No.1
- 回答日時:
そのとおりです。
質権設定後に、債務者が義務を怠った場合、貸借権が質権者(債権者)へ移転すると思います。
そのためにはあらかじめ賃貸人の承諾が必要だとは思いますが・・・。
回答ありがとうございます。
なるほど、「質権設定後に、債務者が義務を怠った場合」にその賃借権は移転するのですね。理解しました!!
ところで、通常質権とは債権の担保として受けたものを、その債務の弁済があるまで留置する・・・ものだと思うのですが、そこでいう「留置」とは、土地の賃借権を目的としている場合、具体的にどう考えればいいのかなと思いまして・・・
No.2
- 回答日時:
その賃借権は不動産を借りている権利と考えていいですか。
そうだとすれば、もともと、質権は目的物の引渡をしなければ効力がない(民法344条)ので「賃借権に質権を設定した」ときには建物を明渡し、それを質権者に移転する必要があるので、更に、換価して(競売して)一般債権者に優先して返済を受ける権利があるだけ(流質契約は禁止されている=同349条)で、それらから云って本件のように賃借権(債権)を質入れすることはできないと思われます。
もっとも、賃借権も登記できるし、その登記に質権の登記はできますが賃借権は換価(競売)できないので、そのことから云っても本件は不可能と思われます。
賃借権ではなく地上権なら可能ですが。
No.3
- 回答日時:
他の方の回答が一部違っているようなので、申し上げます。
賃借権に質権設定は可能です。この場合、債権質となりますので、要物契約として、「債権証書」を質権設定者(賃借人かつ債務者)が質権者(債権者)に交付する事が効力要件となります。「賃貸借契約証書」がこの債権証書」に当たるかどうかはわかりませんが、「債権証書」が無い場合には、諾成契約となります。そして、対抗要件は、質権設定者(賃借人かつ債務者)の第三債務者(賃貸人)への通知または承諾となります。もし、債務者たる賃借人が債務不履行となった場合は、債権者たる質権者が質権を実行して、質権者自身が賃借人となります。ご丁寧な回答ありがとうございます。
実行されてはじめて質権者が賃借人になるのですね。
土地の賃借権そのものを質権者に移すというのではなく、「債権証書」を質権者に交付するわけですね。
ところで、実行され質権者が賃借人になる場合、何かメリットはあるのでしょうか??
No.4
- 回答日時:
ozakim3さん、ozakim3さんが云う賃借権とは不動産の賃借権でいいですか?
また、その質権の目的の債権は金銭債権でいいですか?
補足をお願い致します。
私は、不動産質とし、質権の目的の債権は金銭の支払いを求めるものとして回答しました。
この回答への補足
お忙しいところ申し訳ございません。
実は知人の親の土地を第三者に貸していて、その土地に第三者を賃借権者とする賃借権が設定されています。その賃借権は、「譲渡、転貸ができる」特約がついています。
そこに、金融機関を質権者とする賃借権質権が設定されました。(第三者が金融機関に金銭消費貸借をした。)
この場合、金融機関に対する債務が消滅するまでその賃借権は金融機関が持つということなのでしょうか?
No.5
- 回答日時:
>金融機関を質権者とする賃借権質権が設定されました。
そうですか。そんな登記があるのですか。
私は、初めてです。
そうすると、その質権の実行はどのようにするのでしようネ 賃借権は競売できないので(地上権ならできますが)賃借権をもらっても仕方がないですよネ。
金融機関はお金を貸したので、お金を返してもらいたいのですから、担保物を換価しなければならず、それができないから担保に取った意味がないのではないでしようか。
私は「金融機関に対する債務が消滅するまでその賃借権は金融機関が持つということなのでしょうか?」の回答は、金融機関が賃借権を持っていると云うことにはならないと思います。だって、地代も金融機関が支払っていないのでしょう。債務者がしはらっているのでしようか。それならば、債務者が支払わないなら土地所有者から地代の不払いにより土地賃貸借契約を解除され建物は収去されます。そうすれば登記されている賃借権は「絵に書いたモチ」で意味がない担保となります。勿論、抹消訴訟で抹消の運命と思われます。
No.6
- 回答日時:
>通常質権とは債権の担保として受けたものを、その債務の弁済があるまで留置する・・・ものだと思うのです
そう、そうなのですよね。
>そこでいう「留置」とは、土地の賃借権を目的としている場合、具体的にどう考えればいいのかなと思いまして・・・
そう、ozakim3さんの疑問は、そこにあるのですよネ
私も、そう思います。
そこで土地を目的としている場合は「不動産質」と云って民法357条以下に書いてあり大半は抵当権の規定を準用しています。(同法361条)
そのため、私は「賃借権の質権はあり得ない、地上権ならありますが」と云う結論となったのですが。
いかがでしよう。
回答とてもうれしく思います。
本当に、賃借権と質権の関係は難しい・・・。更に考えてみなくてはならないですね。どうもありがとうございます。
No.7
- 回答日時:
