これ何て呼びますか

貯蓄と消費に関する無差別曲線の件ですが、なぜ、現在所得Y1だけでなく、将来の所得Y2まで考慮する必要があるのでしょうか?貯蓄は将来の消費のことであって、所得を全額貯蓄に回すということは、今の所得をすべて使い切って将来の消費に回すということを説明できればいいはずですが、、将来の所得を考慮する必要性がいまひとつわかりません。よろしくお願いいたします。

A 回答 (1件)

2期間生きる個人を考えましょう。

C1を現在の消費、C2を将来の消費とすると、個人の効用は現在と将来の消費、C1とC2、から効用をえるのです。記号であらわすと

U=u(C1,C2)

と書くことができる。この個人は現在Y1の所得があり、将来Y2の所得があると、効用を最大化するためには、現在の所得と将来の所得をC1とC2にどのように配分するのがよいか考える必要があります。現在所得は少ないから、消費も小さくし(つまり「我慢」し)、将来所得が大きくなるので、そのとき消費を大きくする(つまりそのときになったらうんと「贅沢」する)という消費パターンをとるのがいいのでしょうか?あるいは逆の場合もあります。現在(働き盛りで)所得が大きいが、将来は定年で職もなく、所得もぐんと下がるとしましょう。所得が大きいときはうんと贅沢して使い切り、所得が少なくなる老後は所得に合わせて貧しく生きるのがいいのでしょうか?通常の効用関数のもとでは、そういう行動は効用を最大にすると行動とはいえません。効用最大化の原理は、なるべく消費を平準化するように現在の所得と将来の所得を配分するのがのがよいと教えています。前者のようなケースでは、現在の所得を(銀行からの)借入れによって補い、(現在の)消費をあまり減らさないようにする。将来期待される所得の一部は借り入れの返済にあてられるので、将来の消費は将来の(大きな)所得ほどには大きくしないとき、効用は最大化されるのだ。逆に、後者のようなケースでは、現在の所得の一部を貯蓄し(つまり、現在の所得の一部を貯蓄にまわすので現在の消費は所得ほど大きくならない)、定年後には貯蓄を取り崩し、定年後の小さくなった所得を補う(したがって将来の消費は所得ほどには下がらない)とき、効用は最大化されるのだ。

フォーマルには

max U = u(C1,C2)
s.t.
C1 + C2/(1+r) = Y1 + Y2/(1+r)

という効用最大化問題を解けばよい。ただし、rは現在(期間1)かr将来(期間2)への利子率だ。貯蓄をSと書くと

S=Y1 - C1

与えられる。最大化問題を解いたとき、Sが正なら貯蓄が行われ、Sが負なら負の貯蓄つまり借入れを表わしていることになる。
以上の議論からY1だけでなく、Y2も貯蓄を決定するのに重要であることがわかったでしょう。

実際に、効用関数
U=u(C1,C2) =√C1 + √C2
とし、r=5%と具体的に与えてみよう。
所得パターンは2つの場合
(1) Y1=0、Y2 =100
(2) Y1 = 100, Y2 =0
について、最適な(効用最大化する)消費パターンはどうなるか、最大化問題を解くことによって考えてみるとよい。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。まだ把握しきれておりませんので、中身を吟味させて今後の勉学の糧にさせていただきます。また、コメントさせていただければと思います。

お礼日時:2017/07/07 22:50

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