3もしくはTiO2が入ると青色を呈してサファイアと呼ばれるものになります。
水に絵の具を少し混ぜた時を想像していただけると良いと思います。
急な出張が入り、御礼が遅くなって申し訳ありませんでした。
ある意味で一番わかりやすい言葉で教えていただいた感じがします。
ありがとうございました。
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