No.1ベストアンサー
- 回答日時:
■解答例1
食塩は強電解質なので、水溶液中の電離度は1.00となる。
■解答例2
仮定1)蔗糖は電離しない。
仮定2)純水の凝固点は0.000℃である。
仮定3)凝固点降下度は溶質の種類には依らず、溶質の質量モル濃度の総和に比例する。
これらを仮定すると
0.037℃:0.37℃=(蔗糖水溶液の質量モル濃度):(食塩水に含まれる溶質の質量モル濃度の総和)
すなわち
食塩水に含まれる溶質の質量モル濃度の総和=0.37℃÷0.037℃×蔗糖水溶液の質量モル濃度
という関係が得られる。
蔗糖(C12H22O11)のモル質量は342g/molだから
蔗糖0.684gの物質量は0.684g÷342g/mol = 2.00mmol
溶媒の質量は100gだから
食塩水に含まれる溶質の質量モル濃度の総和は
0.37℃÷0.037℃×(2.00mmol/100g) = 20mmol/100g
となる。
一方、食塩(NaCl)のモル質量は58.5g/molだから
食塩0.632gの物質量は0.632g÷58.5g/mol=10.8mmol
水溶液中の食塩の電離度をαとすると
100gの水に食塩0.632gを溶かしたときの溶質の質量モル濃度の総和は
10.8×(1+α)mmol/100g
これが20mmol/100gに等しいなら
α= 20mmol÷10.8mmol - 1 = 1.85 - 1 = 0.85
となる。
凝固点降下度の有効数字が2桁だから、
溶質の物質量の総和20mmolの有効数字も2桁で、
1+αの有効数字も2桁になるから、
αの有効数字は1桁。せいぜい2桁。
なので「3桁で答えなさい」は何かの間違いでしょう。
この回答への補足
すいません
10.8×(1+α)mmol/100g
これが20mmol/100gに等しいなら
α= 20mmol÷10.8mmol - 1 = 1.85 - 1 = 0.85
の、1+αの部分なのですが、これはNaClからNa+とCl-が1molずつ電離していると解釈すればよいのでしょうか?
数式的になぜこの形になるのか、説明していただけるとありがたいです。
No.4
- 回答日時:
> 1+αの部分なのですが、これはNaClからNa+とCl-が1molずつ電離していると解釈すればよいのでしょうか?
いいえ。そういうことではないです。
電離度がαということは、1mmolのNaClがあったとき、そのうちのαmmolがNa+とCl-に電離している、ということです。残りの(1-α)mmolは、電離せずにNaCl分子の形で水中を漂っている、と考えます。
すると、水溶液中にはαmmolのNa+イオンとαmmolのCl-イオンと(1-α)mmolのNaCl分子があることになりますので、1mmolのNaClを水に溶かした時の水溶液に含まれる溶質の総物質量は
αmmol + αmmol + (1-α)mmol = (1+α)mmol
になります。
溶かしたNaClの物質量が1mmolでなく10.8mmolだったなら、上の式に10.8をかけたものが水溶液に含まれる溶質の総物質量になります。
--------------------
電離せずにNaCl分子の形で水中を漂っている、なんてのはありえないよね、と考えると、1-α=0 になりますから、「水溶液中の電離度は1.00」という答えを たいした計算なしで導くことができます。これが回答1の解答例1です。
電離せずにNaCl分子の形で水中を漂っている、なんてのもありかな、と考えると、しちめんどくさい計算をしたあとで、α=0.85という答えを導くことができます。これが回答1の解答例2です。
No.3
- 回答日時:
食塩の電離度を求めさせた後に、「求めた食塩の電離度が1にならない理由を述べよ」という問題が続いていれば、意味のある問題になるんですけどね。
問題なのは、
■そのような問題が続いているような設問は、ほとんど(あるいは全く)ないこと、
■出題者のうち確実に何割かの人は、電離していないNaCl分子があると本気で信じていること、
■「食塩は強電解質なので、水溶液中の電離度は1.00となる」という解答が不正解になる恐れがあること、
■強電解質といえども電離しているのは8~9割くらいである、という誤解を学習者に与えてしまうこと、
ですね。
「非電解質とは違って電離したイオンの間にはクーロン力が働くので、電離度を計算するのに使った『凝固点降下度は溶質の種類には依らず、溶質の質量モル濃度の総和に比例する』という仮定(あるいは近似)が妥当ではないから」ということに言及できればいいのですけど、そしてこれは高校生にも理解できるような簡単な説明だと私などは思うのですけど、そのような出題がないということは、何か大人の事情があるんでしょう。
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