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空間3次元の波動方程式の初期値問題の解の公式であるキルヒホフの公式は, 波動方程式の解の球面平均がEuler-Poisson-Darboux方程式を満たすことから, 空間1次元の波動方程式の解の公式であるダランベールの公式に帰着させて導きます. 球面平均を考える意味は何でしょうか ? 空間1次元に帰着できる根拠があるのでしょうか ? それともたまたまうまくいくだけなのでしょうか ?

A 回答 (1件)

次数低減法は最初に3次元の解を構成し、それから2次元や1次元の解を導くので、最初に球面平均が3次元の解であることを示す必要があると思います。

ここではGreen関数で示しましょう。
3次元空間の点x'を中心とした半径r=ct'の球と時間[t1,t2](ただしt1<0<t'<t2)の領域を考えると任意の関数u,vについて(c=1とします)
 ∫(v□u - u□v)dtdx
=∫(v∂u/∂t - u∂v/∂t)|(t1,t2)dx
-∫(v∇u - u∇v)dtdS  …(1)
が部分積分で示されます。
 □G(x,x';t,t') = -δ(x-x')δ(t-t')
の解をグリーン関数と呼び、因果律を満たすグリーン関数は
 G(x,x';t,t') = (-1/4π|x-x'|)δ(|x-x'|+(t-t')) (t<t'のとき)
 G(x,x';t,t') = 0 (t>t'のとき)
で与えられます。vをG(x,x';t,t')、uを□u=0の解として(1)に代入すると、
 左辺=u(t',x')
一方、右辺はGや∂G/∂tはt=t'-|x-x'|の時刻でのみ0でないので
 ∫(v∂u/∂t - u∂v/∂t)|(t1,t2)dx=0
またR=x-x'方向の単位ベクトルをeとすると
 ∇(δ(R+t-t')/R)
 =(1/R∂δ(R+t-t')/∂R - δ(R+t-t')/R^2)e
 =(1/R∂δ(R+t-t')/∂t - δ(R+t-t')/R^2)e
より
 ∫(G∇u - u∇G)dtdS
 =(-1/4πr)∫∇udS -t'(∂/∂t)∫udS -∫udS
よって
 u= (1/4πr)∫∇udS +t'(∂/∂t)M +M
となります。ここでMは時刻t=t'-r/c におけるuの球面上の平均です。物理的にはr=ct'の球面上の各部分から時間t'の情報が伝播してくるというホイヘンスの原理を表しています。  
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この回答へのお礼

ご回答頂きましてありがとうございます。早々に答えて頂いたにもかかわらずお礼が大変遅くなり申し訳ありませんでした。検討させて頂きます。

お礼日時:2005/02/10 09:47

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