No.7ベストアンサー
- 回答日時:
その指揮者のレベルにもよるでしょうね。
ウィーンフィルみたいに悪達者なオーケストラだと指揮者を無視して演奏しちゃうこともあるらしいです。
とはいえ、音楽は一定のリズムで弾いていくものではありませんし、音量も大きくなったり小さくなったり。また各楽器のバランスなんてのは楽譜に書いてありませんので、その加減、というものが「解釈」なんです。大人数のときこの解釈の責任者が指揮者なんです。
「凄い」レベルの指揮者になるとそこに立っているだけで音が変わるなんてのもあります。「あの人が見ている!」っていうので緊張感がかわるわけです。
さらに演奏は生き物なんで、特にお客さんが入った生演奏だと、やはり指揮者も演奏者も普段とは違った緊張があります。そういう中でしか創れない人間のいとなみがあるわけで。だから本番中も指揮者は「演奏」しているんですよ。
No.11
- 回答日時:
異なった視点から。
オーケストラが演奏会場に於いて演奏する場合,演奏会場そのものも,一種の楽器なんです。
例えば,音の響きや残響時間などは会場によって異なっているのは当たり前ですが,同じ会場でも,観客の数,その日の天候,気温,湿度等々で,異なった響きをします。
これらの条件は,演奏中に変化することもよくあります。指揮者は,その日の,その時の条件に合わせて,ピッチを決め,演奏速度を決めるなど,最も適切な演奏方法を選択し,オーケストラに伝えます。
また,楽器は,長時間演奏していると,気温や湿度の変化によって音が変わってくる事もあります。全ての楽器が,同じように変わってくれれば,良いのですが,そんなことはありません。全部,異なった変化をします。これらの変化を敏感に感じ取って,適切な指示をオーケストラに伝えないと,良い演奏をすることは出来ません。
例えば,曲の最初にチューニングを行いますが,長い交響曲では,第3楽章と第4楽章の間に,再チューニングを行うこともあります。
つまり,練習も含めて,同じ指揮者が,同じオーケストラと,同じ会場で演奏したとしても,同じ演奏にはなり得ないのです。
常に,指揮者が,これらの変化に対応した指示を出します。指揮者は,演奏する曲だけでなく,演奏会場についても,熟知していると同時に,演奏環境の変化に対してもプロフェッショナルなのです。
実際には,もっと多くの判断や指示をするのですが,ここでは,演奏会場の条件の変化に絞って記述しました。
No.10
- 回答日時:
他の回答者の皆さんに付け加える形で私なりの指揮者、オーケストラ観を書かせてもらいます。
質問者さんがされているような疑問は多くの人が一度は抱くものだと思います。普通の人にとって身近な指揮者といえば、中学や高校の合唱コンクールの指揮者でしょうか。正直、校内の合唱コンクールくらいならは指揮者なしでも歌えますよね(No.2のymdaさんのような本格的なものは別ですが)。
多くの人はこのような体験から自然と
オーケストラ=演奏者
指揮者=リズムをとってあわせる人
という認識が生まれてきてしまっているのかもしれません。だから「本番に指揮者なんか必要なの?」という疑問に発展するのだと思います。
ここでちょっと見方を変えて
オーケストラ=楽器
指揮者=演奏者
というようにとらえてみることを提案します。人間の集まりであるオーケストラを演奏者と通常は思ってしまいがちですが、あえてその人間性を排除して音を出すだけの楽器と考えてみましょう。指揮者はオーケストラという楽器を演奏する演奏者です。慣れない方には突飛な発想に思えるかもしれませんが、クラシックの本を読んでいるとしばしば「○○交響楽団という最高の楽器は・・・」などと書いてあるもので、案外よくある見方なんです。
オーケストラという楽器にもいい楽器、悪い楽器があります。正確な音が出ない楽器(楽団員がしょっちゅう間違える)や演奏者のいうことを聞かない楽器(楽団員が自分の演奏に必死で指揮者無視)は悪い楽器です。逆に美しい音色を出す楽器(ウィーンフィルなんかは有名ですね)や演奏者の思う通りにコントロールできる楽器(楽団員が指揮者の指示を汲み取る余裕を持っている)はいい楽器といえます。ピアノやヴァイオリンのいい、悪いと同じですね。先の校内合唱コンクールの合唱団は悪い楽器だったのです。
演奏者にも上手い下手があります。いろいろなオーケストラの演奏を聴いていると、中には音がそろっていなかったり太鼓の音が抜けたりしているものがあります。これは演奏者(=指揮者)側のミスです。ちょうどピアノ、ヴァイオリンのような器楽奏者が音を間違えるのと同じと考えていいかもしれません。もちろん芸術家としての楽曲解釈、曲への味付けは演奏者の役割です。
ということで、オーケストラは楽器なので指揮者という演奏者がいなければ鳴ることはありません。指揮者は本番でオーケストラを演奏しているわけなんですね。指揮者とオーケストラの関係を簡単なモデルに表すとこうなるのだと私は思っています。
―参考までに―
もちろんオーケストラも人間の集まりですので、他の回答者さんのおっしゃるように心の問題なども実際は重要です。指揮者とオーケストラの信頼関係は演奏する上で欠かせないものです。かつては指揮者がオーケストラを支配するという力関係が明確に存在したらしいのですが、最近では指揮者に意見するオーケストラも増えてきているようです。絶対に指揮者はつけないなんていう楽団もあるんですよ。
No.9
- 回答日時:
1.実際の演奏は、メトロノームのように一定ではありません。
実際の曲の中では、慣れない人が聴いてもわからない程度に、ある部分では速くなり、ある部分では遅くなることもあるのです。また、メロディの始まりなどで、ある拍だけ、微妙に長くなることもあります。基本的には、一定のテンポで演奏しながらも、このような微妙なテンポの変化によってより自然に(音楽的に)演奏するためには、ある程度、演奏する人の人数が多くなると、指揮者によるテンポの設定(あるいは調整)が必要になります。(少人数の場合、例えば弦楽四重奏などでは、お互いが聴き合ったり、合図を出し合うことでこれをやっています)
