大学受験を考えている者です。
日本史を勉強しているうちに、福沢諭吉や吉田松陰、伊藤博文、板垣退助
大久保利通、幸徳秋水、中江兆民、犬養毅、北一輝、徳富蘇峰などの偉人が出てきました。
幕末から終戦までの間、それが良い思想、悪い思想に関わらず
また身分の上下に関わらず、日本のことを真剣に考えて、自分ができる最善
を尽くそうと、命懸けで思想の発信をしていた彼らは本当にすごいと思います。
きっと暗殺も覚悟のうちで、活動していたんだと思います。
それに比べて、私は今年新成人となりましたが、日本の政治のことは
ほとんど知りません。
政治家が掲げている政策についても、よくわからないので批判やもっとこうしたらいいといった
発言もできません。
とても恥ずかしく、情けないことです。
もっと日本の政治について知りたい、こんな政策が必要だって考えられるようになりたいと
思ったのが、大学で政治学を学びたいと思ったきっかけです。
そこで
早稲田大学政治経済学部政治学科か慶應義塾大学法学部政治学科が候補に挙がりました。
両者とも東京にあり、入試難易度も大きく変わらないと思います。
どちらを本命とするか考えなければなりません。
両者の違いを教えてください。(教授陣の質など)
また受験勉強中からでも維新チャンネルなどYouTubeで観る以外に、政治について
学びを得られることはありますでしょうか?
No.8ベストアンサー
- 回答日時:
補足いただきありがとうございました。
大学ではそれこそ大学や専攻領域更には教員毎によって使用する教材(テキスト)や参考文献も異なります。高校までとは全く異なり、自身で専門領域に踏み行き、しかも大学の教育課程には高校までの様なガイドライン(文科省学習指導要領)はありもしません。それだけ、大学に自治権が認められてもいることを如実に物語ってもいます(教員数や教育に必要な設備環境、卒業に必要な単位数などの大枠は決められてもいますが)。
話は変わりますが、幕末維新から近代そして戦後に至る過程に関する基本的な部分でしたら、先に挙げた中公文庫版の近代編(巻数No.18~26)と少しボリュウムはありますが、この他に岩波新書の『シリーズ 日本近現代史(1)~(10)』があります。以下にタイトルと巻数No.を示しますから、興味のある部分からお読みになられることをお勧めします。
(1)『幕末・維新』井上勝生
(2)『民権と憲法』牧原憲夫
(3)『日清・日露戦争』原田敬一
(4)『大正デモクラシー』成田龍一
(5)『満州事変から日中戦争へ』加藤陽子
(6)『アジア・太平洋戦争』吉田裕
(7)『占領と改革』雨宮順一
(8)『高度経済成長』武田晴人
(9)『ポスト戦後社会』吉見俊哉
(10)『日本の近現代史をどう見るか』岩波新書編集部編
このうち(10)巻はいわゆる史学史のカテゴリーとなりますが、歴史学や社会科学を志すには必要な要素といえ、過去の成果を如何に批判的に継承するかとの問い掛けを読者に求める点で、最初にお読みになることをお勧めします。近代史への案内といったところでしょう。
そしてNo.(4)の著者である成田龍一氏は日本近代史学史の研究者として、今が旬の方です。
中公文庫版をお勧めしますが、最初の刊行からいささか時間が過ぎている部分をその後の研究動向に関する「解説」と「参考文献および史料」で補足されている点に魅力があります。
確かに一般の受験生とは少し異なる異色の受験生にも映りますが、質問者様はその分だけ無駄に時間を過ごしてきたわけでもないはずで、そうした部分は入学後のアドバンテージとなる可能性も多々あります。僕が受け持っている学生達の中には社会人枠で再度大学の門を叩かれた方も在籍していて、一般の学生に対し良い意味での刺激を与える部分も見られます。
先ずは受験に向けてシッカリとしたスケジューリングの下で適切な準備とシステムでサポートする予備校に通われることをお勧めします。諦めないで頑張ってください。
分かりました。
『日本の近現代史をどう見るか』岩波新書編集部編を読んだあと、
中公文庫版の近代編を読みます。とても楽しみです。
本当にありがとうございました。
もしよろしければ、おそらく読書後、疑問がわいてくると思うので、
ご回答頂けたら幸いです。
頑張ります!
