こんばんは。お世話になっております。
前々から疑問のひとつだったのですが、英語で「人間や動物の歯」のことを tooth と言いますね。「のこぎりの目や歯車の歯」にもこの tooth を使うようです。
しかし、「歯の」という形容詞になると dental ですし、「歯医者」も dentist です。また dent は機械系の用語として「歯車の歯」の意味で使われています。
他のヨーロッパ諸国の言語においても「歯」は、フランス語で dent、イタリア語・ポルトガル語で dente、スペイン語で diente、ドイツ語だけ変わっていて Zahn(ツァーン)ですが、tooth よりも dent に近い感じです。
辞書には、「古英語 toth、ラテン語 dens と同系」とありますが、何故英語の tooth だけ他の国の言語と綴りも読みも全く違った単語になってしまったのでしょうか?
上記の国の中でドイツが最も北に位置し、他の国の「歯」を意味する単語と違っていることから、北欧の言語の影響もあるのかな、とも思いましたが、北欧の言葉は全くわからないのでどうにもなりません。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
19世紀に、言語学者であり民話の研究者でもあったJacob Grimmがインド・ヨーロッパ系の言語に体系的に見られる音の対応規則を発見しました。
これをグリムの法則(Grimm's Law)と言います。この法則によると、インド・ヨーロッパの古典語でp,d,t,kの音を持つ語が、ゲルマン語ではf,t,th,hにずれて対応する、といったような関係が指摘されています。例えば、ラテン語のpaterは英語ではfatherという具合です。ラテン語のdentが英語のtoothに対応するのは、まさにこのグリムの法則に沿った音変化で、もともと由来の違う語だというわけではありません。
今の標準ドイツ語のもとになった高地ドイツ語に関しては更に、tがtsに変化するという第二変化が起こりました。ドイツ語でzahnという語頭の子音を持っているのはこの変化によるものです。
グリムの法則は「法則」と名前がついているものの、何らかの条件のもとに常に発生する普遍的な法則ではなく、この時期のゲルマン語に起こった系統的な変化を記述しただけのものです。従って、なぜゲルマン語だけにこのような変化が起こったのか、という理由をこの法則が説明してくれるわけではありません。
グリムの法則を説明しているサイトはいくつもありますが、toothの例も載せてあるサイトがあったのでURLを貼っておきます。
参考URL:http://www.arts.uwa.edu.au/LingWWW/LIN203/Overhe …
回答いただきありがとうございます。
Grimm's Law というのは初めて知りました。
やはり tooth という言葉はゲルマン語の影響をかなり受けていたからこそ、ルーツこそ同じであっても、南ヨーロッパの言語とは違った道を歩んだわけですね。
イギリスの歴史を考えれば、ローマ帝国、ノルマン人、アングル族、サクソン族、ジュート族などの言語の影響を複雑に受けているわけですから、ヨーロッパの言語の中でも難解な方なのでしょうか?
No.3
- 回答日時:
フランス語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語はラテン系の言語で互いによく似ています。
英語とドイツ語もゲルマン系の言語で共通点も多いのですが、ラテン系の言語同士に比べると近似性が低いですね。といいますのは、大昔の英語はドイツ語と非常に似通っていたんですが、イギリスがノルマン人に占領されると、公式な言語はフランス語やラテン語に取って代わり、英語は下部層の庶民たちの言語に押しやられました。かろうじて、英語が公用語として復活しましたが、語彙の半分までがラテン語やフランス語に由来する言葉で占められていました。
このように英語で名詞は本来の固有語で形容詞形はラテン系というものには king→royalがあります。
回答ありがとうございます。
なるほど、イギリスを中心としてヨーロッパの歴史を考えてみると、英語はゲルマン語、フランス語、ラテン語が入り混じった言語なんですね。その中でもラテン語の影響はかなり大きいのですね。
ボキャブラリーの勉強をしていると、同じような意味なのに全く違う綴りの単語がたくさんあって困りますね。
No.1
- 回答日時:
このような説があります。
Word History: Eating, biting, teeth, and dentists are related not only logically but etymologically; that is, the roots of the words eat, tooth, and dentist have a common origin. The Proto-Indo-European root *ed-, meaning “to eat” and the source of our word eat, originally meant “to bite.” A participial form of *ed- in this sense was *dent-, “biting,” which came to mean “tooth.” Our word tooth comes from *dont-, a form of *dent-, with sound changes that resulted in the Germanic word *tanthuz. This word became Old English tth and Modern English tooth. Meanwhile the Proto-Indo-European form *dent- itself became in Latin dns (stem dent-), “tooth,” from which is derived our word dentist. We find a descendant of another Proto-Indo-European form *(o)dont- in the word orthodontist.
ところで、気になる事が一つ。
>また dent は機械系の用語として「歯車の歯」の意味で使われています。
私は機械関係はかなり知っているつもりですが、gear tooth/teethが普通使われますので、どこでdentが使われていたのか教えてください。dentならご存知の通り、「凹み」です。
この回答への補足
非常に参考になる回答をいただきながら、ポイントを差し上げられなくて申し訳ありません。
決して私の勘違いを指摘されたことによる感情的な理由ではないことをご理解ください。
もし日本語で回答されていたら違っていたかもしれません。
わからないことについて質問していますから、英語で回答されてそれを理解することは可能だとしても、提示された英文を読んで、日本語と全く同じような感覚で即座に理解できるほどの読解力は持っておりません。私は日本語のネイティブですから、日本語での回答の方がやはりすんなり理解しやすいというのが理由です。
早速の回答ありがとうございます。
やはりドイツ語だけ違っていたのは意味があったのですね。
「歯車の歯」という意味の dent は私の勘違いでした。おぼろげな記憶で書いてしまったあとで、私の持っている「図面の英語」という本を見たら tooth とありました。「歯車の歯元」を意味する単語が root of tooth のほかに deddendum があったので、それと混同したのかもしれません。
私はプロフィールにあるような性格なのでお許しください。m(_~_)m
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