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アニリンの合成についてです。


(1)煮ろとベンゼンを加熱用の太い試験管にとり、粒状のスズと濃硫酸を加え、よく振り混ぜながら、ニトロベンゼンの油滴がなくなるまで十分に加熱する。

(2)(1)の試験管中の液体部分だけを三角フラスコに移し、水酸化ナトリウム水溶液を一度生じた沈殿が溶けて乳濁液になるまで振り混ぜる。

(3)(2)を太い試験管に移し、トルエンを加えてよく振り2層に分離するまで静置する。

(4)(3)のトルエン層をコマゴメピペットで別の試験管にとり、塩酸を加えてよく振り混ぜる。

(5)(4)の水層をコマゴメピペットで別の試験管にとり水酸化ナトリウム水溶液を加えよく振り混ぜる。

(6)(5)にさらし粉水溶液を加えて変化を観察する。



(3)~(5)の分離の反応機構がよくわかりません。
なぜトルエンを用いるのでしょうか。

(5)の「(4)の水層をコマゴメピペットで~」とありますが、(4)の時点で2層に分かれているのでしょうか?



詳しく説明していただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。

A 回答 (1件)

ニトロベンゼンからアニリンを合成する時注意するのは、未反応のニトロベンゼン及び合成に使用した薬品を除く必要があると言う事です。


その時に、アニリンの性質を利用します。
アニリンは中性~アルカリ性ではあまり水には溶けませんが、芳香族系の溶剤には良く混ざります。
逆に酸性下では塩を形成し、水に良く溶ける様になります。
一方ニトロベンゼンは酸性でもアルカリ性でも水にはほとんど溶けませんし、逆に硫酸やスズイオンは溶剤にはほとんど溶けません。
(1)でアニリンを合成すると、水層には硫酸やスズイオンが含まれいてます。
(2)の処理でアニリンが遊離しますので、懸濁状態になります。
(3)でアニリンが油層に移動します。
硫酸やスズイオンはこの処理で除去されます。
(4)の処理で、アニリンは塩酸アニリンとなって、水層に移行します。
この処理で、未反応のニトロベンゼンは除去されますが、アニリン単体ではなく、塩酸塩になっています。
(5)の処理で、再びアニリンが遊離してきます。 後は水層と分離するのを待つだけです。

(3)でトルエンを使用する処理は、一般的には抽出と呼ばれる処理で、水には溶けはず、アニリンとは良く混ざると言う溶剤なら何でもかまわないのですが、毒性が低く、値段も安く、扱いやすく ・・・・・ と言う事で、トルエンは比較的良く使われる溶剤です。
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