No.7
- 回答日時:
実際に政治学専攻に籍を置きますと、必修科目として政治学原論をはじめ政治学体系論といった「学問としての政治学」の根幹を為す単位科目を履修することになります。
これはどの大学でも同じですが、それぞれの大学や教員でも扱うテキストが異なります。これは以外に重要な部分です。もちろんそれら原論を中心として憲法論や比較憲法学そして国家学といった大枠を対象とする専門単位も必要になります。
確かに池上さんをはじめとするコメンテーターやジャーナリストがテレビ解説をするケースもありますが、それはジャーナリストとしての仕事であって、本質的に政治学の見地に基づくとはいえない場合も多々見られます。この点には注意も必要です。地方自治に携わってこられた方々がコメントするならば重い意味もありますが、地方自治の現場にはいない人間が「原則論と現実のギャップ」を如何に取り上げようとも説得力などありません。こうした意味からすれば、丸山や藤田そして萩原といったプロの政治学者が現実を如何に直視していたかとの視点を理解せねば、ダイナミックに展開する社会科学のあり方に触れることも適わない話となってしまいます。
また同時に政治学をその領域に含む社会科学系の学部ならば、必ず原書講読の単位も取らねばりなりません。英語やドイツ語そしてフランス語などで書かれた原典を講読し、そのゼミの中で議論する形です。原文を和訳する作業は基礎作業であり、その著者の見解と自らが取り上げたい課題を担当者がレジュメ化しそれを叩き台として議論する形です。ですから受け身の姿勢ではお話しにもなりません。自らが目的意識を主体的に持って臨まなければ何も得ることのできない世界です。
むしろその意味からすれば質問者様は、大学で学ぶ事の意味すら考えず偏差値に振り回される普通の受験生より遙かにまともともいえますので、そうした部分だけは大切にしていただきたいと存じます。
アホな受験生に大学教育をこれ以上は荒らされたくない。これが教員の本音です。それほどに日本の大学教育は危機的状況にあるともいえます。
質問を改めて拝読して気になった部分ですが、福澤や徳富が登場するものの、その対極に位置していた新島襄や内村鑑三が日清・日露戦争で示したスタンスに触れていないのはなぜか。そして新たな国家社会を築くことに志を抱いた明治維新期の特性を最も如実に示すはずの議会制度と憲法それぞれの形成過程に触れていないことも不自然に感じられました。
日本史を選択しているならば、自由民権運動に関しても既に学んでいるはずですよね?。であるならば、そこに関わる諸々の歴史事象との関係も視野に入っていて当然の話にもなります。
五日市憲法草案や植木枝盛の東洋大日本国国憲按といった私擬憲法と自由民権運動の関係そして憲政の問題をどうリンクさせていくかも重要なポイントの一つです。
そうした部分から、受験ための勉強と同時に知識を補うとの意味で『中公文庫版 日本の歴史』のうちの何巻かをお読みになることもお勧めします。どれを先ずは読むべきかですが、そこは補足の形で「どの時代の枠組みを知りたい」など質問をお寄せいただければ回答させていただきます。
この回答への補足
回答ありがとうございます。
大学ごとテキストが変わるのですね。では偏差値にこだわらず、大学の
シラバスや教授の出版している本の内容から、志望校は決めなければいけないですね。
原書購読はとても面白そうですね。
翻訳された本は、必ず翻訳者の見解が混ざってしまうからでしょうか?
