No.2ベストアンサー
- 回答日時:
> ところで、中央と右の分子について『普通は立体異性体として扱われない』とのことですが、立体異性体であるが両物質間には反転による平衡が成り立っており性質の違いを考慮することにあまり意味がないため便宜的に立体異性体として扱わない、という認識で相違ないでしょうか?
その認識であっています。
ピペラジンは遊離した状態であれば反転して図中央の構造と右の構造とが入れ替わります。
ただし、ピペラジンの両方の窒素が1つの金属イオンにキレート配位した場合など、
環反転が出来ないように固定されると、反転は極めて起こりにくくなります。
No.1
- 回答日時:
3級以下の窒素は非常に簡単に反転するので、添付された画像の分子は
すべて窒素周りで容易に反転を起こします。
そのため、図の左のNABCは不省斉窒素とは呼べません。
また、図の中央と右の分子(ピペラジン)は普通は立体異性体としては扱われません。
しかし、窒素が不斉中心となっている化合物は実在します。
キニーネという分子がその一例です。(下にwikipediaへのリンク)
キニーネ分子の、芳香族窒素ではない方の窒素は
多環構造により反転することができず、窒素に3種類の異なる構造が結合しているため
不斉中心のある窒素となります。
また、キニーネは単に窒素が不斉中心を持つだけではなく、
不斉窒素が塩基触媒として働く不斉有機触媒として注目を集めています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%8B …
また、窒素原子を不斉中心にする別の方法として
4級アンモニウム塩にする方法もあります。下にリンクを貼ります。
4級アミンの原料は2or3級アミンであり、光学異性体の片方の4級アミンだけを
狙って合成することは難しく、普通はラセミ体を合成した後に分離しなければ
なりません。以下のリンク先のページでは、不斉中心を持つビナフチル骨格を
2つ導入することで、窒素にも不斉中心を持たせることに成功しています。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20100611/
この回答へのお礼
お礼日時:2015/09/06 14:46
回答ありがとうございます。
リンク先も大変興味深く読ませていただきました。
ところで、中央と右の分子について『普通は立体異性体として扱われない』とのことですが、立体異性体であるが両物質間には反転による平衡が成り立っており性質の違いを考慮することにあまり意味がないため便宜的に立体異性体として扱わない、という認識で相違ないでしょうか?
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