日本では太陽=赤という認識が強いと思います。
日の丸も赤だし、天気予報の太陽マークも赤です。
この「太陽=赤」という認識はいつできましたか。
高松塚古墳の壁画の太陽は金色、月は銀色でしたが。
http://www.kansai-u.ac.jp/Museum/kohun/
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
日の丸という名前と白地に赤、という意匠は源平合戦のときに源氏の旗印としてすでに現れています。
面白いのは、平家は逆に赤字に白丸の日の丸を使っていたことです。この意匠そのものが、朝廷から送られたものだったようで、その朝廷は西暦701年の「文武天皇の朝賀の儀」において、日像と称する日の丸の意匠を掲げたのが最初である、とされています。
ただし、これは赤丸ではなかったようです。
ただ、日本の朝廷において「日の丸」はこの時代には「日本を象徴するもの」として意識されていたといえ、それが源平合戦の際に、源氏側が「こちらが本当に朝廷を代表する軍隊」として白地に赤丸の意匠が利用されることにつながっていきます。
このとき、源氏が勝ち同時に白地に赤丸は「武士階級が使う正統な権力の旗印」として認識されたといえます。
この後、日の丸が大きく認知されるのはいわゆる御朱印船の時代で、日本の旗印として船につけるだけでなく投じ海外にあった日本の領館などにも日の丸が使われていたようで、この日の丸は白地に赤丸のものでした。
また、現存する日の丸の最古のものは、後冷泉天皇(1045~1068年)が源義光に下賜したものといわれ、すでに白地に赤丸の意匠になっています。
日本で太陽が赤になったのは、早くて鎌倉時代の初期、遅くても室町時代には「日の丸」の影響から赤になっていたと思います。
回答ありがとうございます。
>日の丸という名前と白地に赤、という意匠は源平合戦のときに源氏の旗印としてすでに現れています。面白いのは、平家は逆に赤字に白丸の日の丸を使っていたことです。
おおー、そんなに古くからあったんですか。
平家の赤字に白丸というのは何をイメージしたものなんでしょうね?
>朝廷は西暦701年の「文武天皇の朝賀の儀」において、日像と称する日の丸の意匠を掲げたのが最初である、とされています。
ただし、これは赤丸ではなかったようです。
何色だったのか、気になりますね。
高松塚古墳壁画の人物は朝賀の儀をあらわしたものだったような?
描いてあるかもしれませんね。
あとで確認してみます。
大変勉強になりました。
No.3
- 回答日時:
>この「太陽=赤」という認識はいつできましたか。
認識ということになりますと、だいぶ古くからであったようです。
何分にも絵画の表現として残っている史料が少なく確実にこのころからだったとは断定できません。
よく日章旗が引き合いに出されますが、日章旗は元々外国航路でお互いの所属を表す識別旗でした。
日章旗が正式に国旗と定められたのも1999年と極めて新しいことです。
それまでは、あくまでも船舶の識別旗か軍隊のシンボルという位置づけでした。
識別旗として描かれている史料で古いのは、アユタヤにあった日本人町の光景の中に描かれたものです。
アユタヤの日本人町が栄えたのは日本の戦国時代ですから15世紀~16世紀ということになります。
平家物語の描写からしても皇室の象徴としての日輪は金色です。
明治維新の錦の御旗も丸い金色でした。
イメージとしては、菊をデザイン化した紋章と重ねられて使用されています。
日章旗の話はさておき、認識という面からしますと「あか」という言葉がヒントになるかと思います。
「あか」は明るいことを表すと同時に赤という色相を表す言葉です。
明るいという意味での「あか」は和歌にたびたび登場します。
一方で「赤」という言葉は「青」に対する言葉として色彩的には非常に広い範囲の色を表します。
この辺の詳しい説明は下記のサイトをご覧ください
日英言口における太陽の色名に関するラ考察
sapporo-u.repo.nii.ac.jp/index.php?action=pages_view_main&ac...
高松塚古墳のお話をされておられますが、描かれている他の絵からも分かりますように中国文化の影響を色濃く受けた絵です。
中国では太陽は黄色又はオレンジ系統の色で表しました。
「白日のもとで・・・」という表現に見られますようにむしろ白と認識しています。
中国では黄色は最高の位を象徴する色として扱われました。
天空で最高のものであるとされた太陽に黄色を当てはめたのかと思います。
太陽が運航する軌道を黄道と呼ぶのはここからきています
この辺の詳しい説明は下記のサイトをご覧ください
日本人と中国人の色彩感覚 - 大阪市立大学大学院文学研究科・文学部
www.lit.osaka-cu.ac.jp/UCRC/2006/data/pdf_0503fiction/01_rin...
