話題の出来事のQ&Aをウォッチ(観察)しながら、コラム形式で皆様に紹介していくサイト

今では当たり前となっている火葬が、少し前まではタブー視されていた理由

今では当たり前となっている火葬が、少し前まではタブー視されていた理由現在の日本では、葬儀の際に遺体を火葬にすることが主流となっている。厚生労働省の統計によると、日本の火葬率は99%以上であるらしい。海外ではアメリカやヨーロッパでの火葬率は50%を下回り、特にフランスでは何と30%程度だそうだ。例外的なのはイギリスで火葬率は73%だという。アジアや南米・アフリカ等の地域でも火葬率は50%程度で、比較すると日本の火葬率はとても高いことがわかる。そんな中、「教えて!goo」でも、「火葬することの意味を昔の人はどのように考えていたと思いますか」ということで、火葬について昔の人の考えを知りたいという質問が寄せられている。

■江戸時代の人達は火葬をどう捉えていたか?


質問者は、ウィキペディアの内容を参照しながら、日本の宗教観や土着信仰も踏まえ、過去の日本人達は時代により火葬をどう捉えていたかを聞いている。

回答者の答えを見ると、火葬が残虐だと捉えられたことなどから、最初はあまり良く思われていなかったが、宗教観よりも都市部において土葬等の土地が不足したのが原因で火葬が普及していったと回答されている。では、実際のところはどうなのだろうか?

■実際、日本では火葬はどのように捉えられていた?


葬儀の専門家である、心に残る家族葬を運営している葬儀アドバイザーにも、話を聞いてみた。

「江戸時代初期の江戸では、支配者層・庶民層共に火葬は一般的ではありませんでした。しかしその後、江戸時代の後期〜末期に至ると、火葬率は約50%程度まで上がったようです」(葬儀アドバイザー)

江戸時代初期は一般的でなかった火葬。しかし徐々に火葬率が上がっていたという。当時、火葬はどのように捉えられていたのだろうか。

「武士階級、特に上流武家では、火葬が悪臭の発生源となるとして好まれていなかったようですが、庶民層の人々にとっては、上流武家の人々ほどはタブーとされていなかったようです。そのため、細々とではありますが、先程お伝えしたように江戸の火葬率が上昇していきました」(葬儀アドバイザー)

徐々に上昇していったという火葬率。しかしある一定以上にあがらなくなったという。

「落語の古典的な演目の中にも、一般庶民の葬送習俗が活写された作品は多いのですが、そうした中でも火葬は決してタブー視されていません。ところがタブー視されていないにもかかわらず、実際の火葬率が更にそれ以上上がっていくことはありませんでした。何故かと言いますと、火葬という埋葬に肯定的な浄土真宗が、江戸では少数派であったとするところが理由の一つだとされています。また、先程触れた『悪臭』が将軍にかからないよう、将軍が寛永寺や増上寺に参詣したりする日には、火葬が禁じられたということも大きかったと思われます」(葬儀アドバイザー)

宗教上の理由、悪臭問題、これらが火葬率の上昇を妨げていたとのことだが、それ以外にも理由があると話す。

「江戸では大火が複数回起こり、その度に多くの身元不明の死者が出ており、また疫病や飢饉を含む自然災害によって、大量の身元不明の死者が出ることも、少なくありませんでした。そうした際には、衛生上の問題もあり、火葬というより遺体の焼却処理といったようなタイプの集団火葬が行われていたそうです。つまり、火葬には『有事の際の大量の死者の遺体の焼却処理』というイメージが少なからずあったため、平穏な死を迎えた死者の葬法としては不適切だとされた面もあったようです」(葬儀アドバイザー)

今となっては当たり前となっている火葬も、当時の武士階級の人にとっては忌み嫌うものとして扱われていたという。しかし火葬が一般的といえるようになったのは歴史的に見ればつい最近のことだ。火葬に対して現在は肯定的であっても、もしかしたらまたこの先その考え方は変わるかもしれない。

●専門家プロフィール:心に残る家族葬 葬儀アドバイザー 故人の家族と生前に親しかった方だけで行う家族葬こそが、故人との最後の時間を大切に過ごしたいという方に向いていると考え、従来の葬儀とは一線を画した、追加費用のかからない格安な家族葬を全国で執り行っている。

ライター 与太郎

吹き出し この記事についてコメントしよう!

この記事についてどう思う?

みんなの反応

29

BAD

NICE

みんなの反応

104

この記事についてコメントしよう!

  • 今の自分の気分スタンプを選ぼう!
あと4000文字

投稿する

教えて!goo 教えて!gooで質問する

人気のコンテンツ

更新情報をチェック