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光学異性体って何?どのようなものがあり、どのような用途で使われるのですか?

A 回答 (7件)

既に多くの回答があるので、ちょっと変わった光学異性体の例を挙げておきます。



光学異性体とは、偏光面を回転させる方向が逆の関係にある化合物同士のことで、このような化合物は現在知られている限り鏡像異性体の関係にあります。鏡像異性体とは、鏡に映したときの実像と鏡像の関係にある化合物のことです。つまり、右手と左手の関係にある化合物です。

一般には、下記に回答があるような炭素原子に4つの異なる官能基がついた化合物ですが、そうでないものもあります。
例えば、2001年にノーベル化学賞を受賞された野依良治先生の不斉触媒BAINAPに代表されるビナフトールやベンゼン環が螺旋状に縮合したヘリセン、縄跳び分子として知られるパラシクロファン類などは不斉炭素(不斉中心)をもっていませんが、光学活性です。不斉中心は無いのに鏡映面が存在することから面不斉化合物と呼びます。なお、ヘリセンに至っては比旋光度が3000度以上もあります。これらは、その立体的な障害のため分子が自由回転できないために生じた光学活性体です。

ヘリセンの構造と光学活性体の話が下記のリンク先にあります。(北大の先生のHPでわかりやすいです)
なお、トップページはここです。
http://www.geocities.co.jp/Technopolis/2515/inde …

また、二重結合が二つ繋がったアレン誘導体なども不斉中心は無いのに光学異性体が存在します。このような化合物を軸不斉化合物と呼びます。
(Me-CH=C=CH-Me)のような構造をしています。
(立体が描けなくて申し訳ない)

一般に、光学異性体は旋光度以外の物性値が等しい(厳密には異なるけどそれは量子力学の範囲なので化学では無視します)関係にありますが、面白いことに生体はこのような関係にある化合物同士をかなり高い確率で、臭いや味によって見分けることができます。

最後に、下に回答があるサリドマイドに関してですが、生体内でラセミ化する(光学異性体同士が平衡の関係になって50:50で存在する)と言う報告もあり、サリドマイドについては、必ずしも鏡像異性体の片方が毒で片方が薬ということでは無いらしいです。結局、光学異性体の片方だけ投与しても体の中で両方できてしまうということです。但し、この論文もたしかラットを使っての実験で人間での臨床例はない(あたりまえか)ので、実際のところはわかりませんが。

参考URL:http://www.geocities.co.jp/Technopolis/2515/omos …
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すいませんちょっと訂正です。



先の回答で、BAINAPに代表されるビナフトールを面不斉といってますが、これは軸不斉化合物ですね。

間違えました。ごめんなさい。
ついでに、軸不斉化合物をもう一個紹介しますと、
俗称プロペラ分子と言われる類のものがありまして
炭素に2,4,6-トリメチルフェニル基が三つと水素が一つ付いた分子は、同じ官能基が三つ付いているのに鏡像異性体が存在します。これは、トリメチルフェニル基のメチル基同士が近すぎるためにぶつかって自由回転できないからです。

この他にもリンPや窒素N、硫黄Sを不斉中心とした光学異性体が存在することが知られています。
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 光学異性体については既述されている通りですね。

で、一番身の回りで使われている存在は、医薬品です。近年では液晶分野もそうですね。

 で、医薬品の分野では、片方は医薬品としての薬効があるにもかかわらず、片方は身体に害を与える(=副作用)ということが多々あるんですよね。ですから副作用がなるべくないように、その有効成分である片方だけを、合成したり取り出されたりする技術というのが盛んに研究されているんです。

 
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光学異性体に関する悲劇の例を挙げます。



サリドマイドという物質を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。1960年にヨーロッパで市販された鎮静剤です。このサリドマイドは鎮静剤としては有効でしたが、1箇所だけ、光学異性体を持ち得る部分がありました。
妊婦がこのサリドマイドを服用すると、その新生児に重大な障害をもたらしました。後の研究で、光学異性体の片方には特に悪影響は無いのに対し、もう片方には催奇形性があることが分かりました。その違いはたった1箇所の不省炭素原子において、置換器と水素原子が入れ替わっているというごく僅かな違いのみによって生じたものだったのです。
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広い知識は持ってないですが、とりあえず知ってる範囲でお教えします。



光学異性体とは、物質Aの分子と物質Bの分子の構造が正確に鏡映しの関係になっていることです。
鏡写しですから、鏡の中では分子構造は全く一緒です。
AをBの光学異性体と言いますし、その逆も言います。

社会に広く応用されている例としては、液晶画面ですね。
液晶分子の配列にねじれを加えるためにカイラル剤というのが使われています。
これが、液晶画面を作るのに不可欠な技術なんです。
液晶は通常、真っ直ぐ配列するんですが、カイラル剤を混ぜてやると、カイラル物質が液晶と液晶との間にはさまって、ねじる役目をし、結果的に液晶が全体的にねじれて配列するのです。
現在最も多くの液晶画面に使われているのが、液晶層の奥側から表面側までのところまでで液晶の分子が約90度ねじれるようにしている構造です。
STNと言って、270度ねじる方式も、かつてはよく使用されていました。

なぜねじってあるかについて、ちょっとだけ説明。
電圧無印加で元々ねじれている液晶(=バネ)を、電圧をかけて電界方向に立たせたり、電圧を中途半端にかけて半立ちにさせたりすることで白黒灰色の階調表現しているが、液晶表示の原理なのです。

なお、厳密な説明は、わかりやすさのため、省いています。念のため。
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構造式中に結合する4種の原子または原子団がすべて異なるC原子(これを「不斉炭素原子」という)が存在するとき、この構造式は光学異性体をもちます。


光学異性体同士は、原子の結合状態は全く同じだから、化学的性質はもちろん融点、沸点、密度、溶解性などの物理的性質も全く変わらない。ただ、1つだけ異なる性質がある。それが旋光性とよばれるものです。一方向のみに振動する光(偏光)を、光学異性体の溶液に通すと、偏光面が左か右かに回転する。要は光学的性質の違いのみで区別できるから、「光学」異性体と言うのです。
まあ、図があった方が分かり易いし、実際にどんな物質があるか等は下記のURLで。

参考URL:http://www.kasoken.com/home/home_06.html
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理系の大学生です。

図がないとわかりにくいですね・・・
参考ページです。ここをよく読めばわかる気もします。

http://homepage2.nifty.com/organic-chemistry/kog …
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