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日本がボーイングみたいな航空機産業を生み出すことはできないんですか?

A 回答 (5件)

そもそも日本は、民間輸送機が製造されつつあったときには航空機製造を禁止されていました。



その間の民間輸送機の発達は凄まじいものがあり、日本が再参入して航空機として飛べるようになるまでの間に、航空機の大型化とそれに伴う制御方式の進歩、空力特性把握力の向上、航空機認定権威(FAAとか)の発生、推力方式の著しい進歩などがあり、完全においてけぼりをくらいました。第二次世界大戦中は航空大国の一角を占めていたにも係らずです。

航空機に関して、日本は基礎研究をおろそかにしていました。終戦前までは、何らかの基礎分野を修めたものが10年未満の下積みで設計を任されるようになってました。軍用機ですから民間航空機のような絶対的な安定性は求められません。試験で検知された危険な飛行特性を改める程度です。データが豊富なわけでもないので、よってたかって、水平尾翼のタブ特性を調整したり翼面面積を変えたりという経験則に基づく修正です。

米国ではMITやCALTECを出た博士号クラスが、ボーイングで日のあたらない基礎研究に進んで従事しています。データが豊富です。そこでより条件が厳しい民間航空機の設計調整となると影響が顕著にでます。これが設計力であり、修正力です。

更には企画力です。航空需要の予測をして提案します。ユニットコストも当然提示。さらに原価回収のためのシリーズ化、ファミリ化は当然の前提として、取り込みます。シリーズ化、ファミリ化が頓挫したときのコスト回収パターンも織り込みます。B737なんかは主翼下のクリアランス問題で行き詰まりつつありますが、4番目のシリーズをラインナップし原型初飛行から50年経ても現役です。

日本と比べれば、全てが追いつけません。エアバスはボーイングになりきれなかった欧州各国の会社が合併したものです。ATR、フォッカー、エンブラエル等は直接の市場対決を避けて勝負しました。

さて、日本はどこを狙いますか、いや狙えますか、です。三菱はRJというATR、エンブラエルの市場に飛び込みました。意外や意外、基礎技術はそこそこありました。シリーズ化の企画は弱かったです。需要にヒットしたかどうか、したんでしょうけど、ライバルより早く供給できないと仕方ない状況で、ライバルより遅い時期の提示、しかも何の実績がない会社が、です。国内キャリアには政府要請で発注が来ましたが、ほとんどは価格面でのライバルメーカーの当て馬になるぐらいの存在でした。
また、型式認定の技術的ではない、政治的な側面に翻弄されました。エアバスかボーイングがやっていない市場なのですから、代理店契約を結んで政治力を発揮してもらうべきでした。

政治力を発揮したのはホンダjetです。あのクラス(ビズジェット)の機体の型式認定はさほど厳しくはないのでしょうが、問題はエンジン。あのサイズはそうそう数も多くなく、ホンダの要求仕様通りになんか改造してくれません。ホンダは自分で作りましたが、型式認定がネックです。GEにエンジンを差し出して、GEとホンダの合併会社製エンジンとしました。GEの技術がどれだけフィードバックされたか、ほぼ無いと思います。GEのブランドと政治力を活用したんです。

日本は機体を一国で作り上げる技術・技能があります。三菱、川崎、富士重の三社で機体を作れます。そこのどこかが主導して設計するのでしょうが、どこがやっても少し時代遅れな設計になります。素材は優れています。アビオニクスは難しいです。企画力は劣ります。宣伝力、ブランド力も劣ります。政治力はほぼゼロです。つまり、三菱、川崎、富士重が合併したとしてもボーイングにはなれませんし、追いつきません。

でも、ご心配なく。ボーイングはイージス巡洋艦や潜水艦、戦車を作ることはできません。
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この回答へのお礼

大変詳しく教えていただき、ありがとうございます!みなさん、ありがとうございました!

お礼日時:2023/01/02 02:46

F-Xがテンペストになったのでロールスロイルの技術がパクれるかも

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無理。

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中型ジェットの三菱重工は失敗続きですが、小型ジェットのホンダはそこそこ売れてますね。



日本は太平洋戦争の敗北で、飛行機製造を禁じられましたが、その間に世界の飛行機はジェット化が華々しく進み、日本は置いてけぼりになりました。

ただ、ボーイング機などの部品は多くの部分で日本製になっていますし、ようやくIHIが高性能大型ジェットエンジンの開発に成功しました。

日本単独ではまだ難しいかもしれませんが、空自の次期攻撃戦闘機開発は、日英伊の三国共同開発となりました。
英国はEUを離脱しましたので、民間機に関しても、英国辺りと共同開発が進めば、可能性は膨らむのではないかと思います。
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小型ジェットのMJRでさえ失敗している現状で


大型機の製造は不可能。
欧米の認定を取らなければならない民間機は
今後も難しいと思う。
自衛隊装備の大型軍用機なら作れるけどこちらは
欧米の型式認定必要ないし。

https://biz-journal.jp/2020/11/post_189245.html
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