もちろん、曲の中でテンポの指定が大きく変わることもありますから、この場合にも指揮者は必要です。
2.実際の演奏の中では、どこかの楽器のミスがきっかけとなって、演奏が崩壊しそうになることもります。この場合、指揮者の出すサインによってオーケストラが立ち直ることもあるのです。
3.クラシックの場合、基本的には、同じ楽譜を使うのですが、解釈の違いなどによって微妙に演奏が変わってきます。これについても、どのような解釈で演奏するのかを最終的に決めるのは指揮者の役割です。(この点が指揮者の最大の仕事だと思います)また、微妙に違う楽譜が何種類かある場合、どの版を使うか決めるのも指揮者です。
4.もちろん、すべてを指揮者がコントロールしている訳ではなく、コンサートマスターの動きに合わせたり、各パートの首席奏者どうしでアンサンブルすることもありますし、レベルの高いオーケストラほど、そういう能力も高くはなるのですが、それでも、編成が大きくなり、しくみも複雑な曲になると、指揮者がいないと演奏は不可能になります。
「リズムが微妙に変化する」、「急に転調する」などのことは本番前からわかっているのでは?だって何度も練習しているんだから。それなのになぜ指揮者が本番にもいるのか?が知りたいんです。 本番以外での指揮者の仕事など、いろいろ教えて下さってありがとうございます。
No.8
- 回答日時:
こんにちは。
good questionですね。たくさん回答が出ているので,ちょっと違った切り口から(^^
一口に指揮者と言っても,いろんなタイプがいます。
ちなみに以下の分類は私が勝手にしたもので,学術的な根拠は全くありませんし,今思いつきで書いているので,漏れもあるかもしれませんので,お詳しい方々,その点はご了承ください。
・コントロール系
本番になると勝手をする奏者もいます。そういう奏者に細かく指示を出し続け,意地でも楽譜通りに(または自分の思い通りに)演奏させようとするタイプ
・熱血系
身振りや表情で感情表現をして,細かいことはさておき,奏者と気持ちを共有しようとするタイプ
・お任せ系
なるべく奏者に気持ちよく演奏してもらえるよう,全体の空気を読み取ってみんなをのせていくタイプ
・芸術系(ヴィジュアル系?)
鮮やかな指揮棒さばきで,振っている姿そのものが芸術になってしまうタイプ
・カリスマ系(巨匠系)
とりあえず立っているだけで,なぜかその人の音楽になってしまうタイプ
---
実際には,この指揮者はこのタイプ,と決められるわけではなく,臨機応変にこれらの役割を使い分けています。使い分けの比率の違いが指揮者のタイプの違い,という感じだと思います。
実際の演奏会では,聴衆も含めた演奏会場にいる全ての人がひとつの音楽を創り上げていくわけですが,上述の役割をたくみに使い分けながら,その中心になるのが指揮者でしょうか。
半ばオカルトみたいな話も混じってしまいましたが,実際に音を出さないのに音楽が変わるのですから,オカルトと言えばオカルトですね。話だけではなかなか実感できないでしょうから,興味がおありでしたら,まずはいろいろと体験されることをお薦めします(^^
回答ありがとうございます。まずは一度観に行ってみたいですね。どうせ見るなら最初は熱血系か芸術系がいいです。観ているだけも楽しそう^^
No.6
- 回答日時:
最近、読んだ小説で参考になりそうなのが有りましたのでご紹介させていただきます。
著:今野敏、書名:緑の調査ファイル(ST警視庁科学特捜班シリーズ)
詳しくは、読んでいただくとして、僕が感じ取っている指揮者のイメージは舞台の演出家です。ただ、舞台は当日は役者任せなのに対して、オーケストラはリアルタイムで修正したり、味付けを変えることが出来るので存在するのだと思います。
リズムも楽曲の中で変更したり、管楽器や弦楽器などの音の構成を変える事で、楽曲の印象が変わるそうです。
No.2
- 回答日時:
指揮者の役割は、リズムをあわせるのが目的ではなく、
演奏者の心をあわせるのが目的なのです。
そして、会場にいる観客の心に訴えると・・・
実際、少人数等では、指揮者なんていませんよね?
バンドの演奏を見ても・・・指揮者って?
彼らは、少人数であっても、リズムをあわせるのではなく
心をあわせて演奏をしています。
誰かがリズムをとって、それに合わせて演奏するのではやはり崩れてしまいます。心をあわせることで、リズムが先読みできるわけです。
しかし、オーケストラのように100人規模となると
近くの人同士ならあわせられても、全体的にはやありあわせることはできません。
オーケストラの演奏者全員の顔、そして、指等をすべて見渡せられる指揮者にしかできないことです。
もし、指揮者と同じような動きをする感情を持ったロボットが指揮をしても
演奏はうまくいかないでしょう。
ロボットは、自分の心を出すことはできても、演奏者の心は読めません。
そして、会場にいる観客の心なんか読めませんよね?
これは、人間だからできるのです。
ちょっといいかたおかしいかもしれませんが、なるだけ簡単に説明してみました。
関係ありませんが、私は、学校のコンクールやら大きな合唱コンクール等でピアノ伴奏や指揮をしたことあります。
ほとんどが上位入賞や1位とったりしたことがあります。(小学生のときから・・・)
自慢ではありませんが、それぞれの人に、その時、「今」の心をあわせるのが、一番重要ではないかと今でも思っています。
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