おそらく建物には抵当権が設定されているのではないでしょうか。
その場合、賃借権にも従たる権利として建物の抵当権の効力が及ぶとされています。そうすると賃借権に質権を設定することは無駄のような気もしますが、賃借権が登記されていること(定期借地権か何かでしょうか。)から、賃借権質権設定登記がなされたのではないでしょうか。確かに判例では、賃借権にも抵当権の効力が及ぶとしていますが、登記された賃借権についても同様なのか判例の射程範囲が判然としません。また、登記された賃借権に限りませんが、建物が滅失した場合、抵当権が消滅しますが、建物については物上代位で処理できますが、賃借権に関しては無担保化になりますので、これを回避する意味で賃借権に質権を設定することは考えられます。借地権に抵当権がつけられないので、苦肉の策とも言えると思います。
このように通常、建物に抵当権が設定されているので、建物の抵当権の実行で賃借権も競売の対象になりますから、質権の実行をすることは実際は少ないのではないでしょうか。仮にするとしても、単独で実行するのではなく、建物と賃借権の一括競売をすると思います。
ところで、土地の賃借権に対する質権の設定には、土地の引渡しは不要とするのが判例(大判昭和9年3月31日新聞3685号7頁)ですが、地上権に質権が設定された場合、質権者に土地を引き渡す必要があり、地上権と区別する合理的理由があるか疑問があります。借地権の質権の法的性格(債権質の性格を重視するのか、不動産質の性格を重視するのか)が不明確であることは否めません。
この回答への補足
>おそらく建物には抵当権が設定されているのではないでしょうか。
そうです!
との土地には、最近大きな病院が建っていてその建物に抵当権が設定されていました。
No.8
- 回答日時:
質権者が質権を実行して、賃借人になる場合に、質権者にメリットがあるのか?という質問者の疑問ですが、それは問題の論点となりません。
なぜなら、債権者が質権を設定する際に、メリットがあると考えたからこそ、質権設定に合意したのであり、メリットがないと考えるのなら、そもそも質権設定など合意しなければいいのですから。それから、「知人の親の土地を第三者に貸している」と言っていますが、これは更地(建物がまだ建っていない)でしょうか?更地なら、質権を実行して賃借権を質権者が手に入れるメリットは当然あります。その賃借権に基づいて、土地に建物を建てられるわけですから。それから、その賃借権は「譲渡転貸できる」と言う特約があると言うことですから、質権設定時に賃貸人の承諾が不要となるため、質権設定のメリットは更にある事になります。No.9
- 回答日時:
その後、手元の「不動産登記総覧=新日本法規」を調べましたが、その中で「地上権を目的とする質権設定」を登記目的とした申請書の書式がみつかりました。
でも「賃借権を目的とする・・・」はありませんでした。
債務者が支払わないときは、債権者は地上権(物権)を目的としていますから、その質権の実行、つまり、競売すればよく、その買受人は地上権を取得できます。仮に賃借権ならばそれは債権なので競売ができないわけです。
ですから、今回の登記は何かの間違いと思います。
この問題を解決するには「質権を実行する」が具体的に何をどうするかがわかれば解決すると思います。
なお、債権質は、例えば、第三者振出の手形を債務者が所持していて、債権者はその手形に質権を設定して所持しておれば、債務者が支払わないなら債権者が第三者から直接取り立てることができます。それを「債権質の実行」と云うわけです。
No.10
- 回答日時:
>でも「賃借権を目的とする・・・」はありませんでした。
香川保一編著「新訂不動産登記書式精義(中)」(株式会社テイハン)をご覧になって下さい。賃借権質権設定という登記はあります。もちろん、賃借権が登記されていること、その賃借権の譲渡・転貸ができること(賃貸人の承諾があること)が前提です。賃借権自体登記することはあまりないし、まして質権の登記をすることは滅多にないですから、マイナーな登記であることは確かですが。
>「質権を実行する」が具体的に何をどうするかがわかれば解決すると思います。
債権質の場合は、質権者には直接取立する権利がありますが、することができるのであって、その方法でしなければならないものではありません。また、質権の目的たる債権の性質上、取立による方法ができないならば、その債権を競売することになります。強制執行の手続きで、債権の譲渡命令や売却命令による換価手続が定められていることを思い浮かべると分かりやすいと思います。
この回答への補足
やはり、マイナーな登記なんですね。
事実、賃借権質権設定登記はすんでいます。
私は、法律を具体的に勉強してきた者ではないので、ピンとこない点もあるのですが、要は、質権が実行された場合、賃借権を競売により譲渡できるという理解でよろしいのでしょうか。
建物(病院)が競売により売却された場合、その土地を借りる権利も併せて移転できる道を質権を設定することにより確保した・・・っていう感じなのかなと・・・
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