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これから、裁判所による不動産の競売に参加していこうかと考えている者です。 その際の裁判所の不動産競売で、抵当権の扱い方が良く理解できていないので質問させていただきます。

複数の抵当権者による多額の抵当権が付いた物件がありますが、これが裁判所の競売で扱われる場合、落札された場合には「全ての抵当権が抹消される」と聞いたことがあります。これは本当でしょうか? 落札額が抵当権総額に未達の場合に残金額が登記簿上に残るようであれば、落札物件の価値は殆どなくなるでしょうし、殆ど捨て値でしか入札されないことでしょう。ですから「全抵当権が抹消される」方が合理性があるとは思うのですが、WEB上で明快に解説している記事を見つけられませんでした。

「抹消する」場合は第一以外の抵当権者にとっては泣きを我慢する以外に債権回収の方法はないのでしょうか。「残存する」場合は時とともに登記簿が汚くなって膨れ上がる一方になるので、不合理だとは思いますが、債権者にとって酷な気もしないではありません。

皆様のお知恵を頂ければ幸いです。

A 回答 (2件)

 担保権、用益権の負担の処遇につき、立法のあり方として、消除主義(負担のない不動産を買受人に取得させる建前)と引受主義(負担がついたまま買受人に不動産を取得させる建前)があります。

民事執行法では、抵当権といった担保権については、原則として消除主義を採用していますから、「落札された場合には「全ての抵当権が抹消される」と聞いたことがあります。これは本当でしょうか? 」というのは本当です。もっとも、利害関係人が合意して裁判所に届出をすれば買受人に引受させることもできますが、実務では皆無だと思います。
消除主義は、買受人は担保権等の負担のない不動産を取得するので、買受人は複雑な法律関係に巻き込まれないというメリットがあります。その一方、買受人は多額のお金を一括して払わなければならないというデメリットがあります。消除主義のメリットとデメリットを反対にすれば、引受主義のメリットとデメリットになります。

>「抹消する」場合は第一以外の抵当権者にとっては泣きを我慢する以外に債権回収の方法はないのでしょうか。

 債権が消滅するわけではないので、確定判決等の債務名義を得て、債務者の他の財産に強制執行することは法的に可能です。もちろん、債務者に財産がなければ強制執行しようがありませんから、そういう意味では泣き寝入りにならざるを得ないのは確かです。

民事執行法

(売却に伴う権利の消滅等)
第五十九条  不動産の上に存する先取特権、使用及び収益をしない旨の定めのある質権並びに抵当権は、売却により消滅する。
2  前項の規定により消滅する権利を有する者、差押債権者又は仮差押債権者に対抗することができない不動産に係る権利の取得は、売却によりその効力を失う。
3  不動産に係る差押え、仮差押えの執行及び第一項の規定により消滅する権利を有する者、差押債権者又は仮差押債権者に対抗することができない仮処分の執行は、売却によりその効力を失う。
4  不動産の上に存する留置権並びに使用及び収益をしない旨の定めのない質権で第二項の規定の適用がないものについては、買受人は、これらによつて担保される債権を弁済する責めに任ずる。
5  利害関係を有する者が次条第一項に規定する売却基準価額が定められる時までに第一項、第二項又は前項の規定と異なる合意をした旨の届出をしたときは、売却による不動産の上の権利の変動は、その合意に従う。
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この回答へのお礼

buttonholeさん、回答を有難うございました。
懇切な御回答で私にもよく理解できました。「全抵当権が抹消される」ことに確信が持てましたので、これで目的不動産の本来の価値に応じた指値ができるというものです。大金が関わるので、どうしても確信が必要だったのです。

有難うございました。

お礼日時:2012/11/15 14:25

買受人が代金納付すれば、抵当権は全て裁判所の職権で抹消します。


抹消するのですから、抵当権者に残余があっても買受人からみれば、支払う必要はないですが、
債権者と債務者と間では、依然として残ることになります。
それは債務者の他の財産から取り立てることができるので、気の毒ではないです。
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この回答へのお礼

tk-kubotaさん、回答を有難うございました。
おかげさまで確信がもてましたので、今度実際に応札にチャレンジするつもりです。

お礼日時:2012/11/15 14:35

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