徳富と新島の主張が違うことは、大河ドラマ「八重の桜」で知りました。
新島にも魅力を感じています。
今は勉強不足で、どちらが正しいと思うと断言すること出来ません。
戦争は嫌だから、徳富の方が間違っているんじゃないかくらいしか考えられません。
伊藤博文と板垣退助の対立にしても同じです。
『中公文庫版 日本の歴史』是非読みたいです。
好きな時代は戦国時代ですが、今興味があるのは幕末から終戦までです。
少し広すぎますかね。
TANUHACHI様、度々のご回答、本当にありがとうございます。
No.6
- 回答日時:
政治学の専門書を読んだことありますか?
おそらく、質問者の期待する内容とは程遠いもののはずです。
質問文のような目的なら、
新聞を毎日読んだり、
池上彰が書くような解説本や「日本の論点」を読んだり、
社会問題を扱った新書の類を読んだり、
総合誌とかオピニオン誌と言われる雑誌を読んだりすべきであって、
わざわざ政治学を専攻するより遥かに意味があります。
逆に、大学で政治学を学んでいても、上のような勉強をしていなければ、現実の政治についてはわからないままです。
上で「読んだり」を繰り返し使っているのはわざとです。
一番大事なのは「活字メディアに金を出して読む習慣」なんですね。
今の若い方は、ここが本当にわかっていません。
全部ネットで済ませようとする。
それでも敢えてまとまった勉強がしたいというなら、
まずは小中高の公民や現代社会について復習しましょう。
この回答への補足
回答ありがとうございます。
BC81様のおっしゃること伝わってきました。
ちなみに本は好きです。
でも難しい本は眠くなるので、まず池上さんの本など、易しい本から読んでいきます。
それでもっと勉強たい分野が明確になるかもしれないですね。
ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
因みに、中島岳志さんは現在も北大の教員ですが、大澤さんは執筆や対談を中心として活躍もされています。
早稲田と慶應の根本的な違いですが、これは両大学が明治時代に建学された当時の経緯からも明らかで、早稲田は民権派、慶應は国権派のスタンスで創立されもしました。
福澤が当初からリベラルではなく「リベラルを装ったナショナリスト」だったことも既に先学達は明らかにしています。
No.3
- 回答日時:
政治なら早稲田
…
国公立なら東大以外なら実は、
論文~数、引用度指数…共に北大が京大より上位だったり~
http://soudan1.kbg.jp/qa/q4937114.html?sid=4abb2 …
No.2
- 回答日時:
恥ずかしく情けないのは政治を知らないことより、世間的には二浪扱いの今でも悠長に「受験を考えています」なんて言っていることではないか、と。
受験科目を調べてください。早稲田政経は英国社か英国数、慶應法は英歴に小論文。
数学に自信があるなら早稲田一択。古文漢文を含む国語に自信がある場合も早稲田。英語か論文(現代文の長文書き)に強ければ慶應。というより、英語に苦手意識があれば、慶應はまず無理。
数学はからきしという場合は、早稲田は地歴のほかに政経も選べるけれど、慶應は日本史か世界史しか選べない。ただし近現代史中心。
慶應のほうが出題の科目数や範囲は少なく狭く見えるが、こちらに絞ってしまうと他の大学学部が受けづらくなってしまいリスクは増大する、禁断の木の実。
どちらも私学としては文系最難関、馬力の違うエンジンを積む東大一橋など最上位国立受験生の併願先にもなっており、私立文系専願にとっては「空中戦」に等しい。基本的には高嶺の花。あなたのような思いつきで受験してみようなんて向きにはなおのこと。
今のあなたにとっては学風も何もあったものじゃないので、受かりやすいと思うほうを志望にする。普通は過去問で相性をはかるけれど、いま見てもおそらくチンプンカンプンのはず。
慶應は素人には小論文対策が難しい(できない、結果としてしない)ので、学科のみの早稲田にしておくほうが勉強はしやすいし、つぶしもきく。その敷居の低さが早稲田の人気のひとつ。
