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民法における損害賠償請求権の時効について質問です。

「債務不履行」に基づく損害賠償請求権の時効期間(生命・身体の侵害の場合を除く)は、①権利を行使することができることを知った時から5年、又は②権利を行使することができる時から10年であるのに対して、「不法行為」に基づく損害賠償請求権(生命・身体の侵害の場合を除く)は、③損害及び加害者を知った時から3年、又は④不法行為の時から20年ですが、同じ損害賠償請求権であるにも関わらずこのような期間の差があるのはなぜでしょうか?
また、両者における「知った時」を起算点とする時効期間は①>③となり、「債務不履行」の方が期間が長いのに対し、「権利を行使できる時」を起算点とした場合、②<④すなわち、「不法行為」の方が期間が長いのはなぜでしょうか?
さらに、「生命・身体の侵害の場合」は上記のものとは異なり、両者とも権利を行使することができる時を知った時から5年、権利を行使することができる時から20年であるのはなぜでしょうか?

A 回答 (2件)

これは、改正されています。


主観的起算点から5年、客観的起算点から10年と統一しています。
新民法166条以下をごらん下さい。
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まず、債務不履行については、債権一般の時効期間に従います。

債権一般の時効期間は「5年」と「10年」になっていますが、特に「5」という数字や「10」という数字に必然性があるわけではないだろうと思います。強いて言えば、“人間の指が5本”だからです(数字として切りがいい。10進法が発達したのも、人間の指が5本だから)。

不法行為の場合には、民法第724条に特則を置いて、債権一般の時効期間とは異なる取り扱いをしていますが、ではなぜ、不法行為の場合を債権一般の場合と異なる取り扱いにするのでしょうか。

この問題も、学者によって説明の仕方が色々あるようですが、池田真朗著「スタートライン債権法第4版」日本評論社刊の161頁によると、長期時効については、「債務不履行の損害賠償なら、不履行をした契約の相手がわかっている」が、「不法行為は、轢き逃げのように、加害者が誰だか分からないことや」、「いつ被害を受けていたのかさえはっきり認識できないときもある」ので、10年より長い20年にしたとしています(この「20」という数字にも必然性があるわけではないでしょうが、やはり切りのいいところを選んだのでしょう)。加害者を探すのや被害の認識に時間がかかることもあるので、債権一般の時効期間より長くしたというわけです。

短期時効については、同書には、「時間が経った場合の立証の困難などがいわれている」とあります。同書にはありませんが、この“立証の困難”というのは、被害者が損害等を立証する場合のことだけではなく、加害者(とされている人)が反論する場合のことも含まれているのだろうと思います。あんまり時間が経ってから「アンタの行為によって、損害が生じたがな」と言われても、言われた側からすれば、「そんなん、もっと早ぅ言うて貰わな、今頃言われたって、そんな昔のことなんか覚えてまへんがな」てなことになる可能性大でしょうからね(契約の場合だと、10年は契約書を取っておく人も多いでしょうが)。よって、この場合は、債権一般の時効期間より短くして3年にしたと。2年や4年にしなかったのは、結婚式の祝儀でも普通奇数にしますもんなぁ。それと一緒とちゃいますか。

「生命・身体の侵害の場合」は、生命・身体が他の財貨より重要性が高いから、時効期間を長めにしているのでしょう。
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この回答へのお礼

お礼が遅くなってしまい申し訳ありません。
いつもわかりやすい解説をしていただきありがとうございます。
本当に分かりやすくていつも助かっております。
また機会がありましたら何卒よろしくお願いいたしますm(*_ _)m

お礼日時:2020/10/27 01:21

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