高校の化学でなのですが、有機化合物の分離の系統図というものがあります。
フェノール(C6H5-OH)、安息香酸(C6H5-COOH)、アニリン(C6H5-NH2)、グルコース(C6C12O6)、ニトロベンゼン(C6H5-NH2)の混合物を分離させていく操作です。
ジエチルエーテル(C2H5-O-C2H5)を加えるとグルコース(C6C12O6)は解けないので沈殿する、と覚えるわけですが、なんでグルコースだけエーテルに溶けないのだろう・・・と気になってしまいます。
次に希塩酸(HCl)を加えるとニトロベンゼン(C6H5-NH2)が溶液中の下層に行くらしいです。これはアニリン塩酸塩(C6H5-NH3)ができたかららしいのです。どうして、他のものとは反応しないのだろうと思いますし、なんでアニリン塩酸塩は他のものより重いわけ???と疑問になります。
このような調子で分離していって、すべてばらばらに取り出していけることになっていますが、なんで取り出せるのだろう・・・と頭がクエスチョンでいっぱいになっています。
暗記をすると点数は取れるけど、理解していないので応用がきかないですよね。
みなさんは理解して覚えているのでしょうか。あるいは暗記だけですか。もし、理解している方がいらっしゃいましたら、どうしてそうやって分離しているか教えていただけたらうれしいです。
おねがいします!!!
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
ニトロベンゼンはC6H5-NO2ですよ。
グルコースには水酸基(-OH)がたくさんあるので、水に溶けやすく、
ジエチルエーテルのような極性の低い溶媒には溶けにくいのです。
その他の四つはベンゼン環の大きな疎水性により(塩を作らない場合)
水には溶けにくい(全く溶けない訳ではありませんが)のです。
希塩酸を加えると、塩基性の物質は塩を作り、水に溶けるようになります。
逆に酸性の有機物(フェノールや安息香酸)は強酸である塩酸の存在によって
イオン化(解離)が抑制され、水に溶けにくくなります(上記で全く溶けないわけ
ではないと書いたのは、これらは弱酸なので塩酸等がいなければわずかに
解離して水に溶けるということです)。
この場合、塩基性なのはアミンであるアニリンですね。別にアニリンの塩酸塩が
重い訳ではありません。
グルコース→水酸基がたくさん→水には溶けやすいが低極性の溶媒には溶けにくい
とか、
希塩酸を加える→塩ができるのはどれか→塩基性→アニリン→塩ができたら水に
溶けやすくなる
といった具合に、化合物のおもな性質は押さえておく必要があります。個々の
化合物に関する記憶も大事ですが、「こういう構造(たとえばアミノ基(-NH2)を
持つ化合物はこういう性質(塩基性)を持つ」という具合に化合物の種類(グループ)
ごとに性質を押さえておく方が応用がきくと思います。あとは何か
の操作(例えば希塩酸を加える)をしたときにどういうことが起きるかを考える
(塩基性の物質は塩になるよな~と)ことでしょうか。
ひょっとすると、どこかでアルカリを加えてフェノールや安息香酸を水に溶かす
操作があるのではないですか?
ベンゼン環にけつごうした水酸基はフェノール性水酸基といって、酸性を示します。
また安息香酸のーCOOHはカルボキシル基といって、やはり酸性を示します。
ご回答ありがとうございます!
ニトロ基(-NO2)とアミノ基(-NH2)が頭の中で混ざっていました。まだまだです・・・。
グルコースをC6H12O6と覚えていて官能基を知りませんでした。水酸基(-OH)がすごくたくさんありますね。だから、水に溶けやすかったのですか。
あれ? フェノールには水酸基が、、、と思ったのですが、ベンゼン環は大きな疎水性を持っている、というベンゼン環の性質が官能基-OHよりも支配的だと理解しておかなければならないのですね。
それから、
「希塩酸を加えると塩基性の物質は塩を作って水に溶けるようになる」
「アミンは塩基性を示す」
「アニリンはアミンである」
という知識がそろうから、塩基性であるアニリン(C6H5-NH2)は希塩酸を加えるとアニリン塩酸塩(C6H5-NH3)を作る、とわかるのですね!
さらに、希塩酸を加えても、なぜ他の有機物は変化がないのか、という疑問については、フェノール、安息香酸、ニトロベンゼンが強酸である塩酸の存在によってイオン化できない状態にされてしまっているからだったとのことですね。そんな仕組みになっていたなんて驚きました。
以前、強酸と弱酸を混ぜるとどうなるかとか、塩について勉強していたときに、こんなこと勉強してどうするんだろうと思っていましたが、今回のようなときに役に立つのですね。
今回教えていただいたことで、ベンゼン環と官能基について、それぞれが疎水性なのか親水性なのか、酸性なのか塩基性なのか、をおさえておく必要があると思いました。これは必要な暗記というか、応用がきく暗記というか、そういうふうに思いました。
それから、希塩酸を加える意味を考えられるようになりました。
ちなみにこのあとの分離は回答者さまのおっしゃるとおりで、NaOHaqを加える操作があります。
NaOHは強酸ですから、溶液中の有機化合物の酸性度の弱いやつ(?)のイオン化を抑制するはずです。逆に塩基性のものがあれば中和して塩が出てくるはずです。
と、今の知識ではここでストップしてしまって、この先が暗記になってしまいますが、とにかく、化学が得意な方の考え方が少しわかりました。この考え方をして私も勉強していきたいと思います。ありがとうございました!
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