受験機会が山ほどある私立文系は、数を撃ちまくって受かった中で一番難しい(偏差値が高い)ところに進むのが常道です。数を撃ちまくるだけの綿密な受験校調査(複数校)とスケジューリング、豊富な資金(受験料)の確保に加え、易きに流れ科目を削り込んでしまわない意志の強さが必要。
高校卒業後、就職して一年半仕事をしていました。
でも本格的に勉強したいって思ったんです。
だから二浪の年ですが、今から受験する大学選びです。
受験科目、偏差値全て調べていました。
数撃ちまくる作戦は参考になりました。政治学に焦点を置いて、
本命・対抗・確実の3校を選んでいきます。
No.1
- 回答日時:
こんばんは、企業勤務と大学教育の双方に携わる者です。
大学では日本史学を専門領域としていますので、参考になればと考え、回答させていただく次第です。さてご質問の学問領域は主に政治学で扱いますが、同時に社会学の領域で扱うケースもあります。殊に近代の政治社会思想史の領域ですので、自ずから学問的スタンスの色彩が異なるケースでもあります。
これら近代の社会思想を研究対象とした先学には丸山眞男をはじめ藤田省三や萩原延壽といった人の名前が挙がりますが、近年では大澤真幸や中島岳志といった若手の研究者達も意欲的な作品を次々と発表していて、政治学を学ぶには何も早稲田の政経や慶應の法学部といった部分だけに限られるともいえません。
殊、社会科学領域で実績のある大学といえば、国立では東大・一橋そして名古屋大学の名前も挙がり、私学ならば中央や法政そして立教や明治、青山学院といったMARCHにも優れた研究者が在籍しておりますので、それぞれの公式サイトをお訪ねになることをお勧めします。
早慶に限定しての話ならば、僕は慶應を奨めることは先ずありません。どちらかと言えば、時の政権に対して与する立場をとりもする傾向がまま観られ、それは政治学本来のあり方からすれば疑問符を付ける形ともいえます。社会科学は阿諛追従を是とする学問領域ではありません。
如何ですか、一橋の法学部や社会学部で「社会科学が本来的にもつ魅力」に接してみては。私学ならば早稲田政経に次いで中央法の政治学専攻で、ラスキーやポランニーといった先学を対象として扱う教員に師事してみることが至福の時間を過ごす形といえます。そうした大学では政治学と同時に歴史学の領域をクロスオーバー的に横断する形をとってもいますので、「近代」そして「現在」に対し、自らがどう向き合うかを必然的に問われる形ともなります。自身の問題意識や歴史意識の検証と生成にとってはこの上ない環境を有しているともいえます。
維新チャンネルは残念ですが、自らの政治的スタンスや復古的なイデオロギーといった党派性を前面に打ち出す形ですので、政治学を志すのであれば参考にはなりもしません。
手始めに、中島岳志氏の最新刊『血盟団事件』をお読みになることをお勧めします。
ここまでは「日本近代の政治史的過程とそれが語る日本近代の構造的特質」をテーマとしてお話ししてきましたが、質問者様が求めるものが「現代日本の政治システム」であるならば、より丸山眞男や萩原延壽の遺した至言にも耳を傾ける必要があり、それは同時に「主権者としての国民が持つ政治意識」の問題ともいえ、より具体的な領域であるならば、地方自治論などの形もあります。そうした場合でも私学の早稲田や中央そして法政、同志社には実績があると申しておきます。ご参考にならなければ削除を求めていただきたいと存じます。
早稲田だけでなく、中央や法政、同志社にも実績があるのですね。
近代社会思想史というのも調べてみます。
TANUHACHIさんの文章を読んで難しい部分も多かったです。
それが逆にもっと勉強しなければならないなと思わされます。
刺激になります。
推薦いただいた血盟団事件はじめ丸山眞男さん等についても調べてみます。
本当にありがとうございました。
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