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電子吸引基が付加した炭素が隣にある場合、1H-NMRのピークが低磁場シフトするのは何故なのでしょうか。
水素の電子密度が下がることによって低磁場でも解析が出来る、ということでいいのですか。

A 回答 (2件)

まあ、電子密度も要因の一つではあります。


電子密度が低下すれば、電子による磁場の遮蔽が弱くなり、その分だけ磁場の原子核に到達する割合が高くなるってことです。
結果的に低磁場で原子核の共鳴が起こります。

「低磁場でも解析が出来る」という言い方は少しおかしいと思います。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。

上手く表現出来なかったものでして…

お礼日時:2013/06/26 00:11

低磁場シフトする理由を端的に述べると、以下のようになります。



プロトンに電子吸引基の付加した炭素が隣接する→(誘起効果で)プロトンの電子が引っ張られて、プロトンの電子密度が小さくなる→プロトンが反遮蔽される→より低いエネルギーで核スピンがひっくり返る→共鳴周波数が高周波数側にズレる→低磁場シフトする

プロトンNMRは、各プロトンの核磁気共鳴に対応した周波数の大小でプロトンの電子的環境を調べるものです。
プロトンの共鳴周波数はNMR装置の超電導磁石が産み出す磁場の大きさにより異なりますが、例えば300MHzのNMRでは、300MHz辺りで1H(プロトン)が核磁気共鳴を起こします。プロトンの置かれた電子的環境の違いが共鳴周波数をわずかにズラすので、それを観測して試料化合物の構造解析に生かします。

プロトンの周りに電子が多い(電子密度が高い)と、NMR装置の磁石から与えられた磁場に対抗する方向の磁場がその電子から生まれ、プロトンの核が感じる磁場は弱くなります。これを遮蔽と言い、核スピンをひっくり返すのに必要なエネルギー(=核スピンが安定な状態に戻るときに放出されるエネルギーとも言える)が小さくなるので、より低い周波数の電磁波で核磁気共鳴が起こる、つまり高磁場側でピークが観測されることに繋がります。反遮蔽はその逆で、電子密度が小さいことにより、低磁場側にピークが観測されることです。

ピークの高磁場とか低磁場という用語は、NMR装置開発の経緯に起因する、昔の名残です。
高磁場側→1HNMRスペクトルの右側、低い周波数(単位はHz)側
低磁場側→1HNMRスペクトルの左側、高い周波数側
と読みかえればいいです。

という説明で合ってるはずです。多分。
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この回答へのお礼

詳しく回答頂きありがとうございました。
大変よく分かりました。

お礼日時:2013/06/26 00:11

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