日中の太陽をまともに見ることはできませんが、朝日や夕日は見ることができます。
日本は湿度が高いので朝日や夕日は赤く見えます。
和歌などでも「あかあか」と表現されますがこのあかが「赤」と書かれるようになったのかと思います。
朝日や夕日を眺めていた人たちが太陽を赤いと認識したのはごく自然なことだったのではないのでしょうか。
ただし、これは日本が湿度の高い国土だったということによるものです。
現在でも太陽を赤色で表現するのは世界的には少数派です。
世界的には黄色やオレンジ色で表現されます。
赤のみならず青も認識論から詰めていくと難しいお話になります。
いろの道は険しいです。
回答ありがとうございます。
>識別旗として描かれている史料で古いのは、アユタヤにあった日本人町の光景の中に描かれたものです。
アユタヤの日本人町が栄えたのは日本の戦国時代ですから15世紀~16世紀ということになります。
おー、そのころから日章旗があったと。
もしかして、日本の国旗って世界一成立が古いとかいうことはないですかね。
国歌も平安時代の古今和歌集にあるものですし
(若干歌詞がちがいますが)
>平家物語の描写からしても皇室の象徴としての日輪は金色です。
明治維新の錦の御旗も丸い金色でした。
明治の旗も赤ではなく金色だったんですね~。
太陽にもいろいろな意匠のものがあった。
案外赤と定まったのは最近のことなのかも?
>高松塚古墳のお話をされておられますが、描かれている他の絵からも分かりますように中国文化の影響を色濃く受けた絵です。
反論するようで申し訳ありませんが
中国文化というよりは高句麗の影響を受けている思います。
特に女子群像の服装は高句麗壁画古墳とよく似ています。
ただし、高句麗壁画古墳にも描かれている四神などは中国の影響を受けたものでしょう。
>中国では太陽は黄色又はオレンジ系統の色で表しました。
「白日のもとで・・・」という表現に見られますようにむしろ白と認識しています。
そうなんですか。絵を見てみたいです。
>中国では黄色は最高の位を象徴する色として扱われました。
そういうことを聞いたことがあります。
>天空で最高のものであるとされた太陽に黄色を当てはめたのかと思います。
しかし中国には太陽神はいないとウィキペディアに記されていますが。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E9%99%BD% …
>日本は湿度が高いので朝日や夕日は赤く見えます。
和歌などでも「あかあか」と表現されますがこのあかが「赤」と書かれるようになったのかと思います。
朝日や夕日を眺めていた人たちが太陽を赤いと認識したのはごく自然なことだったのではないのでしょうか。
フィギュアスケートのリブニツカヤ選手が日本に来て
「こんなに赤い太陽は見たことがない。なぜ国旗が日の丸なのかわかった」と言ったとか。
外国の夕日って赤くないんですかね。
今まで外国の夕日も赤いと思っていました。
(外国に行ったことがない~)
リンクもありがとうございました。
大変楽しいお話で、わくわくして回答を読みました。
No.2
- 回答日時:
回答ありがとうございます。
リンク先の記事、とても楽しく読ませていただきました。
この太陽を象った旗を用いるようになったのは、645年(大化元年)の大化の改新以後、天皇による親政が確立された頃からと考えられる
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC% … より引用。
しかしこのころの太陽は金色だったでしょうね。
高松塚古墳がそのくらいの時代だと考えられますから。
>文献としては、797年(延暦16年)の『続日本紀』の中にある文武天皇の701年(大宝元年)の朝賀の儀に関する記述において、正月元旦に儀式会場の飾りつけに「日像」の旗を掲げたとあり、これが日の丸の原型で最も古いものといわれているが、白地に赤丸ではなかったと見られている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC% … より引用
何色だったのか、気になりますね~。
>第42代文武天皇の即位以来、宮中の重要儀式では三足烏をかたどった銅烏幢に日月を象徴する日像幢と月像幢を伴って飾っていたことが知られるが、神宮文庫の『文安御即位調度之図』(文安元年記録)の写本からは、この日像幢が丸い金銅の地に赤く烏を描いたものであったことが確認されている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC% …
より引用
金の丸に赤い烏~!
太陽=赤という認識のルーツは赤い烏なのかも?
おもしろいー。
>また世俗的にも『平家物語』などの記述などからも平安時代末期の頃までの「日輪」の表現は通常「赤地に金丸」であったと考えられている。
ほんと、これなかなかイケてますね。
かっくいー。
>赤い真円で太陽を表現する例としては、古くは漢時代の帛画にある(上記の日像幢と同様、内側に黒い烏を配するもの)。日本では法隆寺の玉虫厨子背面の須弥山図に、赤い真円の日象が確認できる。これは平安時代の密教図像などにも見出される表現であり、大陸から仏教とともにもたらされた意匠であろうと推測される。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC% … より引用
おっ、なんと中国起源でしたか。
>日本で白地赤丸が日章旗として用いるようになった経緯は諸説あり正確には不明である。 一説には源平合戦の結果が影響していると言われている。平安時代まで、朝廷の象徴である錦の御旗は赤地に金の日輪、銀の月輪が描いてある。平安時代末期に、平氏は自ら官軍を名乗り御旗の色である赤旗を使用し、それに対抗する源氏は白旗を掲げて源平合戦を繰り広げた。古代から国家統治と太陽は密接な関係であることから日輪は天下統一の象徴であり、平氏は御旗にちなんで「赤地金丸」を、源氏は「白地赤丸」を使用した。平氏が滅亡し、源氏によって武家政権ができると代々の将軍は源氏の末裔を名乗り、「白地赤丸」の日の丸が天下統一を成し遂げた者の象徴として受け継がれていったと言われる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC% … より引用
なるほど~。
大変楽しく学ばせていただきました。
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